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更新日:2024年1月18日

エネファームと蓄電池の関係性|違い・連携・太陽光との併設も解説!

蓄電池について

エネファームと蓄電池はどのような関係なのか、違いはなんなのか、この記事を読んでいる方はこのように感じているのではないでしょうか。

結論からお伝えすると、エネファームと蓄電池は全くの別物です。そのため併設による相乗効果も期待でき、太陽光発電を含めたトライブリッドが注目されています。

この記事では上記の詳細に加え、メリット・デメリットや価格について解説しています。

エネファームや蓄電池の設置を検討している、または気になる方はぜひ最後までお読みください。

 

エネファームと蓄電池の違いは?

エネファームと蓄電池の大きな違いは、発電と蓄電です。エネファームはガスと空気を使用して発電できるのに対し、蓄電池の能力では発電できません。

しかし、蓄電池は外部で発電された電気を蓄え、放電することができます。

それぞれ全く違う機能を持っている設備ですが、エネファームが蓄電池と類似していると勘違いしてしまう原因として、エネファームが『家庭用燃料電池』であることが挙げられます。

家庭用燃料電池システムとは、ガスと空気を燃料に電気と熱を利用できるシステムです。

一般的に『電池』は、充電電池やバッテリーとして使われる言葉であるため、蓄電池のように電気を蓄えると勘違いしてしまう方が多いようです。

エネファームは発電、蓄電池は充放電と覚えておくとよいでしょう。

 

エネファームとは?

この項ではエネファームが発電する原理や仕組みについて、以下の項目に分けてより詳しく解説します。

  • ガスを使って作る発電機
  • 発電時の熱でお湯を沸かす給湯器

エネファームの導入を検討している、エネファームを詳しく理解したいという方は必見です。

ガスを使って電気を作る発電機

エネファームは家庭用燃料電池システムを採用しており、発電する材料としてガス(都市ガスまたはLPガス)と空気中の酸素を利用し、化学反応を起こしています。

水に電気を流して、酸素と水素に分解するという実験を学生時代に経験したことはありませんか?エネファームはこの原理を逆にして発電を行っています。

水の分子はH2Oと表記されます。酸素の分子はO2、水素の分子はH2とされています。この2つの分子が合わさった際にH2Oとなるのですが、この時、酸素の原子Oが1つ減っているのに気づくでしょう。

減った酸素の原子にくっついていた電子が自由電子となって電気として活動するのが発電の仕組みです。

ちなみにガスは、燃焼するためではなく水素を作り出すために利用しています。

発電時の熱でお湯を沸かす給湯器

エネファームは発電する際の化学反応で生まれる熱エネルギーを利用してお湯を沸かしています。

エネファームには貯湯ユニットがあり、そのタンク内でお湯を温め給湯や床暖房として熱エネルギーを効率よく利用できるという仕組みです。

熱エネルギーと聞くと小難しく聞こえる方もいるかもしれません。例えば、光を発する電球にも熱エネルギーが発生しています。

些細な事象にも発生する熱エネルギーを活用し、エネファームはエネルギー効率が80%以上という非常にエコな機器となっています。

 

蓄電池とは?

蓄電池の活用方法として大きく以下の2点が挙げられます。

  • 太陽光発電やエコキュートなどの発電設備と併用し、電気を自給自足する
  • 災害による停電時でも電気を使えるようにする

さらに詳しく解説していきます。

蓄電と放電を繰り返せる

蓄電池は繰り返し充放電ができる設備です。充放電の原理も化学反応が用いられており、近年の家庭用蓄電池ではリチウムイオンという物質が使われています。

リチウムイオン蓄電池は、電気が空の状態から満充電し、再び電気が空になった状態を1サイクルとして、約8,000〜12,000サイクルを繰り返せるほどの性能が備わっています。

そのため太陽光発電と組み合わせて、日中発電した電気を蓄電池に溜め、夜間には蓄電池から電気を使うという活用が一般的です。

他にも急速充電が可能である点や、他の種類の電池に比べて寿命が長い点から、スマートフォンのバッテリーやモバイルバッテリーなどにも活用される身近な存在です。

以下の記事ではリチウムイオン蓄電池の仕組みについて、より詳しく解説していますので、気になる方はご覧ください。

関連記事:【プロが解説】蓄電池の仕組みや内部構造を紹介|太陽光の連携・充放電も

ポータブルより容量が大きい

ポータブル蓄電池との大きな違いは、蓄電できる容量の大きさにあります。

ポータブル蓄電池の容量が大きくても3kWhなのに対し、家庭用蓄電池は4kWh〜16kWhと最大で5倍以上の電気を溜めておけます。

また、出力にも大きな差があります。ポータブル蓄電池の出力はスマートフォンの充電や投光器程度に対し、蓄電池は電子レンジやドライヤーなど消費電力が大きい家電も使用可能です。

以下の記事にて、ポータブル蓄電池と家庭用蓄電池の違いについてまとめました。災害時の備えとしてどちらが適しているか、気になる方はぜひ目を通してください。

関連記事:災害時に効果的な蓄電池は?ポータブルは使えない?電気自動車との連携や太陽光との関係も解説

 

エネファーム+蓄電池のメリットとデメリット

エネファームと蓄電池それぞれのメリット・デメリットに加え、併設した際のメリットとデメリットを紹介します。

まずはメリットからみてみましょう。

メリット
蓄電池・電気代を軽減できる・災害時の備えになる・太陽光発電の発電余剰分を充電できる
エネファーム・エネルギー効率が高く光熱費を軽減できる・太陽光発電と違い夜にも発電できる・発電時のCO2の排出が限りなく少なく、環境保全に貢献できる
蓄電池+エネファーム・太陽光発電の売電量を増加できる・エネファームが発電した電気を余さず使える・単体での設置よりも光熱費の軽減が期待できる

蓄電池が電気代を削減できるのは、電力会社が時間帯によって電気代を変えているからです。深夜電力は日中電力に比べて価格が低いので、深夜に電気を溜め日中に蓄電池から電気を使うと電気代が軽減できます。

続いてデメリットをみてみましょう。

デメリット
蓄電池・初期費用が高い・設置スペースが必要で外観やインテリアを崩す恐れがある・若干、稼働音がする
エネファーム・使い方によってガス代が高額になる・低音の稼働音が近所トラブルにつながる可能性がある・一番電気を使う夕方から夜間にかけては発電量が足りない
蓄電池+エネファーム・本体価格・工事費用を合わせると非常に高額である・十分な設置スペースが必要となる

蓄電池・エネファームともにネックとされているのが初期費用と設置スペースです。導入後は光熱費を削減でき、毎月かかる費用を軽減できるのですが、高額な初期費用に尻込みする方が多いようです。

 

エネファームと蓄電池は併設できる?

結論からお伝えすると、エネファームと蓄電池の併設は可能です。また、太陽光発電も組み合わせたトライブリッドの設置もできます。

しかし、エネファームに対応した蓄電池は種類が少ないため、事前に知らなければ独立した設備になってしまうので注意が必要です。併設について検討している方は後述する内容を必ず読んでください。

併設は可能!ただし蓄電池の機種に制限がある

エネファームは全ての蓄電池と併設できるわけではありません。例えば蓄電池メーカーのオムロンはサイト内のFAQにて、接続が可能であると明言しておらず、機種によっては接続しないよう注意喚起しています(※1)

同じく蓄電池メーカーのニチコンも、対応機種以外の蓄電池とエネファームを接続しないよう注意喚起しています。ニチコンでは『ESS-U2L2』シリーズをエネファームに対応した機種として販売しています。(※2)

このように、蓄電池はエネファームと対応した機種があるので、併設する際には必ず確認するようにしましょう。

(※1)参考:オムロンFAQ「蓄電システムはエネファームやエコウィルに併設できますか?」

(※2)参考:ESS-U2L2シリーズ | ニチコン株式会社 | ニチコンの家庭用蓄電システム

太陽光発電との関係性について

エネファーム・蓄電池・太陽光発電の3つのシステムを連携させた構造をトライブリッドと呼びます。

この3つが連携することで、以下のようなデメリットの解消とメリットが追加されます。

  • 太陽光発電が夜間に発電できない点を解消
  • エネファームの発電余剰分を蓄電池に充電できる
  • ダブル発電によって電力会社への売電量を増加できる
  • ガス代を削減できる
  • 災害時にガスが止まってしまっても太陽光発電で電気が使える

トライブリッドのデメリットも初期費用が挙げられますが、利点が大きくなるのは確かです。

連携させると光熱費削減できる?

太陽光・蓄電池・エネファームを上手に稼働させることにより、電気代はほとんどかからなくなると言ってもよいでしょう。

ただし、エコキュートの稼働が多いとガス料金が高くなる可能性はあります。もし給湯を電気で行いたいと感じている方はエコキュートを検討してみましょう。

関連記事:エコキュートに蓄電池はいる?併用のメリット、デメリット・補助金・価格など解説

 

蓄電池とエネファームの費用は?

家庭用蓄電池の価格は現在1kWhあたりの平均価格が18.7万円と言われています。(※1)

また、資源エネルギー庁の調査で2020年時点でのエネファームの平均価格は、設置工事費を含めて100万円前後と算出されました。(※2)

上記のことから、蓄電池を7kWhとして両方を設置すると約230万円の予算が必要です。

蓄電池やエネファームは国や自治体から補助金が得られるため、高額な初期費用を軽減できる可能性があります。

例えば『こどもエコすまい支援事業』や『戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH) 化等支援事業』などが挙げられます。

関連記事:蓄電池の補助金制度は打ち切り?国や地方自治体の制度を確認しよう

補助金制度を最大限活用して、それぞれがネックとしている初期費用を軽減しましょう。

(※1)参考:経済産業省

(※2)参考:資源エネルギー庁

 

エネファームの発電量は蓄電池に溜められるほど?

エネファームは太陽光と違い、大きな電力を発電できるわけではありません。

エネファームが発電できる電力は200W〜700Wであるため、700Wを超える分は電力会社の電気や蓄電池または太陽光の電気で補う必要があるからです。

日中の電気の使用が少ない時間帯にエネファームを稼働させていれば、蓄電池の充電ができますが、エネファームのみで満充電するのは難しいでしょう。

例えば7kWhの蓄電池を満充電するとしたら、エネファームの発電量は0.7kWhのため10時間必要です。(冷蔵庫や照明などの電気を一切使用しない状況での計算)

エネファームと蓄電池だけでは、電気の自給自足は難しいので、太陽光発電との連携も視野に入れておきましょう。

 

太陽光+蓄電池にエネファームを後付けする場合、工事が必要

太陽光発電と蓄電池は、パワーコンディショナーを通して直列に接続され、それぞれが家庭用分電盤に分岐して接続されています。

エネファームは蓄電池には直接接続されず、家庭用分電盤を通して蓄電池と接続されています。

そのため、停電時に電力会社の電力供給を遮断するため、切り替え装置の設置やブレーカーの取り付けなど家庭用分電盤の工事も必要です。

蓄電池やエネファームの設置を考えている方は、分電盤も工事すると覚えておきましょう。

 

【まとめ】トライブリッドでエコに光熱費削減!

エネファームに太陽光発電と蓄電池を連携させることで、ダブル発電と発電余剰分を余すことなく利用できるようになるトライブリッドが実現できます。

電力会社から送られてくる電気よりもエネルギー効率が高く、CO2の排出を抑えられ環境保全の貢献にも繋がります。

さらに太陽光発電とエネファームは、それぞれのメリットを向上させ、デメリットを補う特徴があります。

エネファームと蓄電池の設置でも効率的なエネルギー住宅が可能ですが、太陽光発電と組み合わせるとより効果的です。

ミライでんちでは、エネルギーの自給自足を目指すライフスタイルをご提案しています。補助金や設置スペースの広さなど疑問に思う点は、無料相談をお気軽にご利用ください。

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