停電時の蓄電池活用法とは?蓄電池の基礎知識と停電対策も解説
停電時に電力を確保するための1つの手段として、蓄電池が有効です。蓄電池は日頃から電力を蓄えておき、電力供給が停止した時に電力を供給するための非常に重要な役割を果たします。
しかし、いざという時に蓄電池の使い方を知らなければ、蓄電池を導入する意味がありません。そのため、事前に蓄電池の知識や使い方を学んでおくと、災害時の不安を少しでも減らせます。
この記事では、停電時における蓄電池の活用法について、基礎知識や対策も交えて解説します。
目次
停電が起こる前に知っておきたい!蓄電池を扱う際の注意ポイント
蓄電池を設置しただけで満足せず、いざという時の注意ポイントについても把握しておきましょう。
ここでは、蓄電池を扱う際、事前にチェックしておくべき注意ポイントについて、以下の2点を解説します。
- 自動と手動の切り替えモードがある
- 電化製品の電力が大きいと、電気が使えない
①自動と手動の切り替えモードがある
停電が起こった際、蓄電池は自立運転モード(※)に切り替わります。
停電で電力供給が停止した際、自動的に蓄電池のバッテリーに切り替わる仕組みを自動切り替えモードと言います。
自動切り替えモードにより、停電が起こっても約5秒後には電力供給が蓄電池に自動的に切り替えることが可能です。なお、停電から復旧後は、手動で連系運転モードに直すタイプが多いです。
一方で、手動切り替えモードでは、みなさん自身で蓄電池を自立運転モードにする必要があります。
蓄電池の手動での切り替え方法は、製品やメーカーによって異なります。
緊急時にパニックにならずに対処するためには、事前に自立運転モードへの切り替え方法を知っておくことが重要です。
そのためにも、事前に蓄電池の操作方法を確認しておきましょう。
(※)自立運転モードとは、停電で通常の電力供給が途絶えた際、蓄電池から直接電力を取り出して家庭の電力を補うモードを指す。
②電化製品の電力が大きいと、電気が使えない
蓄電池からの電力供給は、蓄電池の容量や出力によって限りがあります。大きな電力を必要とするエアコンや電子レンジを使用すると、蓄電池内の電力が早い段階でなくなる可能性があります。
蓄電が完了するまでの時間や使用する電化製品の電力などを事前に知っておくと、停電時の不安が減るでしょう。
以下の記事では、実際に停電が起きた時の注意ポイントも解説しています。
関連記事【保存版】停電した時の4つの手順。起こる仕組みと備えについても解説
蓄電池の残量と使用する電化製品によって、使用できる時間が決まる
いざ停電が起こっても蓄電池の残量によっては、限られた時間しか電力供給ができません。また、使用する電化製品の種類や数、電力消費量によって使用できる時間が大きく変化します。
下記に多くの家庭で使用される電化製品の電力消費量をまとめたので、ご参考にしてください。
電化製品 | 電力消費量(W) |
LED照明 | 約15W〜25W |
冷蔵庫(450L) | 250W |
テレビ (42インチ) | 210W |
パソコン(ノートパソコン) | 50W〜120W |
エアコン | 45W〜2000W |
電子レンジ | 1500W |
洗濯機 | 500W〜900W |
電気ケトル | 約1300W |
スマートフォン(充電時) | 20W〜30W |
上記の表も踏まえて、「実際にどの程度電力を使用できるか」をご自身で計算し把握しておくことが重要です。
ちなみに、電力量は「電力(W)」と「使用時間」によって計算できます。もし計算する場合には、以下の式にあてはめて計算しましょう。
電力量=電力(W)×時間(h)
例えば、冷蔵庫を24時間使用したい場合、「250W×24h= 6kWh」と計算可能です。この場合には、6kWh以上の容量の蓄電池が設置されていれば、冷蔵庫は最低24時間は使用できることを表しています。
一方で、災害時では予想されない事態も想定されます。ほかに使用したい電化製品や電力会社から電力供給されるまでの時間を想定し、できるだけ最小限の電力消費を心がけましょう。
【オール電化】停電時に予想されるリスクと対策
家庭内のエネルギー供給がすべて電気まかなえる「オール電化」では、いざ停電してしまうと多大な影響があります。そのため、あらかじめ想定されるリスクを理解し、事前の停電対策を心がけましょう。
ここでは、オール電化を使用した場合における停電時のリスクと対策について、以下の3点を解説します。
- 電気が使えない
- スマートフォンやパソコンの充電ができない
- お湯が使えない
①電気が使えない
電力供給が途絶えると、電気を使うすべての機能が停止します。照明やエアコン、冷蔵庫などの日常生活では当たり前に使えていた電化製品が利用できなくなります。特に冷蔵庫が使えないと食材が腐敗しやすくなるため、食材管理が難しくなるでしょう。
②スマートフォンやパソコンの充電ができない
スマートフォンやパソコンは、停電時の情報収集や連絡手段として重要なツールです。スマートフォンやパソコンの充電ができなくなると、災害情報の収集や外部との連絡を取ることが難しくなります。
記事の後半でも解説しますが、対策として太陽光発電や蓄電池の設置をしておくと、災害時にも安心して充電できます。
③お湯が使えない
エコキュート(電気温水器)を使用しているオール電化の家庭では、停電によりお湯を沸かすことができません。食器洗いやシャワーなど、お湯が必要とされる場面での使用が制限されます。しかし、停電前に沸かしたお湯がタンクに残っている場合には、使用できます。家庭用蓄電池を設置しておくと、停電時の安心材料となるでしょう。
【重要】蓄電池の理想の残量とおすすめの停電対策
停電により想定されるリスクについて、3点を挙げました。しかし、最も重要な点は、想定されるリスクに対して事前に対策を取っておくことです。
ここでは、蓄電池を使用する際のおすすめの停電対策について、以下の3点を解説します。1つ1つの対策を理解・実践し、停電に備えておきましょう。
- 停電時に備え、20%以上は残しておく
- 太陽光発電と蓄電池を組み合わせる
- 夜間電力プランで夜に充電する
①停電時に備え、20%以上は残しておく
蓄電池の容量はあくまで一時的な電力供給源であり、使用する電化製品によってはすぐに蓄電がなくなる可能性があります。停電によって電力供給が停止したときのために、常に20%以上の電力を蓄電池に残しておきましょう。
蓄電池の容量を20%以上残しておくと、冷蔵庫や照明、エアコンなどであれば最低限の電力で数時間の使用が可能です。
②太陽光発電と蓄電池を組み合わせる
太陽光発電システムと家庭用蓄電池を組み合わせることで、お互いのデメリットを補いながら効率的に蓄電が可能です。太陽光発電は、太陽光を得られない夜間や悪天候時に発電できないデメリットがあります。
一方で、家庭用蓄電池は単体での発電ができません。昼間に太陽光発電で電力を生成し、蓄電池に電力を保存しておくことで、停電時にも電力の供給が可能です。
太陽光発電を設置する際は、電力の容量に注意が必要です。電気容量を超える電力を使用した場合、太陽光発電のブレーカーが落ちる原因となるので、注意しましょう。
③夜間電力プランで夜に充電する
電力会社によっては、夜間の電力を安く設定したプランを提供しています。夜間電力プランを利用し、電力が安い時間帯に蓄電池を充電することで、電力コストを抑えつつ必要な電力の確保が可能です。
夜間電力プランについて詳しく解説しています。
関連記事:「深夜電力(夜間電力)とは?蓄電池の利用で節電し安くなる方法を解説!」
【まとめ】停電が起こる前に蓄電池の基礎知識を身につけておくと安心
停電対策として蓄電池の活用は、安心して日常生活を過ごすための重要な手段です。停電が起こる前に蓄電池の使い方や、電力の管理方法などの基礎知識を身につけておくことで、いざという時にもパニックにならずに対応できます。
ミライでんちでは太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活をご提案しております。
蓄電池導入に際しての補助金の活用方法についても無料でアドバイスをおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。