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更新日:2024年5月20日

蓄電池とバッテリーの違いは?4つの種類と蓄電池選びのポイントも紹介

蓄電池について

蓄電池やバッテリーは、いまや私たちの生活に欠かせない存在になりました。

蓄電池、バッテリーとは、繰り返し充電ができるタイプの電池のことです。使い切りタイプの電池は一次電池、何度も充電できる電池は二次電池と分類されます。

二次電池にはさまざまなタイプがあり、

  • 電池種類
  • 負荷タイプ
  • 充電方式

などの違いから、用途によって使い分けられています。

この記事では、言葉の意味からどのような種類や違いがあるのかといった、「蓄電池」「バッテリー」に関する知識を紹介しています。 住宅用の蓄電池を検討している方に向け、選び方のポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。

蓄電池とバッテリーの違いは、ほとんど無い

私たちが日常的に使っている「蓄電池」と「バッテリー」という言葉は、それぞれ違う意味なのでしょうか。

 実は、使うシーンで違うだけで、本来は同じものを意味します。はじめに、2つの言葉の意味について解説しましょう。

蓄電池とは?

蓄電池とは、電気を溜めて繰り返し利用できるタイプの電池のことです。

「二次電池」と呼ばれることもあります。 

数十年前まで、「電池」といえば、使い切りの乾電池を意味していました。 

それに対し、電池が切れたら充電して繰り返し利用できる電池を「蓄電池」と呼びます。 

蓄電池は、携帯電話やノート型パソコン、コードレス式の家電など、身近なさまざまな場面で使われています。

バッテリーとは?

バッテリー(battery)とは、本来は「電池」の英語訳です。使い切りの乾電池も、繰り返し充電する携帯電話のバッテリーも「battery」で通じます。

ただし、一般的に日本語で「バッテリー」といえば、自動車に積まれているものを意味する言葉として使われてきました。

車載バッテリーは、鉛蓄電池という種類の電池が主に使われています。

一方、家庭用の蓄電池には、リチウムイオン電池という種類が主に使われているため、 

「蓄電池と(車載)バッテリーは、電池の仕組みが違う」 

と解釈している方もいらっしゃいます。

現代では、携帯電話の充電システムのことも「バッテリー」と呼びますよね。 その場合は、本来どおり「電池」という意味合いの言葉として使われています。

蓄電池は広義の意味で、バッテリーになる

蓄電池は、繰り返し充電できる「二次電池」を意味する言葉です。

 一方、バッテリーは、英語で「電池」という意味なので、「一次電池」も「二次電池」も含みます。

言葉の意味から考えると、 

「バッテリー(電池)のなかで二次電池(充電式)に分類されるものが蓄電池 」

となるため、蓄電池はバッテリーに含まれます。

しかし、乾電池のことを「バッテリー」とはあまり呼びません。 バッテリーも、充電式の電池を指す言葉としての利用が一般的です。 

そのため、現代では、蓄電池とバッテリーは同義ととらえられていることが多いといえるでしょう。

蓄電池・バッテリーの電池種類は4つ

蓄電池・バッテリーと呼ばれる二次電池の充電放電の仕組みには、主に4種類の方法があります。 それぞれ特徴があるため、用途によって使い分けられています。 

以下は、4種類の概要を表にしたものです。 

長所短所代表的な用途
鉛蓄電池・安定性が高い
・価格が比較的安い
・寿命が長い
・繰り返し利用で劣化しやすい
・大型で重い
・自動車の車載バッテリー
・非常時のバックアップ電源
ニッケル水素電池・急速充電ができる
・小型化できる
・過放電・過充電に強い
・使わない時間でも電気容量が減りやすい
・寿命が比較的短い
・充電タイプの乾電池
・ハイブリッドカー
リチウムイオン電池・急速充電ができる
・小型化できる
・自己放電が少ない
・寿命が比較的長い
・温度環境で劣化が進んでしまう
・価格が比較的高い
・携帯電話やノートパソコン住宅用蓄電池
NAS電池・容量の割に小型価格が安い
・寿命が長い
・作動温度が300度
・原料が危険物指定されている
・大規模な電力貯蔵施設

この章では、二次電池の4つの種類についてご紹介します。

鉛蓄電池

鉛蓄電池とは、マイナス極に鉛、プラス極に二酸化鉛、電解液に希硫酸を用いた電池です。

蓄電池としてもっとも古い歴史を持ち、前述したように、自動車のバッテリーなどに利用されてきました。 

他の電池と比べて電圧が高く、放電量の大きさが違っても安定して放電できる特徴があります。 価格が比較的安いことも魅力です。 

一方、繰り返しの充放電によってマイナス極の金属に硫酸鉛結晶が発生しやすく、寿命が短くなってしまうことがデメリットです。

放電しきる前に適切に充電することで、寿命低下はゆるやかになります。

ニッケル水素電池

ニッケル電池は、マイナス極に水素吸蔵合金、プラス極にオキシ水酸化ニッケル、電解液にアルカリ水溶液を用いた電池です。 

充電タイプの乾電池や、ハイブリッドカーのバッテリーなどに利用されています。 エネルギー密度が高いため、小型でも電池容量を確保できる特徴があります。

また、電池の容量が0%になっても放電してしまう「過放電」や、容量が100%なのに充電してしまう「過充電」の状態になっても、劣化しづらいことがメリットです。有害物質であるカドミウムを含まない安全性から、広く利用されています。 

デメリットは、自然放電量が大きいため、使っていなくても電気容量が減ってしまうことです。 寿命は、他の電池種類より短く、6年から7年といわれます。

リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は、マイナス極に炭素材、プラス極にリチウム含有金属酸化物、電解液に有機電解液を用いた電池です。 

携帯電話やノートパソコンなどの小型のモバイル機器に用いられています。 

リチウムイオン電池は、多くのメリットがあり、日常生活の身近な場面で多く利用されています。 蓄電池のなかでもエネルギー密度が高く、小型で軽量な家電に利用しやすいことが特徴です。

また、自己放電が少なく、短い時間で充電できるメリットもあります。 寿命は比較的長く、10年ほどといわれます。 

デメリットは、バッテリーの温度によって劣化が進んでしまう点です。 

鉛蓄電池と比較して価格の高さが課題でしたが、開発と流通が進み、価格は安定傾向にあります。

NAS電池

NAS電池は、マイナス極にナトリウム、プラス極に硫黄、電解液にベータアルミナセラミックスを用いた電池です。 主に大規模な電力貯蔵施設で用いられています。 

エネルギー密度が高く、大きな容量を効率よく貯蔵できることがメリットです。 鉛電池と比較して、価格が低く寿命が長いことから、大型の電力貯蔵に向いています。

デメリットは、常温では動作できないことです。 

作動温度300度を維持する必要があるうえ、ナトリウムと硫黄という危険物指定の原料を扱うため、厳密な保守作業が不可欠な電池種類です。

住宅用蓄電池の多くはリチウムイオン電池

昨今は「蓄電池」というと、自家発電システムで生み出した電力を貯める住宅用の蓄電池の意味として使われています。

この住宅用の蓄電池には、リチウムイオン電池が最も多く用いられています。リチウムイオン電池は、家庭に設置するための条件がバランスよく整っていることが理由です。 

例えば、鉛蓄電池やニッケル水素電池は、定期的なメンテナンスが必要です。 

NAS電池では、作動させるのに温度が300度になってしまううえ、原料の安全性にも課題があります。 

リチウムイオン電池は、他の種類の電池よりも小型で寿命が長く、安全性も高いことから、住宅用の蓄電池に選ばれています。

蓄電池は用途に応じて、負荷タイプと充電方式を選ぼう

住宅用の蓄電池を選ぶときは、電池の種類に加えて、「負荷タイプ」と「充電方式」の2点も確認することをおすすめします。

住宅用の蓄電池を設置する目的と生活スタイルによって、最適な蓄電池が違うためです。

負荷タイプは2種類

負荷タイプは、「特定負荷」と「全負荷」の2種類を知っておきましょう。

2つのタイプは、蓄電池に貯めた電力を届ける範囲に違いがあります。

特定負荷タイプは、家庭内の特定のエリアにしか電力を届けません。比較的価格が安く、停電時でも電力を抑えて長く利用できるメリットがあります。

一方、全負荷タイプは、家庭内のすべてのエリアに電力を届けます。停電時でも、蓄電池内に容量がある限り、普段どおり電気が使えることがメリットです。

充電方式は3種類

充電方式は、「単機能型」「ハイブリッド型」「トライブリッド型」の3種類を知っておきましょう。3つの充電方式は、自家発電設備とどのように組み合わせて利用するかによって、検討する必要があります。

単機能型

単機能型は、自家発電システムがなくても、蓄電池のみで利用できます。

太陽光発電設備と併用する場合、それぞれのパワーコンディショナーが必要ですが、太陽光発電設備のメーカーは気にせずに設置ができることがメリットです。

ハイブリッド型

ハイブリッド型は太陽光発電設備と蓄電池を1台のパワーコンディショナーで管理できます。太陽光発電設備と蓄電池の併用を考える方には、設置スペースと電力ロスがどちらも小さく済み、効率的な充電方式といえます。

トライブリッド型

トライブリット型は、蓄電池と太陽光に加え、電気自動車を併用したい方におすすめです。

このように、自家発電システムをどのように活用していきたいかによって、「負荷タイプ」と「充電方式」を選ぶ必要があります。分かりにくい場合は、自家発電システムや蓄電池のプロに、しっかりご相談することをおすすめします。

まとめ:家庭用蓄電池を購入するときは、蓄電池の特徴をチェックしよう

蓄電池、バッテリーにはさまざまな種類があり、その特徴によって適切な用途に使い分けられています。ご家庭に蓄電池の導入を考えるときは、種類と特徴をチェックしてみましょう。理想の使い方に合った蓄電池を選ぶことが大切です。

ミライでんちでは、家庭用の太陽光発電システムと蓄電池の購入、設置を承っております。種類、負荷タイプ、充電方式、メーカーまで、ご家庭に最適な設備のご提案が可能です。

ご相談は無料で承っております。蓄電池の導入をご検討の場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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