太陽光パネルの発電量の目安は?計算方法や実際のシミュレーションを紹介
「太陽光パネルの発電量は、どれくらいなの?」
「うちの家はどこに太陽光パネルをおいたら、よく発電するかな?」
太陽光パネルの購入を考えているなら、これらは最初に気になる問題でしょう。売電収入を期待しているのであれば、なおさらのことです。売電収入を計算するには、発電量を知っておく必要があります。
この記事では、太陽光パネル1kWの発電量や太陽光パネルをどこに置けば効率的に発電できるかなどを詳しく解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
太陽光パネル1kWの発電量は1日あたり「約2.7kWh」が目安
太陽光パネルは、昼間の日照時間にのみ発電が行われるため、24時間を通しての発電は期待できません。設置容量1kWの太陽光パネルについて、年間発電量は「約1,000kWh」とされています。
これを365日で割ると、1日あたりの発電量は「約2.7kWh」となります。
太陽光パネル1kWの年間発電量は「約1,000kWh」
太陽光パネルのシステム容量が1kWの場合、年間の発電量は「約1,000kWh」とされています。この数値は、太陽光パネルを水平に対して30度の角度で傾け、「真南」に向けて設置した場合の計算例として示されています。
しかし、実際の発電量は地域や太陽電池の方位、傾斜角度によって変動する点には注意しておきましょう。
【ちなみに】太陽光パネル1枚あたりでは「約540Wh」
1日あたりの発電量が約2.7kWhとした場合、太陽光パネル1枚あたりの発電量は「約540Wh」となります。この数値は、1kWの太陽光パネルの発電量をもとにした概算であり、実際の発電量は設置条件や天候によって変動することが考えられます。
【注意】太陽光パネルの発電量は地域や季節によっても異なる
太陽光パネルの発電量は、地域や季節によって異なります。地域による発電量の違いは、環境省のデータによっても明らかになっていますし、季節でいうと「夏が一番発電するのでは?」と思いきや、高温によりパネルの効率が低下することがあります。
地域別の発電量
太陽光パネルは、地域が違えば発電量は異なります。下記は、環境省が出している「都道府県庁所在地の地域別発電量係数」です。
上記の表を見ると、日射量が多い地域ほど、多く発電する傾向にあるということがわかります。
例えば、全国で最も年平均日射量が高い甲府市(山梨県)の年間予想発電量は、1kWあたり「1,339kWh」です。それに対して、最も年平均日射量が低い秋田県秋田市の年間予想発電量は1kWあたり「1,095kWh」となっており、その差がわかります。
同じ地域内でも地形や方角、周囲の環境が違えば日射量は変わります。よって上記の表は、あくまで目安として考えましょう。
季節別の発電量
太陽光パネルは、季節によっても発電量が変わります。
- 春:日照時間が増え、気温も適度なため、良好な発電条件
- 夏:日照時間が長い一方で、高温によりパネルの効率が低下することがある
- 秋:秋も春と同様に適度な気温と日照時間で、安定した発電が期待できる
- 冬:冬は日照時間が短く、特に雪の多い地域では発電量が大きく減少することがある
四季にわけた発電量の特徴は、上記のとおりです。
またデータによると「夏よりも、5月の春先から初夏にかけての方が多く発電する」ということも確認できます。
太陽光パネルの発電量と売電収入を計算するための方法とは?
太陽光パネルの発電量と売電収入を計算するための方法を紹介します。以下の内容を読んでいただければ、自分で発電量と売電収入の計算ができます。
しかし、売電量はさまざまな要因によって上下するので、正確な数字を出したい方は、ぜひ専門家にお願いしましょう。
ミライでんちは、太陽光パネルの発電量と売電収入のシミュレーションもおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。
発電量を計算する
太陽光パネルの発電量は、以下の要因によって決まります。
- 日当たりの良さ:家の位置や地域によって変わる
- 発電システムのサイズ(容量):太陽光パネルの容量はkWで表され、補助金や見積もりの基準となる
- 発電システムの性能:太陽光を効率よく電気に変える能力のこと
太陽光パネル1kWの年間の発電量目安が「1,000kWh」です。これを参考にすれば、例えば太陽光パネル5kWの場合は年間発電量「5,000kWh」と計算できます。
売電割合にそって売電量を決める
住宅用の太陽光パネルは、家庭で使いきれずに余った電気がFITの買取対象となります。これを余剰売電といいます。売電収入を増やすためには、発電した電気を余らせることが重要です。通常、発電した電気の「68.8%」が売電対象となります。
先ほど算出された「5,000kWh」に売電割合68.8%をかけると、「3,440kWh」が売電量になります。
売電量に売電価格を乗じる
売電収入は、売電する電気の量とFIT(固定価格買取制度)で決まった売電価格によって計算されます。2023年度のFITの売電単価は「16円/kWh」です。
先ほど算出された「3,440kWh」に「16円/kWh」をかけると、売電収入は「55,040円」 です。
太陽光パネルを導入した場合の売電収入シミュレーションを紹介!
- 2023年度の売電単価(FIT単価)は1kWhあたり「約16円」(10kW未満)
- 平均的な年間発電量は、太陽光パネルの容量1kWにつき「1,000kWh」
- 売電割合68.8%
上記の条件をもとに、太陽光パネルの容量が「5kWh」の場合と「9kWh」の場合で、年間売電収入を計算してみましょう。
太陽光パネルの容量 | 年間発電量 | 年間売電量 | 年間売電収入 |
---|---|---|---|
5kWh | 5,000kWh (※1) | 3,440Wh (※2) | 55,040円 (※3) |
9kWh | 9,000kWh (※4) | 6,192Wh (※5) | 99,072円 (※6) |
5kWhの場合の計算式は、以下のとおりです。
(※1)年間発電量 = 1,000kWh × 5 = 5,000kWh
(※2)年間売電量 = 5,000kWh × 68.8% = 3,440kWh
(※3)年間売電収入 = 3,440kWh × 16円 = 55,040円
また、9kWhの場合の計算式は、以下のとおりです。
(※4)年間発電量 = 1,000kWh × 9 = 9,000kWh
(※5)年間売電量 = 9,000kWh × 68.8% = 6,192kWh
(※6)年間売電収入 = 6,192Wh × 16円 = 99,072円
FIT価格が適応している間、5kWhの場合の年間売電収入は「55,040円」、9kWhの場合は「99,072円」になります。
一方で卒FIT後には、売電価格は大幅に下がる傾向にあり、上記のような売電収入を見込めないということは頭に入れておきましょう。
関連記事:【2023年版】太陽光発電の売電価格は?11年目以降のおすすめの対策方法も解説
太陽光パネルで発電量を高めるための4つのポイントとは?
太陽光発電の発電量を最大化するためには、4つの要因を考慮する必要があります。
適切な方角や角度の選定、最適な設置場所の選択、そして太陽電池モジュールの品質と性能は、発電効率を大きく左右します。以下では、太陽光パネルの発電量を高めるための4つの主要なポイントについて詳しく解説していきましょう。
- 方角
- 角度
- 場所
- 発電性能
①方角
太陽電池を設置する方位によって、太陽電池モジュールに当たる日射量が変わり、それにともなって発電量も変わります。「南向き」が最も発電量が高くなる方向とされているのです。
また、北面の屋根に設置する場合は、発電出力が他の方位に比べて少なくなります。また条件によっては、太陽電池モジュールの反射光が近隣へ影響を与える可能性があるので、注意が必要です。
②角度
設置角度によっても発電量は大きく変わります。東京の場合、1年を通じて最も日射量が大きくなる条件は、「真南」の方位で「約30度」の傾斜角度のときです。
③場所
場所の選定も発電量に影響を与えます。太陽光パネルを設置するときは、周りの建物や植物などによって1日を通して影ができないかどうかも確認してください。
④発電性能
太陽光パネルは、経年劣化していく商品であり、徐々に発電量は低下していきます。「買ったら終わり」ではなく、定期点検やメンテナンスを都度おこなう必要があります。太陽光パネルを選ぶときは、万が一の故障に備えて、長期保証があるサービスを選ぶとよいでしょう。
まとめ:太陽光パネルの発電量は工夫次第で高められる!
太陽光パネルは、設置する方向や角度、選ぶ場所、そして太陽光パネル自体の品質や性能が発電効率に大きく影響します。特に「南向き」の方位と「約30度」の傾斜角度は、発電量を最大化するための理想的な条件なので、覚えておきましょう。
しかし、太陽光パネルに必要な専門的知識が多く、すべてを覚えるのは難しいのが現実でしょう。このような場合には、太陽光パネルの専門家である業者に相談するのがおすすめです。
ミライでんちでは太陽光パネルや蓄電池といった再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活をご提案しております。
蓄電池導入に際しての補助金の活用方法についても無料でアドバイスをおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。