太陽光発電をソーラーカーポートに!メリット・デメリットや設置価格、補助金の情報を解説
「太陽光発電とカーポートの相性はいいの?」
「ソーラーカーポートの価格は?元は取れるの?」
昨今、さらなる太陽光発電の効率化を求め、ソーラーカーポートを検討する方が多いです。しかし、ソーラーカーポートは本当に効果があるのか、設置金額の相場はいくらなのか、気になる点が多いことでしょう。
本記事では、ソーラーカーポートを設置するメリット・デメリット、設置価格について解説します。ソーラーカーポートの補助金や初期費用の元が取れるのか、具体的にシミュレーションもおこなっているため、ぜひ参考にしてください。
目次
ソーラーカーポートとは?
ソーラーカーポートとは、カーポートと太陽光発電が組み合わさったものを指します。ソーラーカーポートには、以下の2種類があります。
名称 | 特徴 |
---|---|
太陽光発電一体型カーポート | ・カーポートの屋根が、太陽光発電と一体型になっているのが特徴 ・太陽光パネルの取り外しは不可 |
太陽光発電搭載型カーポート | ・カーポートの屋根に、太陽光発電を搭載しているのが特徴 ・太陽光パネルの取り外しが可能 |
ソーラーカーポートは、駐車場スペースの有効活用が可能です。駐車スペースの上空部分を利用しているため、ソーラーカーポート導入による圧迫感はありません。
ソーラーカーポートと太陽光発電を活用する4つのメリット
ソーラーカーポートは、住宅用の太陽光発電とは違ったメリットも存在します。特有のメリットを受けるために、住宅用の太陽光発電は導入せず、ソーラーカーポートのみ導入する方も少なくありません。
ソーラーカーポートならではのメリットを理解し、導入するべきか確認してみましょう。
ここでは、ソーラーカーポートと太陽光発電を活用するメリットについて、以下の4つを解説します。
- 住宅用太陽光発電と同等のメリットを受けられる
- 駐車場とスペースを共有できる
- 電気自動車との相性がよい
- 蓄電池との組み合わせで電力を自家消費にあてられる
①住宅用太陽光発電と同等のメリットを受けられる
ソーラーカーポートでも、住宅用の太陽光発電を導入するメリットと同等のメリットが受けられます。太陽光発電を導入するメリットは以下のとおりです。
- 家庭の電気代を削減できる
- 発電した電力を電力会社へ売電し、収益を得られる
- 災害時の非常用電源として活用できる
近年、特に電気代が高騰しているため、太陽光発電の導入により電気代削減の高い効果が期待できます。
太陽光発電のメリットについて、さらに詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
関連記事:太陽光発電で電気代は安くなるのか?詳しい節約効果や導入メリット、デメリットを解説!
②駐車場とスペースを共有できる
もともと自宅にある駐車場にソーラーカーポートを設置するため、あらためてスペースを確保する必要がありません。1つのスペースで、保有している自動車を守る効果と太陽光を発電する2つの効果が期待できます。
また、すでに住宅に太陽光発電を設置している方もソーラーカーポートを導入することで、電気代の削減や売電収入の効果が高まります。
自宅の駐車場にカーポートの導入を検討している方は、あわせてソーラーカーポートを検討してみるとよいでしょう。また、電気代の削減や売電収入を増やしたいと考えている方も、検討する余地があります。
③電気自動車との相性がよい
ソーラーカーポートから発電した電力を自家消費として活用する場合、電気自動車への充電が可能です。電気自動車へ充電する場合、専用の充電機器が必要であるため注意が必要です。
また、ソーラーカーポートとV2H機器を組み合わせると、さらに効率よく電気自動車へ充電ができます。
近年、街中の電気自動車の充電スポットが増えていますが、いまだに少ないです。自宅のソーラーカーポートで発電した電力を電気自動車に充電できれば、充電スポットが少ない問題も解決できます。
今後、電気自動車の購入予定がある方、または保有している方はソーラーカーポートの導入も検討してみてください。
④蓄電池との組み合わせで電力を自家消費にあてられる
蓄電池との組み合わせにより、発電した電力を好きなタイミングで活用できます。太陽光発電のみでは、自家消費しきれなかった余剰電力がムダになってしまいます。
しかし、蓄電池を導入すると余剰電力の蓄電ができるため、家庭での電力活用や電気自動車の充電が可能です。また、蓄電池は災害時の非常用電源としても活用できます。
蓄電池について詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてください。
関連記事:
蓄電池のメリット・デメリットは?うまく活用して魅力を最大化しよう
V2Hと蓄電池の併用がおすすめの理由!蓄電池なしの効果も解説
ソーラーカーポートを設置するデメリットと対策
ソーラーカーポートには住宅用の太陽光発電にはない、特有のデメリットが存在します。デメリットを把握する前に導入してしまうと、導入後に後悔してしまう可能性があるため、本記事で予習し、対策しておきましょう。
ここでは、ソーラーカーポートのデメリットについて以下の4つを解説します。
- 初期費用・メンテナンス費用がかかる
- 建築確認申請が必要
- 設置環境によって発電量が異なる
- 固定資産税がかかる場合がある
①初期費用・メンテナンス費用がかかる
ソーラーカーポートは、住宅用の太陽光発電と同様に初期費用がかかります。車2台分の駐車場の広さで初期費用は「200万円」前後です。
また、初期費用以外にも定期点検や設備交換など、メンテナンス費用もかかります。効率的に発電したい、高い性能を維持したいと考えている方は、定期的なメンテナンスが必須です。
しかし、ソーラーカーポートでは、日中に発電した電力を家庭の電力にあてられたり、売電収入を得られたり、初期費用の回収対策は可能です。太陽光発電システムの性能と予算からシミュレーションをおこない、長い期間を前提に初期費用を回収しましょう。
②建築確認申請が必要
ソーラーカーポートは太陽光パネルの下に駐車場があるため、建築物に当てはまります。したがって、建築基準法の対象になり、導入する際は「建築確認申請」が必要です。
また、条件によっては「特殊建築物」として扱われる場合もあります。ここで言う特殊建築物とは、以下のケースを指します。
引用:環境省『ソーラーカーポートの導入と注意点について|5.「特殊建築物について』
- 不特定多数の人の用途に供する建築物
- 火災発生のおそれまたは火災荷重が大きい
- 周囲に及ぼす衛生上または環境上の影響が大きい建築物
正しく建築確認申請してソーラーカーポートを導入してください。建築確認申請について、不明点がある場合は専門家や工事業者に尋ねてみるとよいです。
③設置環境によって発電量が異なる
ソーラーカーポートの向きや屋根の角度によって発電量が異なる可能性があります。
また、事前に周辺の建築物を確認しておきましょう。周辺環境を確認せず、ソーラーカーポートを設置してしまうと、想定よりも大幅に発電量が低下してしまう可能性があります。
専門家や工事業者との打ち合わせで、周辺環境の確認や発電量のシミュレーションなど、入念におこなってください。
④固定資産税がかかる場合がある
条件によっては、ソーラーカーポートに固定資産税がかかる場合があります。基本的に、固定資産税がかかる条件は以下のとおりです。
- 建築物に屋根がある
- 建築物の基礎が地面に固定されている
- 三方向以上の壁で覆われている
- 居住、または作業ができる空間がある
上記の条件がすべて揃うと、固定資産税の対象です。
また、太陽光パネルは10kW以上の容量を設置すると、固定資産税の対象になります。
しかし、一般的な住宅には10kW以上のソーラーカーポート、太陽光発電は導入されません。そのため、太陽光パネルの導入に際して、固定資産税の心配をする必要はないでしょう。
ソーラーカーポートの初期費用は?種類別で相場を解説
ソーラーカーポートの初期費用の相場は「200万円」前後です。しかし、初期費用はソーラーカーポートの設置面積によって、大きく変化するため注意が必要です。
ここでは、ソーラーカーポートの種類、設置面積による具体的な初期費用を表でまとめました。
駐車場2台分の費用相場 | 駐車場3台分の費用相場 | |
---|---|---|
太陽光発電一体型カーポート | 180〜240万円 | 250〜300万円 |
太陽光発電搭載型カーポート | 約210万円前後 | 約280万円前後 |
上記の表から、駐車場2〜3台分のソーラーカーポートは180〜300万円の初期費用と分かります。ソーラーカーポート導入時の参考にしてください。
ソーラーカーポートの補助金は受け取れる?
環境省は、令和5年度にソーラーカーポートの導入を促進するために「再生可能エネルギー事業者支援事業費補助金の公募開始」をしました。
令和5年度分の補助金の公募はすでに終了していますが、令和6年度も引き続き補助金の公募をするかもしれません。来年度から、ソーラーカーポートの導入を検討している方は、補助金が受け取れるか確認してください。
参考:環境省『再生可能エネルギー事業者支援事業費(駐車場を活用した太陽光発電設備(ソーラーカーポート)の導入を行う事業)補助金の公募開始』
【実質無料?】ソーラーカーポートの発電量から何年で元が取れるのか検証
ここでは、以下の条件からソーラーカーポートの初期費用が何年で元が取れるかシミュレーションします。
- 2台分の駐車場のソーラーカーポートから期待できる発電量「4.5kW」
- 太陽光発電の1kWあたりの年間の平均発電量「1,000kWh」
- 1世帯あたり年間エネルギー消費量「4,258kWh」
- 1世帯あたり年間の電気代の支払い金額「10.6万円」
2台分の駐車場のソーラーカーポートの年間発電量を計算すると、
4.5kW×1,000kWh=「4,500kWh」
年間で「4,500kWh」の発電量が期待できます。このシミュレーションによれば、1世帯あたりの年間エネルギー消費量、電気代の支払い金額を上回る発電が可能です。
しかし、あくまでもシミュレーションであるため、参考程度に覚えておきましょう。設置する場所や環境によって、発電量は変化するので注意してください。
参考:家庭でのエネルギー消費量について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査
まとめ:ソーラーカーポートの導入時は念入りにシミュレーションを
ソーラーカーポートは、自宅の自動車を守る役割や家庭の電気代削減に貢献する役割を併せ持っています。一方で、高額な初期費用がかかったり、建築確認申請が必要だったり、ソーラーカーポートならではのデメリットも存在しています。
実際に導入する際は、必ず専門家と一緒に念入りなシミュレーションをおこないましょう。事前のシミュレーションをおこなわなければ、期待していた発電量を下回る可能性があるので注意してください。
ミライでんちでは太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活をご提案しております。
太陽光発電、蓄電池の導入に際しては、補助金の活用方法についても無料でアドバイスをおこなっているため、お気軽にお問い合わせください。