テスラ製蓄電池「パワーウォール」の特徴は?価格とおすすめの人も解説
「テスラの蓄電池ってどうなの?」
テスラといえば電気自動車のイメージがありますが、蓄電池の開発と販売も手がけており、「クリーンエネルギー」を大きなテーマとしている企業です。
テスラの蓄電池は日本でも取り扱っており、どのような製品なのか気になっている方もいるのではないでしょうか。
本記事ではテスラ製蓄電池である「パワーウォール」の特徴と価格、おすすめの人について解説します。テスラ製蓄電池について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
テスラ製蓄電池「パワーウォール」の特徴
テスラ蓄電池「パワーウォール」には、次の7つの特徴があります。
- 13.5kWhの大容量
- 200Vにも対応
- あとづけ可能な単機能型
- テスラアプリでエネルギーコントロール
- シンプルなデザインでどの住宅にもマッチ
- ストームウォッチモードで非常時も万全
- テスラ車への充電も可能
特徴に触れながらメリットについても解説しますので、製品理解に役立ててみてください。
パワーウォールのスペックは、下記のとおりです。
蓄電容量 | 13.5kWh |
設置場所 | 屋内・屋外 |
サイズ | H1150×W753×D147㎜ |
保証期間 | 10年(無償) |
①13.5kWhの大容量
他のメーカーの標準的な蓄電容量は7.0kWh程度ですが、テスラ製蓄電池「パワーウォール」は13.5kWhの大容量です。
一般家庭ではそれほど必要ないものの、蓄電池を10台まで連結できるため、最大135kWhまで容量を増やせます。
また、国内製品の大容量タイプと比べると、価格が安い点が大きなメリットです。
製品(メーカー) | 蓄電容量 | 価格(定価) |
---|---|---|
KP-BU164-S(オムロン) | 16.4kWh | 5,830,000円 |
パワーウォール(テスラ) | 13.5kWh | 1,290,000円(※) |
Smart Star 3(DMM) | 13.16kWh | 4,103,000円 |
ESS-H2L1(ニチコン) | 12.0kWh | 4,200,000円 |
ただし蓄電池購入にあたって、蓄電容量だけで選ぶのはおすすめできません。そもそも一般的な住宅なら、標準容量の7.0kWhでも十分対応できるからです。
蓄電池購入の際は、下記のようなポイントを押さえながら、自宅に合った製品を選ぶ必要があります。
- なんのために蓄電池を設置するか(目的)
- 設置したあと費用対効果がどれくらいあるか
- 既設の太陽光発電設備との相性は大丈夫か
関連記事:蓄電池の費用対効果はどれくらい?太陽光発電との併用で電気代を節約
ミライでんちでは、お客さまのご自宅に合った製品を選ぶサポートができますので、お気軽にご相談ください。
②200Vにも対応
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は、IH調理機器やエアコンといった200V機器にも対応しています。
つまり停電時は、蓄電池の電力を使って、普段と変わらない生活を送れるわけです。13.5kWhの容量が満タン状態であれば、長時間の停電にも耐えられます。
③あとづけ可能な単機能型
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は、単機能型に分類されます。
単機能型蓄電池は、太陽光発電設備のパワコンと蓄電池のパワコンが別々に存在するため、既設の太陽光発電設備に蓄電池のあとづけが可能です。
通常はパワコンを2台設置しますが、パワーウォールのパワコンは蓄電池ユニットのなかに内臓されているため、太陽光発電設備のパワコンが1台だけ外に出ている状態になります。
このように、単機能型蓄電池の課題である「パワコン2台によるスペースの消費」を解消できます。
なお、単機能型蓄電池は単体での設置も可能ですので、太陽光発電との併用は考えていないという方にもおすすめです。
単機能型蓄電池については、下記の記事でもくわしく解説しますので、合わせてご覧ください。
関連記事:単機能型蓄電池とは?メリット・デメリット、全負荷・特定負荷についても解説
④テスラアプリでエネルギーコントロール
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は、専用のテスラアプリを使うことで、下記のマネジメントとコントロールが可能です。
電力量 | 「消費電力量」「太陽光発電量」「蓄電容量」「購入電力量」「売電量」などを閲覧できます |
蓄電率 | 蓄電池への充電率を設定できる |
運転モード | 下記の3つから運転モードを選び、コントロールできる 【自家消費モード】 太陽光発電によって発電した電力のうち、余剰電力を蓄電池に貯め、蓄電した電力を夜間に使用する 【バックアップモード】 蓄電池残量を常に100%に維持して、停電に備える 【時間帯別制御(ピークシフト)モード】 利用している電気料金プランを設定し、電気料金の変化に合わせてもっとも経済的な方法で充放電を自動コントロールする |
詳細設定 | 蓄電池の詳細設定をおこなう |
時間帯別制御モードにしておけば、自動でもっとも経済的な電力マネジメントをおこなってくれます。蓄電池に対して、細かなマネジメントやコントロールをしたくないという方には、最適です。
なお、テスラアプリをスマートフォンに入れて蓄電池と連動することで、蓄電池を常に最新にアップデートできます。これにより、あとから追加されたモードが使えるようになるのも大きな魅力です。
⑤シンプルなデザインでどの住宅にもマッチ
白い筐体に「TESLA」の文字の入った外装は、シンプルなデザインでどのような住宅にもマッチします。
サイズは「H1150×W753×D147㎜」とあるように、国内製蓄電池にはないような薄型で、スペースを消費しません。
なお、屋内設置も可能なため、寒暖差や塩害といった外部環境のリスクを抑えられるのも魅力です。
114kgの重さから床置きが推奨されていますが、壁掛けも可能なため、水害の多い地域での浸水被害を予防できます。
⑥ストームウォッチモードで非常時も万全
テスラ製蓄電池「パワーウォール」には、アップデートによってストームウォッチモードが追加されました。
ストームウォッチモードは、台風や悪天候を察知することで、自動で蓄電池の残量を100%まで充電してくれる災害対策用のモードです。
自家消費モードや時間帯別制御モードに設定していても、停電リスクを察知すると、自動で切り替わってくれるため、設定の必要がありません。
なお、ストームウォッチモードを使う際は、あらかじめテスラアプリから設定しておきましょう。
⑦テスラ車への充電も可能
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は、テスラが誇る電気自動車への充電にも対応しています。
この機能を使えば、太陽光発電で発電した電力をテスラ車に充電し、電力の自給自足を実現します。
ただし、パワーウォールから直接の充電はできず、分電盤の設置が必要です。
テスラ製蓄電池「パワーウォール」の価格
テスラ製蓄電池の価格は、以前は129万円からとなっていましたが、現在はオープン価格となっています。
海外製品ですので、その時々の情勢によっても価格が変わってきます。
ミライでんちでは、テスラ製蓄電池「パワーウォール」を取り扱っており、簡単にお見積りできますので、ぜひお問い合わせください。
テスラ製蓄電池「パワーウォール」のデメリット
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は、経済的かつスタイリッシュで注目を集めるものの、下記のデメリットがあります。
- バッテリー寿命がわからない
- 日本の安全規格である「JET認証」を受けていない
- 変換ロスが大きい
- 押し上げ効果で売電価格が下がる可能性がある
デメリットについても理解して、パワーウォール導入の検討に役立ててみてください。
①バッテリー寿命がわからない
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は、サイクル数が非公開のため、バッテリー寿命がわかりません。
そのため、交換タイミングの見通しがもてないデメリットがあります。
製品保証期間は10年間となっており、その間に蓄電容量が70%を切ると保証を受けられるので、10年間はもつと考えてよいでしょう。
②日本の安全規格である「JET認証」を受けていない
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は海外製のため、日本の安全規格である「JET認証」を受けていません。
JET認証とは、電気安全環境研究所が蓄電池やその他の電力設備の調査をおこない、要件を満たしている場合に発行する認証です。
国内ではJET認証を受けることで、製品の安全を証明できます。パワーウォールはこの認証を受けていないため、国内での設置が必ずしも安全とはいえないのが現状です。
③変換ロスが大きい
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は、単機能型蓄電池のためハイブリッド型よりも変換ロスが大きくなります。
単機能型蓄電池は、蓄電に至るまでに太陽光発電設備のパワコンと蓄電池のパワコンを通ることで、家庭で使える電気に変換されます。
変換ロスとは、蓄電までの過程で発電された電力量の一部が失われてしまうことです。パワーウォールの変換効率は90%といわれており、変換ロスは10%あります。
これに対して、ハイブリッド型蓄電池は一般的に96%ほどの変換効率があるため、蓄電できる電力量に大きな違いが生まれます。
したがって、太陽光発電設備と蓄電池を同時に設置する場合は、変換効率の高いハイブリッド型がおすすめです。
ハイブリッド型蓄電池については、下記の記事でくわしく解説していますので、参考にしてみてください。
関連記事:ハイブリッド型蓄電池とは?メリット・デメリット、おすすめのメーカーと価格を紹介
④押し上げ効果で売電価格が下がる可能性がある
国内の蓄電池製品では、押し上げ効果がないものが増えてきており心配ありませんが、テスラ製蓄電池「パワーウォール」には、押し上げ効果があります。
押し上げ効果とは、太陽光発電で発電した電力を売電しながら蓄電池に貯めた電力を消費することで、売電量が増えることを指します。
これはダブル発電とも呼ばれており、売電によって利益を得られてしまうため、国によって規制されています。
つまり、規制によって押し上げ効果のある蓄電池を導入した場合は、売電価格が下げられるのです。テスラ製蓄電池「パワーウォール」を導入すると、売電価格が下がってしまう可能性があります。
ただし、太陽光節電設備を2019年移行に設置した場合は、上記に該当しません。既設の太陽光発電設備にパワーウォールをあとづけする場合は、押し上げ効果に十分注意しましょう。
テスラ製蓄電池「パワーウォール」がおすすめの人
下記に該当する場合は、テスラ製蓄電池「パワーウォール」がおすすめです。
- 既設の太陽光発電設備に蓄電池をあとづけしたい
- おしゃれな蓄電池を求めている
- テスラ社の製品が好き
- テスラ車を愛用している
パワーウォールは、大容量ながら低価格で導入できる点が人気のポイントです。
ただし、パワーウォールが自宅に合っているか、本当に経済的かは専門知識がなければ判断できません。そのため、パワーウォールを導入する前に、専門の販売店に相談するのが大切です。
ミライでんちは、パワーウォールを取り扱っているため、メリット・デメリットをふまえてお客さまに特徴をご説明できます。ヒアリングを通して、最適な製品の紹介もできますので、気軽にお問い合わせください。
テスラ製蓄電池「パワーウォール」についてよくある質問
テスラ製蓄電池「パワーウォール」についてよくある質問にお答えします。
テスラ製蓄電池「パワーウォール」に使える補助金はありますか?
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は、海外製製品のため、国や自治体の補助金の対象外とされている場合が多くあります。
補助金を活用して国内製品を導入した方が経済的な場合がありますので、予算もふくめて専門業者にご相談ください。
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は太陽光発電と併用できますか?
テスラ製蓄電池は、太陽光発電と併用できます。
単機能型蓄電池のため、既設の太陽光発電設備にもあとづけ可能です。
ただし押し上げ効果の関係から、2019年より前に設置した太陽光発電設備にあとづけすると売電価格が下がる恐れがありますので、注意しましょう。
関連記事:蓄電池を後付けして太陽光を最適化!住宅にあった選び方を伝授
まとめ:テスラ製蓄電池「パワーウォール」も選択肢の1つに
テスラ製蓄電池「パワーウォール」は、スタイリッシュな見た目と13.5kWhの大容量、お手頃な価格が魅力です。
ただし、海外製品ということもあって、日本で設置する際はデメリットに気をつける必要があります。
ミライでんちでは、パワーウォールもふくめて、さまざまなメーカーからお客さまのご自宅に合った製品をご紹介できます。
パワーウォールの設置をご検討中の方は、ぜひ一度お問い合わせください。