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更新日:2024年4月26日

太陽光発電の売電終了後の最適解は?蓄電池を導入する3つのメリット

太陽光発電について

太陽光発電のFIT制度が終了するといわれていますが、その理由は再エネ発電の普及により、設備費用と運転維持費用が減少していくためです。FIT制度は太陽光発電を導入した方に一定の価格で電力を売る仕組みでしたが、価格が時間とともに下がっていくことが予想されています。

では、太陽光発電を導入しようと検討している方にとって、FIT制度終了後の選択肢はどのようになるのでしょうか。本記事では、太陽光発電の売電終了後の選択肢を詳しく紹介します。

もし、太陽光発電のFIT制度終了後に不安を感じている方がいれば、ぜひこの記事を読んでみてください。

太陽光発電の売電終了後の3つの選択肢

太陽光発電からの売電は11年目以降には、FIT(固定価格買取制度)の適用が終了するため、FIT適用時のようにおこなえません。これまで電力会社に売電していた方にとって、FIT制度の終了は大きな節目となるでしょう。

以下では、太陽光発電の売電終了後に考えられる3つの選択肢を紹介します。

  1. すでに契約している電力会社への売電を継続する
  2. 買取価格の高い新電力に乗り換える
  3. 売電をやめて自家消費のみにする

①すでに契約している電力会社への売電を継続

太陽光発電を導入している場合、現在の電力会社への売電継続はもちろん可能です。しかしながら、卒FIT後は売電価格が大幅に減額されることが予想されるため、継続には一定のリスクが存在します。

一方で、新電力のほうが売電価格が高いことが多いため、契約の変更を検討してもよいでしょう。新電力の契約はほとんどの場合、乗り換え制限がないため、数年に一度見直し、お得なプランに乗り換えることも検討する価値があります。

②買取価格の高い新電力に乗り換える

新電力は、電力自由化によって参入した新しい電力小売事業の会社です。以前はFIT制度により、大手電力会社に売電していましたが、卒FITになると新電力にも売電先が豊富にあります。

ENEOSは電力の売買もおこなう新電力の一例で、一般家庭の卒FITから電力を買い取るサービスを提供しており、全エリアで余剰電力を買い取っています。

また、積水ハウスやヘーベルハウスなどのハウスメーカーも卒FITの電力買取に参入しており、契約条件は厳しいですが、傾向として買取金額は他社よりも高めです。

③売電をやめて自家消費のみにする

売電終了後の余剰電力の買取価格は、一般的に「6〜10円程度」となっています。この金額は、電力会社からの購入価格よりも格段に安いため、太陽光発電の電気を自家消費した方がお得になる場合が多いです。

また、蓄電池の導入で、昼間に発電した電気を夜に使えるようになり、太陽光発電の電気を最大限に活用できます。

さらに、蓄電池の導入には国や地方自治体からの補助金が受けられる場合もあります。「70万円程度」の費用で導入ができるため、費用対効果も高いです。

蓄電池を導入する3つのメリット

太陽光発電のFIT制度が終了したあと、太陽光発電を最大限に活用するための最善策として「蓄電池の導入」が注目されています。蓄電池の導入には以下の主なメリットがあります。

  1. 電気料金を節約できる
  2. 自然災害の停電に備えられる
  3. 環境問題への貢献ができる

FIT制度が終了した後も、太陽光発電を最大限に活用するために、蓄電池の導入を検討してみてはいかがでしょうか。

①電気料金を節約できる

蓄電池の導入で、太陽光発電で蓄えた電気を使用できます。つまり、蓄電池を利用すると、日常生活で使用する電気代の節約が可能です。

例えば、昼間に発電した電気を夜間に使用すると、需要が少ない時間帯に効率的に電気の利用ができます。また、晴天時や発電量の多い季節に、余剰の電気を有効活用できます。

電気代が上がっている現状を考えると、蓄電池の導入は魅力的な選択肢といえるでしょう。

②自然災害の停電に備えられる

自然災害による停電は、私たちの生活に大きな影響を与える場合があります。地震や台風などの災害が発生すると、電力供給が途絶えることが予想されます。結果的に、食品の傷みや生活の不便が生じる可能性が高いです。

しかし、蓄電池を導入すると、自然災害の停電に備えられます。蓄電池は非常用の電源として活用できるため、停電時でも電気の使用が可能です。

特にオール電化住宅の場合、蓄電池からの電力消費によって、普段の生活を維持できるでしょう。照明や冷暖房、調理器具などの電化製品を使用できるため、停電による生活の制約を最小限に抑えられます。

関連記事:停電時の蓄電池活用法とは?蓄電池の基礎知識と停電対策も解説 

③環境問題への貢献ができる

蓄電池の利用は、環境問題への貢献にも大きな役割があります。太陽光発電と同様に、蓄電池の使用も環境問題への貢献度が高い取り組みでしょう。

まず、蓄電池を使用する家庭が増えれば、火力発電の稼働を抑える「ピークシフト」が可能です。夏場の昼間などのピーク時には消費電力が急増しコントロールが難しくなるため、ロスしてしまう割合が増えますが、蓄電池の導入でピーク時の電力供給を安定させられます。これにより、火力発電所の稼働を抑えられ、二酸化炭素の排出削減につながります。

また、トライブリッド型蓄電池の使用により、太陽光発電で発電した電気を蓄電池に充電し、夜間に電気自動車への充電も可能です。自分の家だけでは、あまり効果を期待できませんが、蓄電池が広く普及すれば、全体的な環境問題への貢献が実現します。

関連記事:FIT制度後は蓄電池でお得に節約!導入手順やメリット・デメリットを解説

太陽光発電売電の終了による影響

太陽光発電の売電終了による影響に関心を持つ方が増えています。具体的にどういう影響があるかを以下に紹介します。

  • 東京電力だとFIT期間中と終了の違いはどうなる?
  • 10年後の手続き方法
  • 11年目以降は蓄電池の導入がおすすめ

太陽光発電の売電終了による影響に備えておくと、太陽光発電の効果的な運営と、電力の自家消費の促進ができるでしょう。

東京電力だとFIT期間中と終了の違いはどうなる?

FIT制度適用期間中と卒FIT後の太陽光発電売電における価格変動について、東京電力を例に考えてみましょう。

東京電力に1年間で3,000kWhの電気を売電すると、FIT制度適用期間中では年間の売電収入は11.4万円になります。しかし、FITが終了して卒FIT後となると、年間の売電収入は2.6万円に大幅に減少するのです。

このように、FIT期間中と卒FIT後では太陽光発電売電の収入に大きな差が出てきます。FIT期間中は高い買取価格が保証されていますが、FITが終了すると価格が下がってしまうことを覚えておきましょう。

東京電力だけでなく、ほかの電力会社でも同様の傾向が予想されるため、これから太陽光発電を始める方は収益性をしっかりと見極めるようにしてください。

10年後の手続き方法

FIT制度の売電をおこなうには、事業計画認定の申請が必要です。この申請には、発電設備の詳細な情報や収益予測などが含まれます。事業計画認定が取得できれば、FIT制度の定められた金額に従った売電が可能です。

売電収入を継続したい方には、大手電力会社や新電力との契約を結び、引き続き売電をおこなえます。手続きに関しては、Webサイトから簡単に申し込めます。

一方で、10年後には売電をやめて自家発電に切り替えたいと考える方もいるかもしれません。この場合、自家発電に切り替えるためにも既存の契約している大手電力会社へ連絡が必要です。

11年目以降は蓄電池の導入がおすすめ

自家消費に切り替えるためには、蓄電池の導入が必須です。蓄電池は太陽光発電で得た電力を貯められる便利な装置であり、停電時にも安定した電力供給が可能となるからです。

蓄電池の導入には、本記事でも紹介しているようにメリットが多いです。電気代の節約や災害時の備えにもつながります。

なお、蓄電池の導入には一定の費用がかかりますが、自治体によっては補助金を出している場合もあります。導入を検討している方は、住んでいる居住地の補助金の有無を確認し、利用すると費用負担を軽減できるかもしれません。

関連記事:【家計の負担を軽減】蓄電池に必要な申請と補助金制度を解説 

【シミュレーション】終了後と蓄電池の導入との比較

FIT終了後に、太陽光発電のみと蓄電池を導入すると、どのくらい費用が変わってくるのかを以下の記事をもとに比較をします。

関連記事:【2023年版】太陽光発電の売電価格は?11年目以降のおすすめの対策方法も解説

  • 太陽光発電システム容量:5kW
  • 年間発電量:5,000kWh(システム容量の1,000倍とする)
  • 年間電力消費量:4,258kWh ※1
  • 買取価格:6.0~10.0円/kWh
  • 電気料金単価:24.1円/kWh ※2
  • 自家消費率:30%(太陽光のみ)、70%(蓄電池導入時) ※3

上記の条件をもとに、太陽光発電の容量が「5kWh」の場合、太陽光発電のみと蓄電池を導入するとどのくらい費用が変わってくるのかを計算してみましょう。

自家消費による電気代削減売電収入
太陽光発電のみ約3.1万円約2.2~3.7万円
蓄電池を導入約7.2万円約1.2~2.0万円

太陽光発電のみの計算式は、以下のとおりです。

【年間の電気代】
年間電力消費量 4,258kWh × 電気料金単価 24.1円/kWh = 約10.3万円

【自家消費による電気代削減】
年間電力消費量 4,258kWh × 自家消費率 30% × 電気料金単価 24.1円/kWh = 約3.1万円

【売電収入】
(年間発電量 5,000kWh – (自家消費利用分 年間電力消費量 4,258kWh × 自家消費率 30%))× 買取価格 6.0円~10.0円/kWh = 約2.2~3.7万円

【年間収益】
電気代削減 3.1万円 + 売電収入 2.2~3.7万円 = 約5.3~6.8万円

蓄電池を導入する際の計算式は、以下のとおりです。

【年間の電気代】
年間電力消費量 4,258kWh × 電気料金単価 24.1円/kWh = 約10.3万円

【自家消費による電気代削減】
年間電力消費量 4,258kWh × 自家消費率 70% × 電気料金単価 24.1円/kWh = 約7.2万円

【売電収入】
(年間発電量 5,000kWh – (自家消費利用分 年間電力消費量 4,258kWh × 自家消費率 70%))× 買取価格 6.0円~10.0円/kWh = 約1.2~2.0万円

【年間収益】
電気代削減 7.2万円 + 売電収入 1.2~2.0万円 = 約8.4~9.2万円

「自家消費による電気代削減」と「売電収入」を考慮すると、蓄電池導入したときの方が、年間「約2.4〜3.1万円」経済的なメリットがあります。

ただし、お使いのご家庭の電力使用状況によって、条件が異なります。詳細なシミュレーションをご希望の場合は、ミライでんちお問い合わせください。

※1 引用:環境省「家庭のエネルギー事情を知る」
※2 引用:一般社団法人 太陽光発電協会「太陽光発電の現状」
※3 参考:ドイツ貿易・投資振興機関(Germany Trade & Invest) 、2019年

まとめ:柔軟に考えて光熱費の節約をしよう

光熱費の節約は、日常生活の重要な課題といえます。最近では、太陽光発電の売電期間を20年に延長できる可能性もあるともいわれていますが、柔軟な視点で光熱費の節約を考えることも大切です。

ミライでんちでは、再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活を提案しています。
太陽光発電や蓄電池の導入に際しては、補助金の活用方法に関する無料のアドバイスも提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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