蓄電池を後付けして太陽光を最適化!住宅にあった選び方を伝授
「太陽光を設置しているのに電気代がかかってしまう」「もうすぐ卒FITで余剰分をどうにかしたい」このように考える方は多いのではないでしょうか。
すでに太陽光が設置されている住宅への蓄電池設置は、意外にも気をつけなければならないことが多々あります。
例えば、既存のパワーコンディショナーを交換するか否かによって、太陽光と蓄電池の効率は大きく変わりますし、蓄電池の容量も大きければいいというわけではありません。
この記事では以下について解説しています。
【蓄電池の後付けサマリー】 ・蓄電池の単機能型パワコンは、設置は簡単だが電気ロスが大きい ・蓄電池の設置場所は改装・整備が必要で工費は約50万円 ・蓄電池の補助金は、自治体にもよるが最大100万円以上もらえる |
この記事は、蓄電池を後付けした後に「失敗した!」と感じないよう蓄電池の後付けに関する情報を網羅しています。設置を前向きに検討している方はぜひ最後まで読んで参考にしてください。
目次
蓄電池を後付けする場合は既存のパワーコンディショナーが肝
太陽光発電や蓄電池と聞くと太陽光パネルや蓄電池本体が注目されがちです。しかし蓄電池は、いわば電気の入れ物であるため、パワーコンディショナーが蓄電池の電気の出し入れを管理しています。
すでに太陽光のパワーコンディショナーがある場合、蓄電池との連携も重要なポイントであるため、蓄電池のパワーコンディショナーを単機能型とハイブリッド型のどちらを選ぶか慎重に検討しなければなりません。
この項ではパワーコンディショナーの単機能型・ハイブリッド型について解説します。設置のメリットデメリットも併せて紹介しますので、ご確認ください。
単機能型なら設置が簡単
単機能型とは一つのパワーコンディショナーにつき、一つのシステムを管理できるタイプです。
例えば、すでに太陽光発電システムのみが設置されていれば、現在取り付けられているパワーコンディショナーは単機能型です。反対に、蓄電池のみを取り付ける場合も単機能型を設置します。
このように単機能型は、管理できるシステムが一つであるため、すでに太陽光が設置されている場合は、蓄電池のパワーコンディショナーを別に設置します。
つまり、パワーコンディショナーが太陽光と蓄電池のそれぞれに設置され、2つのパワーコンディショナーでそれぞれを管理するのです。
以下が蓄電池を後付けする際のパワーコンディショナーのメリット・デメリットです。
単機能型パワーコンディショナーのメリット・デメリット | |||
メリット | ・既存設備を工事する必要がないため設置が簡単・工費・機種代が安い | ||
デメリット | ・2台のパワコンが設置されることでインテリアが崩れる可能性がある・太陽光から蓄電池へ電気が送られるときに電気ロスが生まれる |
続きのハイブリッド型についての解説で、単機能型のデメリットが理解しやすいかと思います。ぜひ続きをお読みください。
ハイブリッド型は太陽光と同一システムにできる|メーカー保証に注意
ハイブリッド型とは、一台で太陽光と蓄電池の管理を担えるタイプです。メリット・デメリットを以下にまとめました。
ハイブリッド型パワーコンディショナーのメリット・デメリット | |||
メリット | ・電気ロスを極力減らした効率の良い管理ができる・自立運転機能が備わっている・余剰発電分を充電と売電の管理ができる | ||
デメリット | ・単機能型に比べて割高・既存のパワコンの交換が必要・対応蓄電池の容量が小さい |
電気の流れは以下の画像を参考にしてください。
単機能型は太陽光にて発電した電気を2重に変換して蓄電池に送るため、電気ロスが大きくなってしまいます。しかし、ハイブリッド型は変換することなく蓄電池の充電ができ、電気ロスを少なくしています。
一見メリットが強く見えるハイブリッド型ですが、単機能型から取り替える場合に、設置時にあったメーカー保証が破棄される可能性がある点に注意してください。
パワーコンディショナーは蓄電池や太陽光パネルとセットで販売されているため、「太陽光+パワコン」「蓄電池+パワコン」「太陽光+蓄電池+パワコン」といった形でメーカー保証されています。
そのため、既存のパワーコンディショナーを取り替えると太陽光パネルのメーカー保証が切れてしまう可能性があるのです。
設置業者の保証は残る可能性はありますが、現在の使用年数・メーカー保証の詳細・購入店の保証などを事前に調べ直しておきましょう。
蓄電池の後付けに必要な工事
現在住んでいる、またはこれから住む住宅に蓄電池の設置スペースが設けていない場合は、設置スペース周辺の工事と電気配線工事が必要になります。
工事費用は一般的に30万〜50万円と言われていますが、既存の状況や工事内容によって増加する可能性も。この項では以下について解説します。
- 設置場所の改装・整備
- 電気配線工事について
- かかる工事費用
予算を組む際の参考になるので、ぜひお読みください。
設置場所の改装・整備
蓄電池は適切な取り扱いができていなければ、発熱やショートによって火災が発生してしまう危険性があります。
そのため、蓄電池の設置場所は以下が定められています。
- 壁・床・ダクトなどを耐火設備にする
- 通気性を高め熱が籠らないようにする
- 屋外に設置する場合は水・風・雪などの影響を受けないようにする
基本的な工事は上記項目をクリアできれば問題ありませんが、場合によっては追加の工事が必要です。
また、蓄電池の設置場所だけでなくパワーコンディショナーを外壁に設置する場合もあります。住宅の外観が崩れてしまう可能性を否定できないので、取り付け場所は慎重に取り付け業者と相談してください。
設置場所については以下の記事にて詳細が記載されていますので、気になる方は参考にしてください。
関連記事:蓄電池に適した設置場所を屋内と屋外別で解説!設置に必要な条件も紹介
電気配線工事
蓄電池を設置する場合、新たに分電盤やブレーカー・パワコンの取り付けが必要です。それらをつなぐ電気ケーブルも新設が必要なため、電気配線工事が伴います。
蓄電池から配線されるケーブルは消防法に基づき耐火性が高い材質を用いたものが使用されるため、ケーブルが長くなるほど材料費がかさむ可能性があります。
新規で取り付けるブレーカーには、耐震や中性線欠相機能などの高機能が搭載されたブレーカーがあるので、それらを取り付ければ費用は高くなってしまいます。
しかし、高機能ブレーカーによって災害時や何らかの異常があった際には、電気設備を保守してくれるため、初期投資としては決して高くありません。
配線やブレーカーについて詳しく知りたい方は以下の記事をチェックしてください。
かかる工事費用は?
蓄電池の設置にかかる費用はおよそ50万円前後と言われています。ただ、蓄電池には屋内設置型と屋外設置型があり、工費にも変動があるほか、電気設備や設置場所によっても費用の増減が考えられます。
住宅の状況を確認できないと、見積もりも難しいので事前に工事費用の見積もりをおすすめします。しかし、この際に「業者とトラブルになった」という声もあるため、慎重に業者を選びましょう。
蓄電池を後付けする場合の蓄電池の選び方
蓄電池を選ぶ際には以下の項目を参考にしてください。
- 現在の1日あたりの電気使用量が目安
- 初期費用は補助金とFIT制度を確認
- 太陽光と違うメーカーでも問題はない
蓄電池を最大限活用するには、生活に最適な蓄電池選びが重要です。以下の項目を蓄電池選びの参考にしてください。
蓄電池の容量は1日あたりの使用量で決めよう
蓄電池の容量選びは1日あたりの消費電力量を参考にしましょう。
太陽光発電が備わっている場合、発電できていない時間帯の消費電力と蓄電池の容量を合わせればいいため、蓄電池は小さめの容量で済む場合が多いです。
しかし、急な災害や停電時を考えると、オール電化か一般住宅かによって蓄電できる容量の基準が変わってきます。
近年多発している線状降水帯では1週間ほど雨が降り続けることもあるため、太陽光パネルによる発電ができず、蓄電池の電気が尽きてしまうことも考えられます。
上記のことから、1日あたりの電気使用量を算出し、停電時に丸1日電気が使える容量が望ましいです。
また、蓄電池には特定負荷型・全負荷型と呼ばれる、停電時にどれくらいの電気を供給するか既に決められている仕様があります。それぞれの型によっても停電時に望ましい容量が異なりますので、特定負荷型・全負荷型については以下を参考にしてください。
関連記事:全負荷型蓄電池は停電時に大活躍!機能やメリット・デメリットについて解説
初期費用は補助金とFIT制度を確認
蓄電池と太陽光はエネルギー問題解決のためにと、国や自治体が導入する方に補助金を出しています。
2023年の補助金情報は以下の表をご覧ください。
補助金 | 1kWhあたりの金額 | |
蓄電池 | DR補助金(経済産業省) | 32,000円 |
DER補助金(経済産業省) | 27,000円 | |
自治体からの補助金(参考:東京都) | 150,000円〜 | |
太陽光 | 自治体のみ(参考:東京都) | 120,000円〜 |
補助金の上限はありますが、容量によっては蓄電池の補助金のみで最大150万円程度の給付を得られるので、デメリットとされる初期費用の大半を賄えます。
注意点として、この補助金は毎年予算を組んでいるため補助金を申請する方が多いと、予算が尽き補助金をもらえなくなる可能性があります。
補助金を受けたい方は、なるべく早い行動が必要です。
太陽光と違うメーカーでも問題なし!
太陽光発電システムと蓄電池システムのメーカーが違っていても問題はないと言われています。
しかし、太陽光パネルと違うメーカーの蓄電池には以下に注意してください。
- 太陽光パネルのメーカー保証に注意
- 既存のパワコンの寿命はあと何年?
- PID現象が稀に起こってしまう
ハイブリッド型パワコンへの変更を検討している場合は、元々のパワコンのメーカー保証がなくなり、メーカーによっては太陽光パネルの保証も無くなってしまう可能性があります。
残りの保証期間・寿命までの年数を考慮し、専門業者と設置時期について相談しましょう。
また、メーカーが違うと互換性によるものか定かではありませんが、太陽光発電システムの発電量が激減するPID現象が稀に起こるようです。
※PID現象とは、太陽光にて発電した電気がフレームに流れて電圧が低下する現象
これは太陽光パネルが劣化した際にも起こる現象であるため、蓄電池のメーカーが違うから、とは言い切れません。
現在設置されている太陽光パネルについて、よくわからないという方も専門業者への相談をおすすめします。
あなたの太陽光発電システムはFIT制度に適用されていますか?
FIT制度は2009年から導入された、1kWhあたりの売電金額を固定した制度です。制度が開始してから、これまで累計2,000億円以上が電力会社に買い取られています。
そのFIT制度は年々固定金額が下がり続けています。2020年には21円だったのが、2022年には17円まで下落しました。
蓄電池を後付けする方の多くは卒FIT後の余剰発電分を充電できるように対策する方がほとんどですが、蓄電池に充電しても売電することはできます。
さらには蓄電池により、太陽光が発電しない時間帯でも、電気を買うことなく生活できるため、卒FITを待つ必要はありません。
蓄電池を後付けする場合はどこに頼めばいい?
「蓄電池を後付けする場合、太陽光パネルを設置したハウスメーカーに相談した方がいいのでしょうか?」という疑問をSNSなどで見かけます。
回答としては、ハウスメーカーでなくても問題なく設置が可能です。というのも、蓄電池の設置業者の多くは太陽光発電システムの取り付けを行っているところが多く、技術・知識が豊富です。
ミライでんちでも多くのお客様の住宅に、蓄電池と合わせて太陽光発電システムの設置を行っております。見積もりの際には現地に赴き、既存の太陽光に最適な蓄電池をご提案させていただいております。
電話にて簡単に無料見積もりも行っておりますので、ぜひお気軽にご利用ください。
【まとめ】生活に合わせた蓄電池選びが重要|専門家に相談を
蓄電池を後付けする場合、既存の太陽光発電システムとの関係や容量・補助金・設置工事などさまざまなことに気を配る必要があります。
電気や蓄電池について精通している方ならば、軽い下調べで蓄電池の機種を選べますが、そうでない方はかなり苦労するかもしれません。
ミライでんちではお客様に寄り添った相談・ご提案により「ネットで安心して購入できると思う蓄電池の販売サイト」No.1を獲得しています。
多くのお客様から相談してよかったといった声もいただいておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。