【家計の負担を軽減】蓄電池に必要な申請と補助金制度を解説
「蓄電池を後付けするには申請が必要?」
2023年6月以降、大手電力7社(東京電力など)では最大2,771円(沖縄電力)電気代が上がることから、できるだけ電気代を節約したいと考えている方も多いでしょう。
そのため節電方法として、太陽光発電だけでなく蓄電池も設置してより効率的に電気を発電して溜めたいと考える方もいます。
そこで出てくる疑問が、蓄電池を後付けする際に何か必要な申請はあるのかという点と設置費用についてではないでしょうか。
本記事では、蓄電池を後付けする際に必要な3つの申請と、お得に蓄電池を設置するための補助金制度について解説します。
お読みいただければ、蓄電池を後付けする際に必須な申請について一通り理解できるだけでなく、通常の設置費用よりお得に設置できるようになります。
目次
蓄電池を後付けすると申請が必要
多くの方は家の節電や発電について考えると、太陽光発電のことを先に考え、その後蓄電池の存在に気付く方も多い傾向にあります。
蓄電池は追加で設置が可能なので、最初から設置していなくても問題はありません。
しかし、蓄電池を追加で設置するにはいくつか申請や手続きが必要になります。
申請や手続きが面倒に感じる方もいるかもしれませんが、申請は義務となっているため忘れずにしましょう。
もし、申請についてわからないことがあった場合は、蓄電池の業者に連絡し相談するのも1つの手です。
蓄電池に必要な3つの申請
実際に、蓄電池を後付けする際に申請しなければいけないものは、以下の3つになります。
- FITの変更認定申請
- 電力会社との契約に関わる申請
- 補助金の申請
申請項目が複数あるため面倒に感じるかもしれませんが、1つずつ詳しく解説しますので一緒に見ていきましょう。
FITの変更認定申請
FITの変更認定申請とは、FIT(固定価格買取制度)の認定時に届け出た内容に変更があった時に行う手続きのことです。
蓄電池を後付けする場合は、蓄電池の設置前に登録していた設備認定や事業計画認定から変更されるため、必ず申請しなければいけません。
FIT(固定価格買取制度)とは再生可能エネルギーの発電設備を設置する方に対して電力会社がある一定の価格で電力を買い取る制度のこと。 |
申請の仕方は以下のとおりです。
- 「再生可能エネルギー電子申請」にログイン
- 「自家発電設備などの設置の有無」の欄で「有」を選択
- 「種類」で「蓄電池」を選択
- 設置する位置や区分計量について入力
電力会社との契約に関わる申請
次に電力会社との契約に関わる申請をします。
電力会社との契約については、太陽光発電を設置するときにもFIT制度に加え契約をしていますので、イメージしやすい方もいるのではないでしょうか。
ただし蓄電池を設置する場合、電力会社ごとに契約までの流れが若干違う場合があります。
契約については蓄電池を設置してくれる業者が一緒に済ませてくれる場合が多いので、あまり契約および申請について悩む必要はありません。
不明な点がある場合は、蓄電池を設置してくれた業者に問い合わせてみましょう。
補助金の申請
補助金は後から設置する場合であっても、申請することが可能です。
蓄電池を設置するのにはもちろんお金がかかります。
太陽光発電を設置する費用と合わせると、それなりの額になるでしょう。
そのため、利用できる補助金についてはできるだけ利用するのがおすすめです。
補助金は、「国からの補助金」と「自治体からの補助金」の2種類があります。
少しでもお得に蓄電池を設置するために、補助金があることを忘れないようにしましょう。
【2023年版】蓄電池の設置で利用できる補助金
蓄電池を設置する際には、2種類の補助金を申請することが可能です。
- 国の補助金
- 地方自治体の補助金
特に国の補助金についてはいくつか種類がありますのでどの補助金が申請できるのか見極める必要があります。
また注意点として、蓄電池を設置する際に利用できる補助金は不定期に変更される場合があります。
補助金の情報が古い場合、蓄電池を設置するときに補助金の申請が終了していることもありますので、気をつけましょう。
国の補助金
国の補助金は主に以下の3つです。
- こどもエコすまい支援事業概要
- DR補助金
- DER補助金
1つずつ詳しくみていきましょう。
こどもエコすまい支援事業概要
「こどもエコすまい支援事業」は将来エネルギー価格高騰の影響を受けやすい若者世代や子育て世代が、新築を建てたり省エネ改修をしやすいよう導入された補助金です。
そのため、主に新築住宅を建てる際や家のリフォームの際に利用できるものとなります。
この補助金は蓄電池を設置する際にも利用でき、補助金の額は一律64,000円です。
参考:こどもエコすまい支援事業
DR補助金
DR補助金は主に家庭用と事業用別々の対象となりますが、どちらも新規導入が条件となります。
補助金を受け取る際には蓄電池のモデルと条件によって異なるため、こどもエコすまい支援事業のように一律とはいきません。
- 1kWh:3.2万円~3.7万円
- 1台の上限:60万円
さらに、申請する際には注意点が3つあります。
- 2023年12月22日12:00までに申請書必着
- 2024年1月31日に補助金支給完了
- 予算の上限に到達次第終了
DR補助金の全体的な予算は、家庭用と事業用合わせて40億円です。
上記の補助金の額からもわかるとおり高額のため、早い段階で終了する可能性も考えられます。
DER補助金
DER補助金はDR補助金と名前が似ていますが、補助金の目的が異なります。
補助金の種類 | 目的 |
DR補助金 | 電力の需要と供給のバランスを取ることを目的とする |
DER補助金 | 分散型エネルギー資源(DER)の導入促進を目的とする |
そんなDER補助金は、太陽光発電の設置か太陽光発電と蓄電池の設置を同時にすることで補助金を受け取れます。
補助金の額は以下のとおりです。
- 初期実効容量 × 2.7万円/kWh
- 設備費+工事費の3分の1以内
自治体からの補助金
自治体からの補助金は、それぞれ補助金の額が異なります。
そのため該当する自治体の公式ホームページなどを参考に、補助金の内容や金額を調べなければいけません。
例えば2023年の東京では、蓄電池を導入する際に発生した費用4分の3(1戸あたり最大120万円)の補助金を受け取れます。
参考:東京都環境局
蓄電池を設置するメリット
手間のかかるさまざまな申請をしてまで、蓄電池を設置するメリットはあるのか疑問に思った方もいるでしょう。
蓄電池を設置するメリットは、主に3つあります。
- 電気代が安くなる
- 非常時の電源になる
- 電力を無駄なく使える
設置してから利用できるようになるまで道のりは少々長いですが、太陽光発電にプラスして設置する価値は十分にあります。
ではメリットについて、1つずつみていきましょう。
電気代が安くなる
メリット1つ目は、蓄電池を設置することで電気代が安くなることです。
電気代はプランによって異なり、夜遅い時間帯の場合料金が安くなります。
料金については電力会社ごとに若干異なりますので、それぞれ利用する電力会社の料金の確認が必要です。
例えば東京電力の場合以下のように料金が異なります。
プラン | 午前7時〜午後11時 | 午後11時〜翌午前7時 |
夜トク8(エイト)※1 | 42.80円 | 31.84円 |
夜トク12(ジュウニ)※1 | 44.36円 | 33.53円 |
夜トク8(エイト)※2 | 32.71円 | 21.75円 |
夜トク12(ジュウニ)※2 | 34.27円 | 23.44円 |
※1【2023年7月1日以降】
※2【2023年6月30日まで】
蓄電池を設置すれば、安い電気料金の時間帯に電気を貯められます。
そのため、昼間の料金が高い時間帯に電気を使用せずに済みます。
上記の表を見るとそこまで大きな差に感じないかもしれませんが、生活するうえで電気は欠かせないため、毎日の節約が1ヵ月後・1年後には大きな差となります。
非常時の電源になる
メリット2つ目は、電気を溜めておけるので非常時であっても電源として使用できることです。
例えば電気が届かない非常事態としては、以下のパターンがあります。
- 地震や台風などの災害時
- 電力供給システムなどの技術的な障害
- 夏場の計画停電
電気は今や生活するうえで、1番必要なものといっても過言ではありません。
蓄電池がなければ、生活に必要な電気を停電時に確保するのは難しいでしょう。
万が一に備えて、蓄電池があれば安心して過ごせます。
電力を無駄なく使える
メリット3つ目は電力を無駄なく使用できることです。
節電したり発電したりするだけであったら、太陽光発電だけでも問題ないと考える方もいるでしょう。
しかし太陽光発電は、太陽光のない悪天候時や夜間などは発電できない仕組みです。
そのため発電量が変動するので、必要な量の電気が得られない場合があります。
このような場合、蓄電池であれば十分に太陽光発電で発電できるときに余分な電気を蓄えて置けるので、十分に発電できない場合であっても困りません。
蓄電池を設置するデメリット
蓄電池を設置するデメリットは、主に2つあります。
- 初期費用がかかる
- 寿命がある
使用するたびに生じるデメリットではないため、あまり気にする必要はありませんが万が一に備えて把握しておきましょう。
初期費用がかかる
デメリットの1つ目は、蓄電池を設置する際には初期費用が発生するという点です。
もちろん初期費用ですので、設置するとき以外に費用は発生しません。
しかし本体+工事費込みで約80〜200万円かかるため、決して安いとはいえないでしょう。
そのため、上記でも解説した補助金を上手に利用する必要があります。
利用できる補助金はしっかり利用して、少しでも蓄電池を設置する費用を減らしましょう。
寿命がある
デメリットの2つ目は蓄電池にも寿命があり、いつまでも使用できるわけではないことです。
蓄電池の平均寿命は15〜20年とされています。
もちろん平均ですので、それより前に故障してしまうことも考えられます。
万が一、蓄電池にトラブルがあった際はメーカーごとに保証期間があるので一度相談してみましょう。
以下は、メーカーごとの保証期間の一例です。
会社名 | 保証期間 |
京セラ株式会社 | 15年 |
シャープ株式会社 | 15年 |
住友電気工業株式会社 | 15年 |
ニチコン株式会社 | 15年 |
パナソニック株式会社 | 15年 |
蓄電池の申請でよくある質問
蓄電池の申請についてよくある質問について解説します。
蓄電池の申請に関する基本的な知識ではありますが、重要な点ですので再度確認しておきましょう。
FITの変更認定申請は必ずおこなうものですか?
蓄電池を後付けする場合は申請が必要になります。
太陽光発電を設置する際にも設備認定などを受けますが、新たに蓄電池を設置する場合も設備の変更に該当するため変更認定申請が必要です。
補助金の申請は自治体ごとに手続きが異なりますか?
補助金の申請は自治体ごとに異なります。
自治体によっては補助金自体がない場合がありますので、必ず該当する自治体のホームページを確認しましょう。
蓄電池に関わる各種申請に費用はかかりますか?
蓄電池の設置に関する申請で、費用は発生しません。
そのため必要な費用は、蓄電池を設置する際の初期費用のみとなります。
【まとめ】蓄電池を設置したら申請を忘れずにおこないましょう
蓄電池は太陽光発電で発電した電気を蓄えておけるためとても便利です。
しかし設置する際の初期費用が高いため導入をためらう方も多いでしょう。
本記事で解説したとおり、補助金を上手に利用すれば通常時の初期費用よりも格段に抑えて設置できます。
ミライでんちでは、蓄電池導入のご相談から各種申請まで万全の体制でフォローしています。もし蓄電池を設置する際の申請に不安がある方は、ぜひミライでんちへお問い合わせください。