電気自動車を蓄電池代わりにするメリットとデメリットとは?V2H対応車種もランキングで紹介
「電気自動車って家庭用蓄電池の代わりになるの?」
電気自動車は、蓄電池として大きな役割を果たします。家庭用蓄電池よりも大きなバッテリーを持つ電気自動車なら、停電時にも安心して生活できるでしょう。
しかし、電気自動車を蓄電池代わりにする場合には、V2H対応の車種を選ばなければなりません。
この記事では、電気自動車を蓄電池代わりにするメリット・デメリットやV2H対応車種について解説します。記事の最後には、電気自動車の蓄電容量ランキングTOP5も紹介しています。ぜひ、電気自動車を購入する際のご参考にしてください。
目次
電気自動車を蓄電池代わりにするメリット
電気自動車を蓄電池として活用すると災害時の停電や日常生活の電力補助など、みなさんの家庭にとって非常に大きな役割を果たしてくれます。
ここでは、電気自動車を蓄電池代わりに活用するメリットについて、以下の3点を解説します。
- 停電の緊急時、電気が使用可能
- 家庭の電気代を節約できる
- 購入時に補助金が出る
①停電の緊急時、電気が使用可能
停電時でも電気自動車があれば、バッテリーを蓄電池代わりとして使用可能です。家庭の照明や電化製品など、一時的に電気が使用できます。
また、家庭用蓄電池の容量が4.0kWh〜16.6kWh程度に対し、電気自動車は40kWh程度で家庭用の蓄電池より大容量です。
②家庭の電気代を節約できる
電気自動車に充電された電力を活用すれば、家庭の電気代を節約できます。また、太陽光発電の再生可能エネルギーとの組み合わせや夜間電力プランを活用すると、安い電力で充電が可能です(※)。
太陽光発電と夜間電力プランは、お互いのデメリットを補い合えるので非常におすすめの組み合わせです。すでに蓄電池、太陽光発電を設置している方は以下の記事をあわせて参考にしてください。
関連記事:「深夜電力(夜間電力)とは?蓄電池の利用で節電し安くなる方法を解説!」
(※)夜間電力プランとは、深夜の電気使用料金を、電力需要の高い昼間よりも安く設定する電力料金プランのことです。電力会社やプランによっては、昼間の電気料金が上がるデメリットもあります。
③購入時に補助金が出る
実は、電気自動車の購入には補助金が受けられる可能性があります。条件を満たしたうえで期間内に補助金の申請をすれば、国や地方自治体から補助金を受けられます。
以下に2023年4月以降に電気自動車を新車で購入した場合、国から受けられる補助金とその条件をまとめました。
電気自動車 | 上限85万円 |
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電気軽自動車 | 上限55万円 |
条件 | ・期間内に新車を購入・購入した電気自動車の一定期間保有(原則4年間) |
申請期間 | ・4月1日〜4月30日までの初度登録の場合、5月31日まで・5月1日以降の初度登録の場合、初度登録から1ヵ月以内 |
参考:経済産業省『令和4年度補正予算「クリーンエネルギー自動車導入促進補助金」』
なお、地方自治体の補助金との併用もできます。各自治体で、上限額や条件が異なるので注意しましょう。電気自動車の補助金制度を理解し、上手に活用してください。
電気自動車を購入するデメリット
電気自動車はデメリットもあり、日本国内での普及率が低いのが現状です。しかし、対策を取ることでデメリットの軽減も可能です。ここでは、電気自動車のデメリットと対策について、以下の3つを解説します。
- 初期費用が高い
- 電気自動車の充電に時間がかかる
- 充電スペースが限られている
①初期費用が高い
電気自動車の購入価格は、ガソリン車よりも高い傾向にあります。一般的に蓄電容量40kWhの電気自動車であれば、車両の本体価格は約315〜403万円です。しかし、長期的に見ると燃料費やメンテナンス費、家庭の電気代の節約ができ、購入しても十分に採算が取れるでしょう。
②電気自動車の充電に時間がかかる
電気自動車の充電には、時間がかかるという課題があります。普通充電設備の場合、フル充電するために8〜16時間必要とされています(※1)。しかし、急速充電設備の場合には、約30分で蓄電池の80%程度まで充電可能です(※2)。
(※1)普通充電設備は、自宅や職場、宿泊施設などに多く設置されています。出力は3kW〜6kWです。
(※2)急速充電設備は、高速道路や長距離移動が多い路線に多く設置されています。出力は10kW〜150kWです。
③充電スペースが限られている
電気自動車の充電スペースは年々増えていますが、まだまだ少ないのが現状です。しかし、自宅での充電設備を整えたり、公共の充電スペースの位置を事前に調査したりすることで対策が可能です。
近年では、商業施設やコンビニなどにも充電スペースが増えています。
電気自動車を蓄電池の代わりに!V2H対応車種を紹介
電気自動車を蓄電池代わりにするためには、V2H対応の車種を選択する必要があります。V2Hとは、「ビークルトゥホーム(Vehicle to Home)」の略称で、電気自動車の電力を家に送るための設備です。台風や自然災害が増えているなか、停電対策として非常に注目されています。
電気自動車の電力を送るためには、V2H対応の設備や電気自動車を購入する必要があるので注意しておきましょう。ここでは、V2H対応の日本車の特徴や価格帯を表にまとめました。
また、外車では「メルセデス・ベンツ」や「ヒョンデ」がV2H対応の電気自動車を発売しています。
車種名 | 価格帯 | 公式ホームページ | 特徴 |
トヨタ プリウスPHEV | 460万円 | トヨタ公式ホームページ | ・充電が満タンでの走行距離 約68km・蓄電容量 8.8kWh・燃費消費率 約30km |
トヨタ MIRAI | 710〜860万円 | トヨタ公式ホームページ | ・充電が満タンでの走行距離 約750km〜850km(グレードによって異なる)・蓄電容量 9kWh |
トヨタ bZ4X | リース契約専用 | トヨタ公式ホームページ | ・充電が満タンでの走行距離 約500km・蓄電容量 71.4kWh |
日産 リーフ | 408.1〜464.2万円 | 日産公式ホームページ | ・充電が満タンでの走行距離約320km〜550km(グレードによって異なる)・蓄電容量 40kWh、60kWh |
日産 サクラ | 254.8〜304万円 | 日産公式ホームページ | ・充電が満タンでの走行距離180km・蓄電容量 20kWh |
日産 アリア | 539万円〜 | 日産公式ホームページ | 充電が満タンでの走行距離 470km・蓄電容量 66kWh(「B6」グレードの詳細を表記) |
スバル ソクテラ | 594〜682万円 | スバル公式ホームページ | ・充電が満タンでの走行距離487km〜567km・蓄電容量 71.4kWh |
電気自動車の蓄電容量ランキングTOP5
停電時、蓄電容量が多ければ多いほど安心して電気を使用できるでしょう。
ここでは、上記で紹介した中で電気自動車の蓄電容量ランキングTOP5を紹介します。
順位 | 車種 | 新車価格 | 蓄電容量 |
1位 | スバル ソルテラ | 594万円〜682万円 | 71.4kWh |
2位 | トヨタ bZ4X | リース契約専用 | 71.4kWh |
3位 | 日産 アリア | 539万円〜 | 66kWh |
4位 | 日産 リーフ | 408.1万円〜464.2万円 | 40kWh、60kWh |
5位 | 日産 サクラ | 254.8〜304万円 | 20kWh |
一般的に、蓄電容量が増えると新車価格も上がります。しかし、補助金制度の活用や長期的なランニングコスト、家庭の電気代削減まで考慮すると十分に採算が取れるでしょう。
ご自身の予算・条件に合った最適な電気自動車を探してみてください。
【まとめ】蓄電池代わりに予算に合った電気自動車購入の検討を!
電気自動車を蓄電池代わりにすることで、停電時の対策や家庭の電気代の節約が期待できます。本記事で解説した条件を踏まえて、ご自身の予算やライフスタイルに合わせて電気自動車の購入を検討しましょう。
また、太陽光発電や夜間プランとの組み合わせにより、長期的な電気代の節約が実現可能です。専門家と一緒に導入を検討すれば、みなさんのお悩みや不安がすぐに解消できるでしょう。
ミライでんちでは、太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活をご提案しております。
蓄電池導入に際しての補助金の活用方法についても無料でアドバイスをおこなっておりますので、お気軽にお問合せください。