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更新日:2023年10月26日

家庭用蓄電池の寿命『使用期間』『充放電のサイクル回数』の目安を解説

蓄電池について

「家庭用蓄電池の寿命はどれくらい?」

家庭用蓄電池を設置後、どれほど使い続けられるのか知っておきたいと考える人は少なくありません。蓄電池の買い替えコストを考えるためにも必要な情報です。

蓄電池の寿命は『使用期間』と『充放電のサイクル回数』が目安になります。本記事では、蓄電池の寿命の目安や寿命がきたときの症状をご紹介します。

ほかにも、寿命を延ばすためのコツや、寿命を延ばす蓄電池の選び方までご紹介しますので、蓄電池を長く使い続けたいとお悩みの方の参考になる内容です。ぜひ最後までご覧ください。

家庭用蓄電池の寿命『使用期間』『充放電のサイクル回数』の目安

家庭用蓄電池の寿命は『使用期間』と『充放電のサイクル回数』が指標とされています。ここでは、使用期間と充放電のサイクル回数の目安を解説します。

使用期間の目安

家庭用蓄電池の使用開始から10〜15年が、使用期間の期限としてひとつの目安になります。

使用期間の目安となっているのが、メーカー保証年数です。どの蓄電池メーカーも10年もしくは15年を保証年数として設定していますので、蓄電池の寿命は、10年・15年が1つの目安といえるでしょう。

蓄電池の代表的なメーカーの保証期間は以下の通りです。

メーカー保証期間
パナソニック蓄電池ユニット15年・蓄電池容量15年
シャープ蓄電池ユニット15年・蓄電池容量15年
ニチコン蓄電池ユニット15年・蓄電池容量15年
オムロンシステム保証15年 ・蓄電池容量15年

上記のメーカーでは、機器保証・容量保証どちらも15年で設定されているのが分かります。ほとんどのメーカーで、10年保証は無償の場合が多いですが、15年保証は有償になることが多いため、注意しましょう。

サイクル回数の目安

電池が空の状態からフル充電をおこなったあと、空になるまで使用することを1サイクルとしています。

家庭用蓄電池に使用されているリチウムイオンバッテリーの寿命は、約6,000〜12,000サイクルが目安です。

しかし、普通に使っている分には残量0%になるまで充電せずに放置することはないため、1サイクルのカウントとはズレが生じてきます。サイクル回数は、蓄電池の使い方によって変動するため、目安にする程度にしておきましょう。

また、製品のパンフレットでよく見かける、法定耐用年数の6年という数字は、製品としての寿命とは関係ありません。

法定耐用年数とは、取得した費用を毎年分割して経費計上できる年数を指しています。そのため、蓄電池の寿命とは異なると考えておきましょう。

家庭用蓄電池の寿命は過ぎても使える

蓄電池は寿命を迎えても、蓄電池として機能する間はまだまだ使えます。そのため、寿命で蓄電池をすぐに交換する必要はありません。

ただし、蓄電は使用回数や年数によって、性能が低下して充電できる容量も減少するため、充電効率は悪くなってしまいます。充電効率が悪くなってしまっても使い続けることは可能なので、すぐに交換する必要はないと言えます。

しかし、蓄電池の部品は多く、どの部品が寿命に達するかは判断が難しいため、定期的なメンテナンスや点検を受けておきましょう。

関連記事:家庭用蓄電池のメンテナンスは本当に必要ない?交換時期や費用の目安も解説

家庭用蓄電池の寿命を延ばすための3つのコツ

家庭用蓄電池を長く使い続けるために、寿命を延ばす3つのコツをご紹介します。

高温多湿になる場所に置かない

蓄電池は、高温多湿になりやすい場所をさけて設置しましょう。蓄電池は高温になると本体の劣化が早くなってしまうほか、発火してしまう可能性があるため危険です。

室内に設置する場合は、狭い場所や押し入れ、クローゼットなどへ蓄電池を設置するのは避けて、換気を十分に行える場所にしましょう。

屋外に設置する際は、日光が直接あたらない場所にしてください。日光のあたりやすい場所にしか設置場所がない場合は、メーカーや設置業者とよく話し合って決める必要があります。

関連記事:蓄電池に適した設置場所を屋内と屋外別で解説!設置に必要な条件も紹介

充電・放電をしすぎない

充放電の1サイクルは0%から100%まで充電後、0%まで使い切る流れでカウントします。

0%まで使い切るのではなく、残量20%になったら充電する流れにすることで、サイクル数のカウントが0.8サイクルに抑えられます。

蓄電池の充電時間については、下記のコラムが参考になりますので、ぜひご覧ください。

関連記事:蓄電池の充電時間はどのくらい必要?計算式やおすすめの時間帯・設定も解説!

満充電・放電をしすぎないのが、蓄電池の寿命を延ばすコツの一つです。

1日1サイクルを心がける

家庭用蓄電池の寿命を延ばすためには、サイクル数を抑えるのがポイントです。

1日のサイクル数を減らすためには、家庭の使用状況に合った容量の蓄電池を選ぶ必要があります。できるなら、家庭の使用量より大きい容量の蓄電池を選ぶと、発電した電気を最大限充電できるためおすすめです。

1日1サイクルを超えない容量の蓄電池を選ぶために、家庭の電気使用量は事前に把握しておきましょう。

寿命を延ばす家庭用蓄電池の選び方のポイント

家庭用蓄電池の寿命を延ばすための、蓄電池の選び方のポイントを2つご紹介します。

実際に使用している電力を算出して容量を選ぶ

家庭用蓄電池の寿命を延ばすためには、実際に使用している電力を補える容量の蓄電池を選ぶ必要があります。

電気機器の1時間あたりの使用量は、取扱説明書やパンフレットに記載されていますので、確認しておきましょう。

また、1時間あたりの使用量を把握したら、どれほどの時間使いたいのかを計算して、家庭用蓄電池の容量を選んでください。

関連記事:電気料金の明細書の見方は?仕組みを理解して正しく節電しよう!

蓄電池の保証内容と期間を確認する

蓄電池は、10年以上使い続けられると言われています。そのため、蓄電池の保証は、少なくても10年以上ある製品を選ぶのが寿命を延ばすためのポイントです。

また、保証を適用するための条件と保証の対象になる故障・部品も確認しておきましょう。充実した内容の保証でサポートを受けるのも、蓄電池の寿命を延ばすためのポイントです。

リチウムイオン電池の寿命で確認できる症状は2つ

リチウムイオン電池の寿命は、専門の知識がある業者が計測機器を用いて判断します。

ご家庭でリチウムイオン電池の状態を判断する際は、以下の2つの症状を確認してください。

  • すぐ電池がなくなる
  • 使用時や充電時に異様に熱い

上記のような症状がある電池は、劣化が進んでいる可能性があります。業者に依頼して交換の必要があるか確認してもらいましょう。

家庭用蓄電池の寿命に関するよくある質問

家庭用蓄電池の寿命に関して、よくある質問3つにお答えします。寿命がきた蓄電池の症状や買い替え費用などについてお答えします。

蓄電池は寿命がきたらどうなる? 

家庭用蓄電池に寿命が来た場合、すぐに使えなくなるわけではありません。

家庭用蓄電池に使われているリチウムイオン電池は、使用年数と共に充電される電気の容量が減少していくため、使える容量があるうちは使い続けられます。

具体的な容量の減少は、1年間で約0.5〜0.7%です。ただし、蓄電池の劣化は、種類や設置環境、使用状況によって変わります。

もし、蓄電池の劣化が進んでいたとしても、蓄電池の『容量保証』の対象になれば、無償で蓄電池本体を交換してくれるため、交換前にメーカーに相談してみましょう。

蓄電池の買い替え費用はいくらですか?

蓄電池の交換に必要なコストは、保証期間が過ぎた場合は約70~240万円だと考えられます。これは、買い替え時に必要のない基礎工事を除いた金額になります。

ただし、蓄電池の保証期間内であれば、無償で交換してくれる可能性もありますので、買い替え前に保証の確認と販売店へ相談をしてみましょう。

関連記事:蓄電池の交換費用はどのくらい?交換時期や補助金についても解説

蓄電池の期待寿命とは?

蓄電池の期待寿命とは、『一定の使用条件』と『保守管理』を前提の条件とした寿命のことです。

一定の使用条件と保守管理とは、以下が挙げられます。

  • 蓄電池温度25℃
  • 適正な浮動充電電圧
  • 放電回数が年数回程度

実際の使用条件(温度、放電率など)によって変わるため、使用する年数の保証ではない点に注意してください。

まとめ:家庭用蓄電池の寿命は使用する環境や頻度によって変わる

家庭用蓄電池の寿命は『使用期間』と『充放電のサイクル回数』が指標とされています。

使用期間は、使用開始から10〜15年が目安となり、充放電のサイクル回数は、約6,000〜12,000サイクルが目安です。ただし、家庭用蓄電池の使用環境や頻度によって寿命も変動します。

また、蓄電池は使用する年数とともに充電できる容量が減っていくだけで、寿命がきたからといってすぐに使えなくなるわけではありません。ご紹介した、蓄電池の寿命を延ばすコツや蓄電池の選び方をぜひ、参考にしてください。

ミライでんちでは、蓄電池に精通しているスタッフが、蓄電池の寿命に関する疑問にもすべてお答えします。

ほかにも、ご家庭の電気使用量に合った蓄電池の選び方や、設置環境などのご相談も受け付けておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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