無料で導入できる?太陽光発電の屋根貸しに潜むリスクを徹底解説
太陽光発電を導入すれば、売電収入が得られ、また生活に充てる電気代を節約できます。一方で、初期費用やランニングコストが負担で、太陽光発電の導入に踏み切れていない方も少なくありません。
このような方に向けて、自宅の屋根を貸すことで副収入を得られる「屋根貸し」という方法があります。太陽光発電の屋根貸しは、事業者が初期費用やランニングコストを負担をするため、経済的な負担が大きくかかりません。そのため、太陽光発電を活用した収益を得る方法として、近年、注目されています。
本記事では、太陽光発電の屋根貸しに潜むリスクやメリットを紹介します。
目次
そもそも太陽光発電の屋根貸しとは?
太陽光発電の屋根貸しとは、戸建ての家主が太陽光を設置する事業者に屋根を貸す仕組みです。
事業者側は固定価格買取制度(FIT制度)を利用して売電収入を得られます。一方で、家主は屋根を貸したことによる賃貸収入を契約期間内で継続的に得られるようになります。
なお、屋根貸しの契約は永続的ではなく、契約時に期間を定められています。基本的には、契約期間はFIT制度の適用期間内で取り決められているケースが多いでしょう。
契約期間が満了すると無償で太陽光発電装置が家主に譲渡されるケースもあり、長期的な視野で考えると、自宅に設置された太陽光発電を手に入れられる可能性もあります。
太陽光発電の屋根貸しに潜むリスク・デメリットとは?
太陽光発電の屋根貸しは、自身で太陽光を発電し、売電する場合と比べて仕組みが大きく異なります。この相違点を知っておかなければ、契約後にトラブルに発展するケースも否定できません。
ここでは、太陽光発電の屋根貸しに潜むリスク・デメリットについて、5点解説します。
- 売電による収入がない
- FIT制度は利用できない
- 撤去の場合は自己負担になる
- 定期的なメンテナンスは負担になることがある
- 自治体の補助金は利用できない
①売電による収入がない
太陽光発電の売電収入は、設置した事業者が得られるように決まっています。そのため、屋根を貸した側は、売電収入を得られない点に注意が必要です。
通常の太陽光発電の導入では、売電収入を得られる点が大きなメリットとなるため、この点は根本的な相違点として把握しておきましょう。
②FIT制度は利用できない
固定価格買取制度(FIT制度)は、そもそも売電をした事業者や個人に適用される制度であるめ、屋根貸しの利用者は制度を活用できません。
このFIT制度とは、太陽光発電の事業者が一定の金額で発電電力を買い取ってもらえる制度です。この金額は、FIT制度が適用されていない場合と比べると高水準となっています。
屋根貸しはあくまでも賃貸収入を得る仕組みであるため、この点は理解しておきましょう。
③撤去の場合は自己負担になる
太陽光発電の屋根貸しには、契約時に決められた契約期間があり、その期間を過ぎると太陽光発電を譲渡される場合が多くあります。そのうえで、もし太陽光発電が不要で、撤去したい場合には自己負担になる可能性があります。
この撤去費用には、15万円ほど費用がかかってしまうため、契約時に譲渡の有無を確認しておきましょう。
④定期的なメンテナンスは負担になることがある
もし屋根貸しの契約終了後に太陽光発電を継続的に利用したい場合には、定期的なメンテナンス費用の負担があります。
契約期間中は、設置するまでの初期費用やメンテナンスにかかる費用は、太陽光発電を設置している事業者がすべて負担してくれるため問題になりません。しかし、太陽光発電の譲渡後は、あくまでも自身の所有物となるため、事業者がメンテナンス費用を負担しなくなります。
そのため、契約終了までに、譲渡される太陽光発電を自分がどうするべきか、生活にあった活用方法を考えておきましょう。
⑤自治体の補助金は利用できない
そもそも太陽光発電の補助金は、太陽光発電の導入にかかる大きな費用負担を軽減する目的で存在しています。そのため、屋根貸しのようなケースでは、太陽光発電にかかる費用負担もなく、補助金の対象外となります。
ただ、契約終了で譲渡された太陽光発電に後付けで設置する蓄電池には、補助金の利用も可能です。詳しい仕組みや申請方法は、関連記事で紹介しているので参考にしてください。
関連記事:【家計の負担を軽減】蓄電池に必要な申請と補助金制度を解説
【重要】太陽光発電の屋根貸しのメリットとは?
太陽光発電の屋根貸しの最大のメリットは、屋根を貸す賃料で収入を得られる点です。屋根は、通常アンテナを立てるくらいのデッドスペースといえますが、有効活用することで副収入を得られます。
ここでは、以下のような太陽光発電で屋根貸しのメリットを紹介します。
【太陽光発電の屋根貸しのメリット】
- 賃料を受け取れる
- 初期費用が発生しない
- メンテナンスや修理にかかる費用が不要
- 停電時には非常用電源としても利用できる
- 一定期間が経過すると無償で引き渡される可能性も
①賃料を受け取れる
屋根貸しの貸費は、普段は活用していない屋根を利用して収入を得られる仕組みです。
得られる収入の相場は、年間1平方メートルあたり100〜300円とそこまで多くないものの、今まで使用していなかったスペースを利用し、収入を得ることはよいことでしょう。
毎月一定の金額を受け取れる定額制や、発電量に応じて収入が変動する従量制など、契約によっても変わってくるので、事前に確認しておきましょう。
②初期費用が発生しない
太陽光発電を導入するためには、100万円以上かかってしまいますが、屋根貸しの場合には事業者が負担してくれるため初期費用がかかりません。
多くの人が太陽光発電の導入をためらう理由は、高額な初期費用によるネックですが、屋根貸しを利用することでハードルを下げられるといえます。
③メンテナンスや修理にかかる費用が不要
屋根貸しの契約期間中であれば、初期費用だけでなく、メンテナンスや故障時の修理費用も事業者が負担してくれるため、費用がかかりません。導入後のメンテナンスや修理にかかる費用を自分で考えなくてもよいので、気軽に導入できるのが魅力的といえます。
④停電時には非常用電源としても利用できる
太陽光発電の屋根貸しプランや契約内容によっても異なりますが、自家消費には使えないものの、停電時には非常用電源として活用できる場合があります。
ただし、非常用電源としても利用できるプランを提供している事業者はすべてではありませんので、契約をする際には確認しましょう。
⑤一定期間が経過すると無償で引き渡される可能性も
太陽光発電の屋根貸し契約が終了する際には、設備の撤去をおこなうか、パネルを無償で譲渡するか2つのケースがあります。もし、太陽光発電の設備を無償で譲渡してもらう場合、売電も可能であり、自家消費する方法も選べます。
しかし、無償譲渡が必ずしも保証されているわけではないため、契約書をよく確認してください。
【比較】LIXILと長州産業の屋根貸し太陽光発電の違いは?
太陽光発電の屋根貸しを利用した場合を想定するために、LIXILと長州産業と比較します。
LIXIL | 長州産業 | |
---|---|---|
太陽光発電の容量 | 8kW以上 | 3kW~5kW:13年契約5kW~10kW:10年契約 |
電力会社の指定 | あり | なし |
設備の指定 | あり | なし |
昼間の自家消費 | 使用可能 | 使用不可(長州産業に支払う) |
まず、LIXILは8kW以上の太陽光発電を設置できます。一方、長州産業は13年契約で3kW以上の太陽光発電を設置が可能ですが、5kW以上を設置する方が契約期間が短くなります。
また、太陽光発電で契約する電力会社は、LIXILでは指定されています。一方、長州産業では特に指定する電力会社がなく、この点も違いとして挙げられるでしょう。
太陽光発電の初期費用や長期的なシミュレーションに関しては、関連記事で紹介しているので、気になった方は参考にしてください。
関連記事:太陽光発電の初期費用は回収できないのか?何年で元が取れるのかシミュレーションで解説
まとめ:太陽光発電の屋根貸しはリスクもあるので導入前によく検討しよう
本記事では、太陽光発電の屋根貸しに潜むリスクやメリットを紹介しました。
太陽光発電の屋根貸しは、初期費用をかけず賃貸収入が得られる魅力的な仕組みです。ただし、設置にあたっては本記事で紹介したようなデメリットやリスクもあるため、契約前に把握しておくとよいでしょう。
太陽光発電を自分の生活によりよく活かすためには、専門業者からのアドバイスが有効です。
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