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更新日:2024年5月16日

蓄電池は太陽光なしで発電できる!メリット・デメリットを解説

蓄電池について

「蓄電池は太陽光なしで設置できるって本当?」

太陽光発電は、雪が降ると発電量が低下するリスクがあります。そのため積雪地域では、太陽光なしで設置できると噂の蓄電池について気になっている方も多いでしょう。

本記事では、太陽光なしで発電できる単機能型蓄電池の導入メリット・デメリットについて解説します。

単機能型蓄電池は、太陽光設備の設置が難しいお宅に設置可能ですので、ぜひ参考にしてみてください。

 

蓄電池の種類を紹介!太陽光なしで使える単機能型蓄電池とは?

太陽光なしで発電できる蓄電池は「単機能型蓄電池」ですが、他にも種類があります。

  • 蓄電池だけ【単機能型蓄電池】
  • 太陽光あり【ハイブリッド型】
  • 蓄電池+太陽光+EV【トライブリッド型】

それぞれの特徴について、くわしく解説します。

蓄電池だけ【単機能型】

単機能型蓄電池とは、太陽光設備がなくても導入できる蓄電池で、蓄電池用パワーコンデショナー(パワコン)があれば単体で機能します。

太陽光なしで使う場合は、単機能型蓄電池に深夜電力を貯めておき昼間に使う、といった形で活用します。

一般的な契約では深夜の方が電気料金が安いため、昼間に深夜電力を活用することで、電気料金の節約が可能です。

さらに、太陽光発電と併用することで、安定した電力供給や災害時の非常電源として活用できます。

太陽光発電システムの中に蓄電池を組み込むと、太陽光発電のパワコンから単機能型蓄電池のパワコンに電気が送られ、蓄電できるようになります。

パワコンとはパワーコンディショナー、通称パワコンとは、太陽光発電でつくられた直流電気を交流電気に変換する役割を担います。単機能型蓄電池を太陽光なしで活用する場合は、深夜電力を貯めておく保存媒体として使われます。

太陽光あり【ハイブリッド型】

ハイブリッド型蓄電池とは、パワコンが太陽光設備のものと一体型の蓄電池です。

単機能型とは違って単体では機能せず、太陽光発電と併用して使います。そのため、これから太陽光発電システムを導入される方におすすめです。

蓄電池+太陽光+EV【トライブリッド型】

トライブリッド型蓄電池とは、ハイブリッド型蓄電池にEV(電気自動車)用のパワコンも一体となったタイプです。

EVの充放電もできるため、蓄電池からEVへの電力供給はもちろんのこと、停電時などにEVから住宅へ供給できます。

すでにEV車を保有している方は、太陽光設備を設置する際に検討するとよいでしょう。

 

太陽光なしの単機能型蓄電池のメリット

太陽光なしで使える単機能型蓄電地には、次の4つのメリットがあります。

  • 蓄電池単体で使える
  • 太陽光設備のメーカーを気にせず使える
  • 導入費用が比較的安い
  • 全負荷型ならどんな家電も使える

それぞれについて、くわしく解説します。

蓄電池単体で使える

単機能型蓄電池は、太陽光なしで使えます。

ハイブリッド型やトライブリッド型は、太陽光設備がなければ使えないため、単体で使える蓄電池は単機能型のみです。

単機能型蓄電池なら、太陽光設備の設置に不安を感じている積雪地域の方たちでも、節電にご活用いただけます。

太陽光設備のメーカーを気にせず使える

単機能型蓄電池は、専用のパワコンを使用するため、太陽光設備のメーカーを気にせずに設置できます。

ハイブリッド型やトライブリッド型は、太陽光設備のメーカーと相性が悪く、使えない製品があるのです。

単機能型蓄電池にはこうした問題がないため、お好きなメーカーの製品をお選びいただけます。

導入費用が比較的安い

単機能型蓄電池は、ハイブリッド型やトライブリッド型に比べると、導入費用が安く抑えられます。

蓄電池専用のパワコンは、太陽光発電と一体型のパワコンと比べると安価で製造できるためです。

費用を抑えて蓄電池を導入する場合は、単機能型蓄電池がおすすめです。

全負荷型ならどんな家電も使える

単機能型蓄電池には、全負荷型と特定負荷型があり、全負荷型なら停電時もすべての部屋に電気が行きわたるため、どんな家電も使用可能です。

全負荷型停電時にすべての部屋で電気を使える
特定負荷型停電時に特定の部屋で電気を使える

太陽光なしで蓄電池の導入を考える積雪地域の場合、冬は暖房が切れると命にかかわります。

全負荷型を選ぶことで、冬の停電時も快適に過ごせるのです。

ただし、通常時と同様に電気を使っていると、すぐに電池残量がなくなってしまうため、長期停電の際は十分に気をつけましょう。

 

太陽光なしの単機能型蓄電池のデメリット

太陽光なしで使える単機能型蓄電地には、次の3つのデメリットがあります。

  • 設置スペースが必要
  • 太陽光発電との連携効率が悪い
  • 停電時に使える電力が比較的少ない

それぞれについて、くわしく解説します。

設置スペースが必要

単機能型蓄電池は、屋外に設置スペースが必要です。

メーカーによって異なりますが、蓄電池本体の大きさは以下が目安となります。

500~770㎜
高さ600~1,150㎜
奥行145~450㎜

大きなもので1メートルをこえるため、屋外のスペースが狭い場合は、設置可能なサイズの製品を選ぶ必要があります。

太陽光発電との連携効率が悪い

単機能型蓄電池を太陽光発電と連携して使う場合は、ハイブリッド型やトライブリッド型に比べて効率が悪くなります。

パワコンを2台使用する分、変換ロスが多く発生してしまうためです。

ただし、太陽光なしで単機能型蓄電池を使う場合は、連携効率を考える必要はありません。

停電時に使える電力が比較的少ない

単機能型蓄電池は太陽光発電と併用時にパワコンが2台になるため、ハイブリッド型やトライブリッド型と比べて変換ロスが多く発生します。

さらに停電時は、太陽光設備のパワコンの出力が1.5kWに抑えられることで、蓄電池に充電できる電力も限られてしまいます。

これによって停電時は、蓄電池の電力によって複数の家電を動かすことはできません。

そのため長期停電に対応するには、電気を特定の場所に絞って使える特定負荷型の単機能型蓄電池がおすすめです。

 

太陽光なしの単機能型蓄電池のおすすめ用途

単機能型蓄電池を太陽光なしで導入する際のおすすめ用途は、次の2つです。

  • 深夜電力を貯めて昼間に使う
  • 停電時に非常用電源として使う

2つの使い方を覚えて、電気代を節約しましょう!

深夜電力を貯めて昼間に使う

単機能型蓄電池に、電気代が安い深夜電力を貯めて昼間に使うことで、電気代を節約できます。

時間帯電力料金 (円/kWh)
午前7時〜午後11時32.71円
午後11時〜翌午前7時21.75円

参考:夜トク8|東京電力エナジーパートナー株式会社

100kWh使った時の料金を比較してみましょう。

項目料金
昼間に100kWhを使った場合3,271円
夜に100kWh貯めて昼間に使った場合2,175円
差額1,095円

実際には変換ロスがあるため、ここまでの差額にはなりませんが、深夜電力の活用によって電気代が節約できることがよくわかります。

ただしオール電化の場合は、昼間の消費電力を減らすことが難しく、深夜電力プランの方が割高な場合もありますので、ご注意ください。

▼関連記事

オール電化には蓄電池がおすすめって本当?メリット・デメリットや補助金情報についても解説

 

停電時に非常用電源として使う

単機能型蓄電池は、停電時に非常用電源として活用できます。

いざという時のために電気を貯めておく用途です。

ただし、単機能型蓄電池は充電容量が大きくないため、全負荷型だとすぐに電池残量がなくなってしまいます。

停電時に蓄電池の電気を使い切ってしまわないよう、節電しながら使いましょう。

▼関連記事

【保存版】停電した時の4つの手順。起こる仕組みと備えについても解説

 

太陽光なしの単機能型蓄電池がおすすめの人

次の場合、太陽光なしで単機能型蓄電池の利用がおすすめです。

  • 太陽光パネルを屋根に設置したくない人
  • 太陽光発電では採算がとれない人
  • 景観条例地域の人
  • 太陽光設備を設置済みの人

単機能型蓄電池を活用することで、電気料金を抑えることが可能ですので、ぜひ導入を検討してみてください!

太陽光パネルを屋根に設置したくない人

太陽光パネルを屋根に設置したくない、あるいは設置しづらい場合、単機能型蓄電池を太陽光なしで使うのがおすすめです。

積雪地域では、雪の重さによってパネルが破損することもあるため、屋根に設置するリスクがあります。

日本ならではの瓦屋根は、瓦を傷つけたり見た目を損ねたりするため、パネルを設置したくない人も多いようです。

単機能型蓄電池は太陽光なしで使えるため、上記の方でも安心してお使いいただけます。

太陽光発電では採算がとれない人

単機能型蓄電池は、太陽光発電では採算がとれない地域でも、電気料金の削減を叶えます。

積雪地域では、雪が降る日は十分な太陽光を得られないことで、発電量が低下してしまいます。

ひどい時にはまったく発電できないため、太陽光発電で採算を取るのが難しいケースも多いのです。

特に年間積雪量が200㎝を超えている地域の方は、冬の太陽光発電の採算を考えてから導入を検討してみてください。

景観条例地域の人

単機能型蓄電池は太陽光パネルを必要としないため、景観条例地域の方でも設置可能です。

太陽光発電による地域トラブルは多数発生していますが、その中でも「景観」に関するトラブルが24.8%(※)ともっとも大きな割合を占めています。

こうした問題もふまえて、太陽光設備の設置を制限する、あるいは届出や許可が必要とする自治体が増えています。

そのため景観条例地域では、太陽光設備の設置が難しい場合があるのです。

参考:太陽光発電の地域トラブルと調和・規制条例、今後の適正な促進に向けて|経産省

太陽光設備を設置済みの人

特に太陽光設備を導入して間もない場合は、単機能型蓄電池はおすすめです。

太陽光設備のパワコンの寿命を迎える10年前後で、交換が必要です。

この時、単機能型蓄電池を導入してしまうと、太陽光設備のパワコンの入れ替えも発生してしまいます。

そのため、太陽光設備と単機能型蓄電池を併用する場合は、導入後間もないタイミングが適切です。

 

【まとめ】太陽光なしで使える単機能型蓄電池を導入して節電しよう!

蓄電池には大きく3つの種類がありますが、その中でも単機能型蓄電池は太陽光なしで使える唯一の蓄電池です。

積雪地帯で太陽光発電の採算が取れない、さまざまな事情で太陽光設備を設置できない方には、単機能型蓄電池はおすすめです。

単機能型蓄電池に深夜電力を貯めて昼間使うことで、電気料金を削減できます。

ミライでんちでは、太陽光発電・蓄電池を活用した、安心&経済的なライフスタイルをご提案しております。電気料金の値上がりに不安を感じている方は、ぜひ一度お問い合わせください。

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