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更新日:2024年8月29日

太陽光投資は儲からない?リスクや利回り、節税方法、失敗事例を紹介

太陽光発電について

太陽光投資は個人でも始められて、長期間安定した収益が見込める投資と言われています。国の制度を利用して高い利回りが期待でき、また太陽光システムの寿命が長いためです。

ただ一方で、太陽光発電は住宅用の利用も可能で、上手に活用すれば生活に必要な電気代を抑えつつ、非常用の電源を確保できるメリットもあります。

このように太陽光発電は投資用にも、家庭用にも利用できるため、どちらの用途に使用するかを迷われる方が少なくありません。

そこで本記事では、太陽光発電の投資について、住宅用との違いやメリット・デメリット、成功のためのポイントなどをあわせて解説します。太陽光発電の投資を検討されていれば、ぜひ本記事をご活用ください。

【前提】太陽光投資とは?

太陽光投資とは、太陽光発電システムで発電した電気を電力会社に買い取ってもらうことで利益を得る投資手法です。この太陽光投資は国の固定価格買取制度(FIT)を利用して、20年間定額の価格で電気を売却できるため、長期間にわたって安定した利益を得られる特徴があります。

また、太陽光投資の表面利回りは7〜10%と言われ、不動産投資の一般的な表面利回りである3〜7%と比べて高い利回りが期待できます。

【押さえておきたい】太陽光発電の投資用と家庭用の違いとは?

太陽光発電システムは電気を売却する投資用(事業用)と、発電した電気を生活に利用する家庭用があります。固定価格買取制度(FIT)の売電価格や調達期間で大きく違いが生じるため、それぞれの特徴と違いを知っておく必要があるでしょう。

ここでは、太陽光発電の投資用と家庭用の違いについて、解説します。

  • 投資用の太陽光発電は、売電で収入を得るもの
  • 家庭用の太陽光発電は、電気代の節約や非常用の備えのもの

投資用の太陽光発電は、売電で収入を得るもの

投資用の太陽光発電の目的は、売電によって収入を得ることです。一般的に、太陽光投資では、固定価格買取制度(FIT)を活用して売電収益を得ていきます。

この「固定価格買取制度(FIT)」は太陽光などの再生可能エネルギーを固定した価格で買い取ってもらえる制度を指します。太陽光発電であれば、2024年の売電価格は10kW以上50kW未満の場合は「10〜12円/kW」、50kW以上の場合は「9.2〜12円」となっています。また、制度内で売却できる期間も決まっており、投資用(10kW以上の太陽光発電システム)の場合は20年間です。

なお、固定価格買取制度(FIT)は別記事で卒FITとあわせて紹介しています。詳細が気になる方はご参考にしてください。

関連記事:FIT制度後は蓄電池でお得に節約!導入手順やメリット・デメリットを解説

家庭用の太陽光発電は、電気代の節約や非常用の備えのもの

家庭用の太陽光発電の目的は、大別して電気代の節約と非常用の備えが目的として利用されています。

家庭用の太陽光発電の場合、太陽光で発電した電気を生活で必要な分の自家消費に充てられます。この場合、太陽光発電容量が1kWあたり、「年間31,000円」もの電気代の削減が可能です(※)。

また、家庭用で発電した電気は蓄電池を利用して、非常用として備えておくことが可能です。近年、懸念が高まっている震災や天災などへの備えとして注目されています。

なお、家庭用太陽光発電でも発電した電気の一部を売却できますが、売却できる電気の量に制限がかかる場合が多いため注意が必要です。

(※)1kWhあたりの電気料金を「31円/kWh」で算出

関連記事:太陽光発電の初期費用は回収できないのか?何年で元が取れるのかシミュレーションで解説

節税にもなる!太陽光投資を始める3つのメリット

太陽光投資は活用すれば長期間で安定した収益を得ることが可能な投資手法です。しかし、特性を理解しておかないと、自身のスタイルや目的に合った投資ができないリスクもあります。そのため、メリットやデメリットの理解は必ずしておきましょう。

ここでは、太陽光投資を始めるメリットについて、以下を解説します。

  1. 高い表面利回り
  2. 20年間安定した収入が得られる
  3. 相続税対策になる

①高い表面利回り

太陽光投資の表面利回りは7〜10%と言われています。これは国の制度や太陽光発電システムの特性が大きく影響しています。

まず、国の制度である「固定価格買取制度(FIT)」は投資用の太陽光発電において、20年間もの期間を固定価格で買い取ってもらえます。また、太陽光発電システムは30年が寿命とされ、一度購入してしまえば長期間の運用が可能です。

太陽光発電システムの購入費用は不動産投資と比べても高くなく、高い利回りが出せるポイントとなっています。

②20年間安定した収入が得られる

太陽光発電で作った電気は固定価格買取制度(FIT)を利用すると投資用の場合、20年間、定額で売電できます。国が実施している制度であることから、電気が買い取ってもらえないリスクがなく、安定した収入が得られます。

株式や投資信託、FXや暗号資産などは市場の影響によって大きく左右される投資手法である点を鑑みれば、太陽光発電は比較的安定的な手法と言えるでしょう。

③相続税対策になる

太陽光発電の設備は減価償却資産です。そのため、取得価格から減価償却費を引いた額が太陽光発電システムの相続額となり、相続税対策になる場合があります。相続税対策についてはより高度な知識が求められるため、専門家に確認を取るようにしてください。

【リスク・注意点】太陽光投資を始めるデメリットを失敗事例とあわせて紹介

高利回りで、長期間安定した利益が得られる太陽光投資である一方で、いくつかのデメリットがあります。トラブルに発展しかねないため、太陽光投資の契約をする前に確認しておきましょう。

ここでは、太陽光投資を始めるデメリットについて、解説します。

  1. 20年経過後の電気の買取価格が不明
  2. 災害・事故による破損や、盗難被害のリスクがある
  3. 事業の売却利益は望めない

①20年経過後の電気の買取価格が不明

太陽光投資では固定価格買取制度(FIT)によって、20年間、売電価格が固定されますが、それ以降については電力会社との契約によって売電価格が決定します。そのため、現段階では売電価格が不明となっており、場合によっては格安になるリスクも想定されます。

なお、以下は2016年から2024年までのFIT制度の売電価格で、年々安くなっていることが確認可能です。この点は踏まえたうえで、投資するかどうかを判断しましょう。

50kW以上の太陽光発電の売電価格の推移(円/kWh)

西暦2016年2017年2018年2019年2020年2021年2022年2023年2024年
価格24211814121110109.2

②災害・事故による破損や、盗難被害のリスクがある

太陽光発電をする際のリスクとして、破損や盗難リスクがあります。どちらも起こってしまった場合、修理や再購入をする必要があり、投資した金額以上の支出が生じます。

なお、以下は令和3年度の災害による太陽光発電施設の破損の件数をまとめたものです。ここからもわかるように、災害や事故、盗難のリスクには保険などで備えておく必要があります。

大雨恐怖積雪その他
事業用(件)101921
小型(件)(10~50kW未満)23552
参考:経済産業省「令和3年度における再エネ設備に係る事故発生状況について」

③事業の売却利​​益は望めない

太陽光発電事業の売却はFIT期間や設備の劣化等を考慮に入れて計算されます。設備が新しく、FIT期間が十分に残っている場合は十分な売却額が見込めますが、設備が古く、FIT期間の残りが短い場合などは十分な売却額を見込めません。

実際に、設備の老朽化が進んだために従来の発電量が見込めなくなったため、修理をしようとしたが、設備が古くメーカーが部品を作っていないために修理ができず、買い替えする以外に事業の立て直しができないケースも出てきています。

【投資家向け】太陽光投資を成功させるポイントとは?

投資を成功させるためには、メリット・デメリットだけでなく、メリットを伸ばしデメリットをカバーしなければいけません。

ここでは、太陽光投資を成功させる方法について、以下のポイントに絞って解説します。

  1. 日照時間の長い地域、場所に設置する
  2. 太陽光パネルを設置する「向き」と「傾き」が大切
  3. 天災・事故リスクに対応する保険に加入する

①日照時間の長い地域、場所に設置する

日照時間の長い地域を選ぶことで、効率的に太陽光発電ができます。また、積雪は太陽光発電の効率の妨げになるため、積雪量の少ない地域を選ぶことも重要です。

2023年全国日照時間ランキング

順位都道府県観測地点 日照時間年間合計
1東京南鳥島 2,865.9
2静岡磐田2,582.8
3群馬桐生2,572.5
4群馬伊勢崎2,564.5
5愛知 南知多2,547.7
6埼玉熊谷2,545.5
7長野上田2,544.1
8長野佐久2,543.1
9山梨大泉2,534.6
10神奈川三浦2,533.2
参照:気象庁|過去の気象データ検索

②太陽光パネルを設置する「向き」と「傾き」が大切

太陽光パネルは設置する向きや傾きでも発電量が異なっていきます。以下のグラフは東京の年間日射量と設置方位・傾斜角の関係を示したものです。

引用:NEDO全国日射関連データマップ

上記から真南向きで、30〜40度の傾斜をつけて太陽光パネルを設置すると、パネルに効率よく日光を当てられることがわかります。

なお、雪・汚れ対策には傾斜角を最低10〜15度以上つけることが推奨されています。

③天災・事故リスクに対応する保険に加入する

自然災害による破損リスクへの対応として、保険に加入する方法があります。保険に加入しておけば、天災や事故、盗難が発生したとしても太陽光発電システムにかかる修理費や再購入費用などに備えられます。

【導入がまだな方へ】太陽光投資の前に、家庭用太陽光発電を

太陽光投資を検討する前に、家庭用の太陽光発電も検討するのがおすすめです。

家庭用の太陽光発電は、電気代の節約や非常用の電源になります。また、10kW以内で導入されるケースが多いため、導入コストも投資用(事業用)と比べても安価になるでしょう。

家庭用太陽光発電を導入がまだな方は、まずはご自宅に太陽光発電をつけてみてはいかがでしょうか。

ミライでんちでは、太陽光発電や蓄電池の導入に際しての、補助金の活用方法やシミュレーションなどの無料アドバイスも提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

まとめ:太陽光投資と家庭用との違いを知り、自分に合った選択をしよう

本記事では、太陽光発電の投資について、住宅用との違いやメリット・デメリット、成功のためのポイントなどをあわせて解説しました。

太陽光投資とは、太陽光発電システムで発電した電気を電力会社に買い取ってもらうことで利益を得る投資で、固定価格買取制度(FIT)を利用することから、長期的かつ安定的な収益が見込めます。一方で、売電価格を固定できるFIT制度は20年で期限を終えるため、以降の売電価格は不透明であるなどのデメリットがあるのが実態です。

太陽光投資の特性やメリット・デメリット、また自身に合った投資手法なのかも含めて検討していきましょう。

ミライでんちでは、再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活を提案しています。
太陽光発電や蓄電池の導入に際しては、補助金の活用方法に関する無料のアドバイスも提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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