【2023年版】太陽光発電の売電価格は?11年目以降のおすすめの対策方法も解説
太陽光発電は電気代の節電だけでなく、売電による収入を得られるメリットもあります。しかし、実際にどの程度の収入になるかは「売電価格」を知っておく必要があるでしょう。
この記事では、2023年度の太陽光発電の売電価格やFIT制度終了後の対策方法について、特に蓄電池の導入のメリットや補助金に注目して解説します。
目次
2023年の太陽光発電の売電価格は?シミュレーションも紹介
2023年度の太陽光発電の売電価格が公式に発表されました。太陽光発電の売電価格は、年々安くなっている傾向にあるため、これから太陽光発電の導入を検討している人にとっては、「売電収入はどれくらいになるのだろう」と気になるところでしょう。
ここでは、経済産業省の情報をもとに具体的な売電価格とその計算式、さらには年間売電収入のシミュレーション結果を詳しく解説します。
2023年の太陽光発電の売電価格は「16円/kWh」
1kWhあたり調達価格等/基準価格※1 | ||||
入札制度適用区分 | 50kW以上(入札制度対象外) | 10kW以上 50kW未満※3 | 10kW未満 | |
2023年度 | 入札制度により決定 | 9.5円/kWh | 10円/kWh | 16円/kWh |
調達期間/交付期間※2 | 20年間 | 10年間 |
※1:FIT制度(太陽光10kW未満及び入札制度適用区分を除く)は税を加えた額が調達価格、FIT制度の太陽光10kW未満は調達価格、FIP制度(入札制度適用区分を除く)は基準価格、入札制度適用区分は上限価格。
引用:経済産業省資源エネルギー庁「買取価格・期間等|FIT・FIP制度」
※2:FIT制度であれば調達期間、FIP制度であれば交付期間。
※3:10kW以上50kW未満の事業用太陽光発電には、2020年度から自家消費型の地域活用要件を設定する。ただし、営農型太陽光発電は、3年を超える農地転用許可が認められる案件は、自家消費を行わない案件であっても、災害時の活用が可能であればFIT制度の新規認定対象とする。
経済産業省の情報によると、2023年度の太陽光発電の売電価格は、1kWhあたりの調達価格が異なります。
具体的には、10kW未満の太陽光発電の価格は「16円/kWh」、10kW以上50kW未満の区分では「10円/kWh」となっており、50kW以上の入札制度適用区分における価格は入札制度により決定されます。
これらの価格は、中立的な調達価格等算定委員会の意見をもとに、経済産業大臣が決定したものです。
参照:
経済産業省資源エネルギー庁「買取価格・期間等|FIT・FIP制度FIT・FIP制度」
調達価格等算定委員会「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」
【シミュレーション結果】年間では1kWあたり「約11,000円」の売電収入がある!
- 2023年度の売電単価(FIT単価)は1kWhあたり「約16円」(10kW未満)
- 年間発電量の目安は、太陽光発電の容量1kWにつき「1,000kWh」
- 売電割合68.8%
上記の条件をもとに、太陽光発電の容量が「5kWh」の場合と「9kWh」の場合で、年間売電収入を計算してみましょう。
太陽光発電の容量 | 年間発電量 | 年間売電量 | 年間売電収入 |
---|---|---|---|
5kWh | 5,000Wh (※4) | 3,440kWh (※5) | 55,040円 (※6) |
9kWh | 9,000kWh (※7) | 6,192kWh (※8) | 99,072円 (※9) |
5kWhの場合の計算式は、以下のとおりです。
(※4)年間発電量 = 1,000kWh × 5 = 5,000kWh
(※5)年間売電量 = 5,000kWh × 68.8% = 3,440kWh
(※6)年間売電収入 = 3,440kWh × 16円 = 55,040円
また、9kWhの場合の計算式は、以下のとおりです。
(※7)年間発電量 = 1,000kWh × 9 = 9,000kWh
(※8)年間売電量 = 9,000kWh × 68.8% = 6,192Wh
(※9)年間売電収入 = 6,192Wh × 16円 = 99,072円
FIT価格が適応している間、5kWhの場合の年間売電収入は「55,040円」、9kWhの場合は「99,072円」になります。上記より容量1kWに換算すれば年間の売電収入は「約11,000円」です。
ちなみに、月々に換算すると、5kWhの場合は「約4,600円」、9kWhの場合は「約8,300円」です。
【注意】太陽光発電の売電価格は減額で推移している
太陽光発電の売電価格の推移(円/kWh) | ||||||||
西暦 | 2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 |
10kWh 未満 | 31 | 28 | 26 | 24 | 21 | 19 | 17 | 16 |
ダブル発電 | 25 | 25 | 25 | 24 | 21 | ダブル発電は2020年を もって終了 |
太陽光発電の普及が進む中、売電価格は減額が続いています。
FIT制度の導入以降、太陽光発電の売電価格は年々減少しており、再生可能エネルギーの導入コストの低減とともに売電価格も下がってきているのです。
2023年度の売電単価(FIT単価)は1kWhあたり「16円」となっており、2016年度の1kWhあたり「31円」と比べると、大幅に減少しています。
このような背景から、太陽光発電を導入する際には、早めの導入を視野に入れるべきでしょう。
参照:調達価格等算定委員会「令和5年度以降の調達価格等に関する意見」
【重要】太陽光発電の売電価格は11年目以降に大幅に減額する
太陽光発電の導入を検討している方や、すでに導入している方にとって、FIT制度の終了は大きな影響を及ぼします。FIT制度の下では、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が高価格で買い取ることが保証されていました。
しかし、この制度が終了する11年目以降、売電価格は「約6円~約10円/kWh」に大幅に減少します。
FIT制度の仕組みをおさらい
FIT制度は、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取ることを約束する制度です。この制度により、発電した電気は電力会社から決められた期間(10年間)は、決まった価格で高く買い取ってもらえます。
関連記事:FIT制度後は蓄電池でお得に節約!導入手順やメリット・デメリットを解説
卒FIT後は「約6〜約10円/kWh」まで減額する
「卒FIT」とは、FIT制度が満了を迎えることを指します。制度の満了後は、電気の買取価格が「約6〜10円/kWh」まで下がることが予想されます。このため、卒FIT後の太陽光発電の活用方法には特に注目が集まっているのです。
【比較】11年目以降では1kWあたり年間「4,128〜6,880円」の売電収入に
- 2023年度の売電単価(卒FIT単価)は1kWhあたり「約6~10円」(10kW未満)
- 年間発電量の目安は、太陽光発電の容量1kWにつき「1,000kWh」
- 売電割合68.8%
上記の条件をもとに、太陽光発電の容量が「5kWh」の場合と「9kWh」の場合で、年間売電収入を計算してみましょう。
太陽光発電の容量 | 年間発電量 | 年間売電量 | 年間売電収入 |
---|---|---|---|
5kWh | 5,000kWh (※10) | 3,440kWh (※11) | 20,640~34,400円 (※12) |
9kWh | 9,000kWh (※13) | 6,192kWh (※14) | 37,152~61,920円 (※15) |
5kWhの場合の計算式は、以下のとおりです。
(※10)年間発電量 = 1,000kWh × 5 = 5,000kWh
(※11)年間売電量 = 5,000kWh × 68.8% = 3,440kWh
(※12)年間売電収入 = 3,440kWh × 6円 = 20,640円
年間売電収入 = 3,440kWh × 10円 = 34,400円
また、9kWhの場合の計算式は、以下のとおりです。
(※13)年間発電量 = 1,000kWh × 9 = 9,000kWh
(※14)年間売電量 = 9,000kWh × 68.8% = 6,192kWh
(※15)年間売電収入 = 6,192kWh × 6円 = 37,152円
年間売電収入 = 6,192kWh × 10円 = 61,920円
卒FIT後は、5kWhの場合の年間売電収入は「20,640~34,400円」、9kWhの場合は「37,152~61,920円」です。さらに、容量1kWあたりでは「4,128〜6,880円」と換算できます。
月々に換算すると、5kWhの場合は「約1,720〜2,870円」、9kWhの場合は「約3,100〜5,160円」です。
FIT価格が適応している間の5kWhの場合の年間売電収入「55,040円」と9kWhの場合の「99,072円」に比べると大幅に年間収入が減ってしまうことがわかるでしょう。
11年目以降も太陽光発電をフル活用するための対策は「蓄電池の導入」
太陽光発電のFIT制度が終了したあと、太陽光発電を最大限に活用するための最善策として「蓄電池の導入」が注目されています。以下に、蓄電池導入の主なメリットを詳しく説明します。
①蓄電した電気を活用して、電気代が節約できる
蓄電池を利用すれば、太陽光発電で発電した電気を蓄えられます。
この蓄電した電気を日常生活で使用することで、電気代を大幅に節約することが可能です。特に、電力会社の電気代が上昇している現在、蓄電池の利用は大きな経済的メリットとなります。
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②非常時の備えとして機能する
災害や停電時にも蓄電池は非常用の電源として活用が可能です。
蓄電池に蓄えられた電気を使用することで、非常時でも一定の生活を維持することが可能となります。これにより、安心して日常生活を送れます。
関連記事:停電時の蓄電池活用法とは?蓄電池の基礎知識と停電対策も解説
③蓄電池の導入も補助金が活用できる
蓄電池の導入には初期費用がかかりますが、国や地方自治体からの補助金制度を利用することで、導入費用を大幅に抑えられます。補助金制度を活用することで、蓄電池の導入がより手軽になるのです。
関連記事:【家計の負担を軽減】蓄電池に必要な申請と補助金制度を解説
まとめ:「太陽光発電+蓄電池」でメリットをフル活用しよう
2023年度の太陽光発電の売電価格は、10kW未満の太陽光発電の価格が「16円/kWh」と公式に発表されました。太陽光発電の売買価格は、減少の一途をたどっている状態です。また、FIT制度の終了後である11年目以降の太陽光発電の売電価格は大幅に減額されてしまいます。
11年目以降の太陽光発電を最大限に活用するための対策として、蓄電池の導入が注目されています。蓄電池を導入することで、電気代の節約や非常時の電源としての利用が可能となるのです。
ミライでんちでは太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活をご提案しております。
蓄電池導入に際しての補助金の活用方法についても無料でアドバイスをおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。