これだけ!家庭でできる停電対策に備える10つのグッズ
停電が起こると、生活に必要な電気が使えなくなります。
特に記事中で詳しくご紹介するような大規模災害などが発生すると、停電も長期化することがあります。
こうした長時間にわたる停電は、日常生活に大きな影響を与えることも。
家庭でできる停電対策としてバッテリーを用意したり、ポータブル電源を用意するといった取り組みをされているご家庭も増えてきています。特に冬時期の停電対策は身の安全にも直結する、重要な課題といえます。
必要なグッズを揃えておくことが、安心して暮らしていくためにはとても大切です。
そこでこの記事では、停電の仕組みや過去の停電事例を交えながら、家庭でできる停電対策に必要な10のグッズをご紹介していきます。
「どんな備えがあれば停電を乗り切れるか?」への答えをこの記事で見出して頂ければ幸いです。
目次
停電はどのようにして起きる?
まず停電がどのようにして起こるのか、そのメカニズムを最初に解説します。
一般的に停電は、送電線や変電所の障害、自然災害などの要因によって発生します。
また最近では「電力需給ひっ迫警報」といって経済産業省資源エネルギー庁が「電力供給予備率が3%以下になる可能性がある」と判断した場合に出される警報もあるなど、電力需要のピーク時に供給が追いつかないことによる停電のリスクも指摘されています。
そして停電は突然発生することが多く、2011年の東日本大震災の際には東京電力・東北電力の管轄エリア内で実施された計画停電のようなものを除くと事前に予測できることはありません。
よって対策が不十分だと、大きな被害をもたらす可能性があります。
【これだけは準備したい】停電対策に備える10つのグッズ
停電が発生した場合、生活に必要な電気を確保するために、事前に備えておくべきグッズがあります。
以下では、停電に備えて用意しておくべき10のグッズについて詳しく説明します。
最初に概略を表にまとめてみます。
グッズ名 | 内容 |
懐中電灯 | 暗闇での行動や安否確認などでほぼ必須 |
調理不要の食べ物 | 非常食として、常温保存ができるものを用意 |
ペットボトルの水 | 飲料用として、またトイレや手洗いなどに使用 |
防寒着 | 寒い時期に備えて厚手の防寒着または蒸着アルミシートなどを用意 |
乾電池やモバイルバッテリー | 懐中電灯やスマホ、ラジオなどの充電に必要 |
カセットコンロ | 非常食の調理に必要 |
衛生管理用品 | 純水のウェットティッシュ、アルコール消毒液など |
現金 | 銀行やコンビニなどのATMが停止したり電子マネー決済・クレジットカード決済が使えない恐れがあるため、現金を用意 |
電池式のラジオ | 情報収集に必要 |
使い捨てカイロ | 防寒対策に必要 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
懐中電灯
停電時には懐中電灯が必須アイテムです。
電池式、リチウム充電式、手回し発電式(ダイナモ式)のものなど様々な種類がありますが、基本的には電池式または充電式のものを用意します。
また手回し発電式のものは発電量の関係で光量不足を起こしたり、構造上、手回しで発電したものを蓄電できないものが多いことから、手を離すとすぐに光が消えるなど何かと不便なケースもあります。
停電の長期化事例が出てきている近年においては、複数タイプのものを揃えておくとより安心です。
充電式の懐中電灯については充電ポートがMicro USB Type-B(小さく平たい台形型)など比較的古いものが多いです。しかし、最近は充電ポート自体がType-C(小さく平たい楕円形)の懐中電灯も増えていますので、ご自身がよく使っているタイプのものと揃えておくと便利です。
調理不要の食べ物
停電時は一般に加熱用の調理器具が使えないため、非常食の準備が必要です。従来から備蓄すべきと言われている缶詰やレトルト食品などのうち、加熱・調理不要のものを用意しておくと良いでしょう。
その他、最近は水だけで戻して食べられるタイプのフリーズドライ食品やアルファ米(いわゆるパックご飯ではなく、水を入れるだけで通常通りのお米に戻るもの)もラインナップされていますので、こうしたものを揃えることも検討しましょう。
ペットボトルの水
停電時はお住まいの構造によって、ポンプの組み上げに使う電力が供給できず水道が使えなくなる可能性があったり、あるいは停電を伴う災害時には断水の可能性もあるため、ペットボトルに十分な水を用意しておくことが重要です。
1人1日あたり最低でも、2-3L程度の飲料水備蓄を目安に用意しておきましょう。
防寒着
停電時にはストーブを含めて当然ながら冷暖房が使えなくなるため、防寒着の準備が必要です。特に冬季は確実に用意出来るようにしておきましょう。
ウインドブレーカーやブランケットなど、身体を暖かく保てるものを用意しておくと良いです。その他、アルミ蒸着シート(銀色の薄いシートで暖を取れるもの)も数枚用意しておくと良いでしょう。比較的安価に手に入ります。
乾電池やモバイルバッテリー
乾電池やモバイルバッテリーを用意しておくことで、電源切れの心配を軽減できます。
モバイルバッテリーについては可能な限り20,000mAh(ミリアンペア・スマホを4回ほどフル充電できる容量に相当)以上のものを複数用意しておくか、この後ご紹介するような「ポータブル電源」と呼ばれるような大容量(60,000mAh以上~)のバッテリーを用意しておくのも良いでしょう。
カセットコンロ
停電時には、コンロが使えなくなるため、カセットコンロを用意しておくことが重要です。缶詰の中身やレトルト食品を温めたり、お湯を沸かしたりすることもできます。
その他衛生の観点から煮沸消毒が必要なシーンでも役立ちます。
また、最近は化学反応を利用して発熱させるヒートパックも市販されています。カセットコンロの代替品になりうるという説もありますが、基本的には利便性を考えるとカセットコンロに軍配が上がります。
比較項目 | カセットコンロ | ヒートパック(加熱パック) |
燃料 | カセットガスが別途必要 | なし(パックに同梱されている薬剤と水で反応する) |
使用期間 | 長期間(カセットボンベによって異なるが数時間以上) | 10分~30分程度(あくまでも加熱が目的) |
使用方法 | 火を使うので使用上の注意が必要 | 水を入れるだけ |
使用範囲 | 料理や沸騰したお湯作りなど幅広く使用可能 | レトルト食品の加熱 |
携帯性 | 持ち運びには少々不便があるが、使い勝手は良い | 小型で持ち運びに便利 |
カセットコンロは火を使うためやはり注意が必要な一方、利便性も高いものです。
一方ヒートパックは使用期間が限られており、原則的に一度使うと再利用できません。適切な用途に応じて使い分けることが大切です。
衛生管理用品
停電時には水が出なくなったり、トイレが使用できなくなることも多々あります。そのため、衛生管理用品(衛生用品)も用意しておくことが重要です。
例えば以下のようなものが必要です。
- ウェットティッシュ(純水使用のもの)
手や体を拭き、清潔に保つために使います。水を使わずに済むので、水道が使えなくなったときにも役立ちます。
またアルコール配合のものもありますが、これは赤ちゃんや高齢の方の肌には合わないケースもあるなど、リスクもついて回ります。
そこでアルコールは別途用意しておき、ウエットティッシュは純水使用のものを用意しておくと用途が広がります。
- アルコール消毒液
手指やトイレなど、清潔に保ちたい場所を消毒するのに使います。感染症対策にもなります。
- 生理用品
女性の方は、生理用品も用意しておくことが大切です。
避難所の開設や支援物資の供給が得られるような大規模災害時でも、様々な要因によって生理用品の配給が受けづらいケースも多いので自前に用意しておきましょう。
- 紙おむつ
お子さんや高齢の方がいる場合は、紙おむつを用意しておくことが必要です。
さらにトイレが使用できなくなったときや、外出ができなくなったときにも役立ちます。また、ポータブルトイレや排泄物の凝固剤も可能であれば用意しとくと衛生的です。
現金
停電が発生すると金融機関が営業できなくなったり、コンビニATMが使用できなくなり、クレジットカード・電子マネー決済が使えなくなる可能性があります。
そのため、数千円~数万円程度の現金を用意しておくことが重要です。
1万円札だけではなく、可能な限り細かい1,000円札や500円玉硬貨で用意しておくと安心です。
電池式のラジオ
停電時には、テレビやインターネットが使えなくなることがあります。
よって災害情報を入手するために、電池式のラジオを用意しておくことが大切です。
最近はスマホアプリでラジオを聴けるようにもなりましたが、状況によっては通信回線が寸断されアプリそのものが使えないケースもあります。
一方ラジオの電波は受信機さえあれば広範囲に届くため、停電中でも情報を入手することができます。
比較的電波が強いのはAM波となりますので、AM対応のラジオを用意しておきましょう。
使い捨てカイロ
停電時は暖房が使えず、寒さが身に染みることが多々あります。
冷えは気力の低下も招いてしまいますので、使い捨てカイロを用意しておくと寒さ対策ができます。カイロは小型で持ち運びが簡単なため、非常時に役立ちます。
関連記事:【保存版】停電した時の4つの手順。起こる仕組みと備えについても解説
過去に大きく停電した事例
ここでは、過去に大きく停電した災害事例を見ていきます。
北海道胆振東部地震
平成30年9月6日未明に発生した「北海道胆振東部地震」による停電は、史上最大規模の大停電でした。
北海道エリア全域の約295万戸の停電をもたらしました。
この停電は約30時間後の時点ですら復旧率が約50%にとどまり、さらに約64時間後に北海道電力が復旧宣言を行うまで道民をブラックアウト状態に陥れました。
停電の長期化が原因で各基地局、電波設備等の予備電源も使い切ってしまったことが原因となり、停電開始からしばらくして固定電話・携帯電話ともに通信が停止(停波)したことでも知られています。
この時、実に固定回線約14万回線が通信不能となり、携帯電話基地局については全道約6,500基地局が停波したことによりほぼ道内全域で携帯電話の通信ができなくなるなどの被害が出ました。
令和元年房総半島台風
令和元年(2019年)に発生した房総半島台風(台風第15号)は、千葉県を中心に甚大な被害を出した台風災害です。
この台風により、千葉県を中心に送電設備の被災・損壊によって大規模な停電を発生させ、ライフラインや交通機関への被害が発生しました。
特に停電被害は大きなもので、多くの市町村で断水や通信障害が発生したことは記憶に新しいところです。
一時、千葉県内では64万1,000軒が停電し、一部地域まで含めると完全復旧までに18日間という日数がかかりました。
停電対策でよくある質問
ここでは、停電対策についてよくある質問をQ&A形式で解説します。
発電機とポータブル電源はどちらがおすすめ?
停電に備える上で、発電機とポータブル電源は代表的な選択肢ですが、どちらがおすすめなのかについてお答えします。
まず、ポータブル電源は比較的手軽に導入でき、持ち運びもしやすいため、短時間の停電対策には適しています。
しかし、長時間の停電になると、充電が切れてしまうこともあるため、長時間の停電対策には不向きです。
一方、発電機は燃料を入れることで電力を発生させるため、長時間の停電でも安定した電力を供給できますが、扱いが難しい上に、騒音や排気ガスの問題もあるため、取り扱いには注意が必要です。
停電時に冷蔵庫の中身はどうすればよい?
停電時に冷蔵庫の中身をどうすればいいか、悩んでいる方も多いでしょう。
事実、こうした停電が24時間以上にわたって長期化すると冷蔵庫の中身が腐敗してしまう可能性があるため、食べ物を処分する必要があります。
しかし、冷蔵庫の中にある食べ物は貴重な資源でもあるため、捨てるのをためらう方もいらっしゃいます。
その場合は、少しでも温度が低い冷凍庫に移しておくことがおすすめです。冷凍庫に入っている食べ物は、停電が発生しても一定時間は保存することができます。
停電したらコンセントはどうすればよい?
停電したら、家庭のコンセントには何も差し込まないようにしましょう。
停電が復旧すると一気に電力が戻ってきたり、設備が故障していた場合には異常電流が流れることがあるなどで火災につながる事例があります(通電火災といいます)。
停電への備えは太陽光発電と蓄電池がおすすめ
ここまでは、停電した場合に簡易的に対策できる方法をご紹介してきました。
停電対策をさらに万全にしたい場合は「太陽光発電と蓄電池の組み合わせ」が最もおすすめです。
太陽光発電は自然エネルギーを利用した発電方法で、太陽光を受けて発電された電力(電卓などのソーラー電池と仕組みは同じです)を家庭で使用することができるものです。
※なお停電が発生していない時でも、太陽光発電システムを導入することで、家庭の電気料金を大幅に削減することができます。
蓄電池は、太陽光発電で発電された電気を貯めることができる装置です。
太陽光発電で発電された電力を蓄電池に貯めておくことで、停電時でも家庭で電気を使用することができます。停電が発生しても安定した電力供給が可能になるのです。
一方、停電対策として、発電機やポータブル電源(UPSを含む)といった手段もあります。
※UPS=無停電電源装置。Uninterruptible Power Supply(無停電電源装置)の略称で、停電時でも一定時間バッテリーから電力を供給することで、機器やシステムの動作を継続させるための装置。ただし高価。
これらも組み合わせて整備できれば非常に安心できますが、一方でやはり燃料や維持管理などの問題があり、さらに運用にはある程度の専門知識が必要となります。
この面で見ると太陽光発電と蓄電池を導入することで、安定した電力供給が可能になるだけでなく、維持管理も簡単で、手軽に備えることができます。
さらに太陽光発電と蓄電池の組み合わせについては導入にあたって政府や自治体からの補助金制度もあり、導入に関する費用面での補助も期待できます。
よって停電時の対策として、太陽光発電と蓄電池の導入を検討することは、非常に重要であると言えます。
関連記事:停電時の蓄電池活用法とは?蓄電池の基礎知識と停電対策も解説
停電対策のまとめ
停電はいつ起こるか予測不可能なものであるため、日頃からの備えがとても大切です。
今回ご紹介した10つのグッズだけでなく、太陽光発電や蓄電池の導入も含めて災害対策を行っていきましょう。
ミライでんちでは、太陽光発電・蓄電池を活用した、安心&経済的なライフスタイルをご提案しております。
今回ご紹介した災害対策としての太陽光発電・蓄電池活用について、詳しく知りたいと考えてる方に無料でアドバイスを行っておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。