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更新日:2024年5月16日

蓄電池の種類と特徴って?適切な選び方とポイントも解説

蓄電池について

「蓄電池ってどんな種類があるの?」

蓄電池について調べていると、さまざまな種類があって、どれを選べばよいのかわからないという人も多いのではないでしょうか?

自宅に合った蓄電池を選ぶためには、基本的な知識が必要です。

本記事では、蓄電池の種類と特徴、適切な選び方とポイントを紹介します。

適切な蓄電池を導入して、電気料金を削減するためにも、ぜひ参考にしてみてください。

 

蓄電池の種類と特徴

そもそも蓄電池とは、くり返し充電と放電ができる電池のことを指します。

この機能を住宅に活用すると、太陽光発電でつくられた電気や深夜電力を蓄えて、必要な時に放電できるのです。

蓄電池には、大きく4つの種類があります。

  • 鉛蓄電池
  • NAS電池
  • ニッケル水素電池
  • リチウムイオン電池

ただし、家庭用蓄電池にはリチウムイオン電池が使われていることがほとんどなので、電池そのものの種類を選ぶ機会はあまりありません。

なお、深夜電力について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。

「深夜電力(夜間電力)とは?蓄電池の利用で節電し安くなる方法を解説!」

 

鉛蓄電池

鉛蓄電池(なまりちくでんち)は、蓄電池の元祖とも呼べる古い歴史をもち、150年ほど前から使われています。

安価で製造でき、長い歴史の中で積み重ねた信頼性もあり、現在でも下記の用途で使われています。

  • 車載用バッテリー
  • 非常用電源
  • ゴルフカートの電源

NAS電池

ナトリウム硫黄電池であるNAS電池は、日本ガイシ株式会社の登録商標で、大容量蓄電池です。

鉛蓄電池の約3分の1のサイズでありながら、メガワット級の蓄電を可能としており、長時間にわたって高出力の放電が可能です。

動作時に高温になるデメリットはありますが、それ以外は非常に高性能で、寿命が長い点も魅力とされています。

  • 大規模電力貯蔵施設

ニッケル水素電池

ニッケル水素電池は、かつて使われていたニカド電池と代わって活躍する電池です。

ニカド電池は丈夫な反面、そのまま置いておくと電池残量が減ってしまうなど、デメリットも多い電池です。

人体に害のあるカドミウムが使われているため、現在では使用されなくなってきました。

ニカド電池に代わって登場したニッケル水素電池は、充放電の速度を向上させ、安全に利用できることから、わたしたちの日常の中で使われています。

  • 懐中電灯
  • 時計
  • おもちゃ
  • ハイブリッド自動車

ただしニカド電池と同じように、そのまま置いておくと電池残量が減ってしまう欠点が残されています。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、現在高い利用率を誇る蓄電池です。

ニカド電池とニッケル水素電池が抱えていたデメリットを解消し、放置しても電池残量が減ることはありません。

エネルギー密度が高く、容量も大きいため、高出力で使える点が大きなメリットです。

ただし温度変化に弱く、保管状態が悪いと寿命が減ってしまうデメリットがあり、使用環境を選ぶ電池でもあります。

  • スマホのバッテリー
  • パソコンのバッテリー
  • 産業用ロボット
  • ハイブリッド自動車
  • 住宅用蓄電池

みなさんがお探しの住宅用蓄電池には、ほとんどリチウムイオン電池が使われています。

 

蓄電池の負荷タイプの種類と特徴

蓄電池には2種類の負荷タイプがあります。

  • 特定負荷タイプ
  • 全負荷タイプ

これらは停電時に蓄電池に貯めた電気をどう使うかに関係するため、蓄電池の選び方に大きく関係します。

2つのタイプを理解して、ご自宅に合ったものを選びましょう。

特定負荷タイプ

特定負荷タイプは、停電時にあらかじめ決めたエリアのみに電力を供給します。後から使用エリアを変更できない分、購入時に注意が必要です。

蓄電池は停電時に電力供給できる反面、種類や容量によって長時間もたない場合があります。

特定負荷タイプは使用エリアを制限することで、細く長く電力を供給できるため、長期停電に向いています。

全負荷タイプ

全負荷タイプは、停電時にすべてのエリアで電力を供給します。停電してもいつも通りの生活を送れますが、その分電池残量が枯渇するのも速くなってしまいます。

全負荷タイプは特定負荷タイプと違って、200Vまで対応していることが多いため、どんな家電でも使えます。

そのため、冬の停電時に暖房が切れたら困る寒冷地や、オール電化のご家庭におすすめです。

 

蓄電池の設備方式の種類と特徴

蓄電池には、設備方式に大きく3つの種類があります。

  • 単機能型
  • ハイブリッド型
  • トライブリッド型

太陽光設備との併用や、予算に関係する部分ですので、慎重に選びましょう。

単機能型

単機能型とは、蓄電池本体と蓄電池用のパワーコンデショナー(パワコン)を設置し使用する方式です。

蓄電池を単体で使う場合単体で使用できる
太陽光設備と併用する場合太陽光設備のパワコンが別に必要

単体で使用できるため、太陽光設備との相性を気にせず設置できます。

ただし、パワコンを2つ設置する必要があるため、スペースが必要であることと変換ロスが発生しやすくなる点は注意しましょう。

ハイブリッド型

ハイブリッド型は、パワコンが太陽光設備のものと一体になっているタイプです。

蓄電池を単体で使う場合単体で使用できない
太陽光設備と併用する場合太陽光設備のパワコンと一体型

単体で使用できないため、太陽光設備との相性が問われます。

すでに太陽光設備を導入済みのお宅にハイブリッド型蓄電池を導入する場合は、パワコンの交換工事が必要となります。

太陽光設備のパワコンは10年前後で交換が必要になりますので、その際にハイブリッド型蓄電池を導入するのがベストです。

トライブリッド型

トライブリッド型は、ハイブリッド型にプラスしてEV車のパワコンも兼ねているタイプです。

蓄電池を単体で使う場合単体で使用できない
太陽光設備と併用する場合太陽光設備のパワコンと一体型

EV車の充放電も効率的に行えるようになるため、EV車をお持ちのご家庭にぴったりです。

ただしハイブリッド型と同様、導入タイミングに気を付けるようにしましょう。

蓄電池の種類ごとの比較と選び方

 

ここまで紹介した蓄電池の種類ごとに、選び方を紹介します。

  • 電池の種類の選び方
  • 負荷タイプの選び方
  • 設備方式の選び方

それぞれのタイプを選んだ後は、予算に応じて製品を選ぶのがおすすめです。

電池の種類の選び方

家庭用蓄電池の場合、ほとんどがリチウムイオン電池のため、選ぶ必要はないでしょう。

負荷タイプと設備方式を比較して、ご自宅に合った製品をお選びください。

負荷タイプの選び方

負荷タイプを選ぶ際は、次の2点に注目しましょう。

  • 停電時に全エリアで電力供給が必要か
  • 200V対応していなくてよいか

特に、冬場に氷点下になるご家庭では、ストーブやエコキュートは常時ついている必要があります。

特定負荷タイプは200Vに対応していないことが多く、エアコンやエコキュートが使えない可能性があります。

このように、地域の特性でタイプを決めることも大切です。

負荷タイプ違いおすすめのご家庭
特定負荷タイプ・停電時に特定のエリアのみ電力供給する・200V対応の製品が少ない・長時間の停電に耐えられる・蓄電容量が小さめ・価格が安い・停電時に最低限の電力供給でよいご家庭
全負荷タイプ・停電時に全エリアで電力供給する・200V対応の製品がほとんど・長時間の停電には耐えられない・蓄電容量が大きい・価格が高め・オール電化のご家庭・冬の停電時に暖房を絶やさないようにしたいご家庭

設備方式の選び方

設備方式を選ぶ際は、表の「おすすめのご家庭」を参考にしてみてください。

設備方式違いおすすめのご家庭
単機能型・太陽光設備のパワコンと蓄電池専用パワコンの2台必要・太陽光設備のメーカー相性を考えなくてよい・太陽光設備の保証期間を考えなくてよい・変換ロスが多い・安価で導入できる・蓄電池単体で使いたいご家庭・太陽光設備を導入して間もないご家庭
ハイブリッド型・太陽光設備のパワコンと一体型・太陽光設備のメーカーと相性が悪い場合がある・太陽光設備の寿命と保証期間を考える必要がある・変換ロスが少ない・導入費用が高い・太陽光発電と併用したいご家庭・太陽光設備の導入から10年前後のご家庭
トライブリッド型・太陽光設備とEV車のパワコンと一体型・太陽光設備のメーカーと相性が悪い場合がある・太陽光設備の寿命と保証期間を考える必要がある・変換ロスが少ない・導入費用が高い・EV車を効果的に活用したご家庭・太陽光設備の導入から10年前後で、EV車をお持ちのご家庭

トライブリッド型は、EV車を持っているかで決められるので簡単ですが、EV車をお持ちでないご家庭は、単機能型かハイブリッド型で迷うことになるでしょう。

太陽光設備をすでに設置している場合は、設置年数で決めることが可能です。

 

蓄電池の種類の選び方のポイント

蓄電池の種類を選ぶ際には、次の3つのポイントを抑えることが大切です。

  • 太陽光発電と併用する場合
  • 深夜電力を活用する場合
  • 非常時の停電に活用する場合

ご家庭に合った蓄電池を選ぶためにも、ぜひ参考にしてみてください。

太陽光発電と併用する場合

太陽光発電と併用する場合、単機能型かハイブリッド型で迷うはずです。

その際は、2つの観点から考えてみましょう。

  • 太陽光設備の設置年数
  • 変換ロス
設置年数おすすめ
2年未満単機能型
10年前後ハイブリッド型

ハイブリッド型は太陽光設備のパワコンを交換しなければならないため、寿命を最大まで使ってからの導入がおすすめです。

単機能型はそういったことを気にしなくてよいので、太陽光設備の導入直後でもよいでしょう。

ただし単機能型は、ハイブリッド型に比べて変換ロスが多く、蓄電効率が悪いデメリットがあります。

設置年数が5年〜9年の場合は、太陽光整備の寿命まで待ってから、ハイブリッド型を導入することも考えてみましょう。

深夜電力を活用する場合

蓄電池は電気料金の安い深夜電力を貯めて、昼間に使うこともでき、電気料金の削減につながります。

どのタイプでも深夜電力を貯められますが、単機能型蓄電池なら太陽光発電と併用なしで使うことが可能です。

さまざまな事情によって、太陽光発電を導入できないご家庭は、ぜひ一度検討してみてください。

非常時の停電に活用する場合

停電時に蓄電池を活用したい場合は、負荷タイプだけでなく電池容量も考慮します。

冷蔵庫や冷暖房といった稼働が必要な家電の消費電力量を下回らないよう、電池容量を確保することが大切です。

このように、ある程度蓄電池の種類を絞ったら、電池容量にも着目するようにしましょう。

 

【まとめ】蓄電池の種類を適切に選んで節電しよう!

蓄電池には、「電池そのものの種類」「負荷タイプ」「設備方式」の3つの種類があります。

その中でも負荷タイプと設備方式は、さまざまな要因から決める必要があるため、最低限の知識が必要です。

ある程度タイプが絞れたとしても、ご家庭に設置されている太陽光設備のメーカーとの相性や予算なども考慮しなくてはいけません。

ミライでんちでは、お客様のご家庭に合った蓄電池製品を探すところからサポートし、電気を自給自足し節約できる方法をご案内しています。家庭用蓄電池の導入に関する質問やご相談があれば、ミライでんちまでお気軽にお問い合わせください。

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