太陽光発電のリースとは?メリット・デメリット、月々の料金について解説
太陽光発電システムは、通常購入やリース契約など、さまざまな方法で導入可能です。そのなかでもリース契約は、太陽光発電を導入する予算がない方でも検討できる契約方法のひとつとなります。
本記事では、太陽光リース契約のメリットやデメリット、月々の支払い料金について解説します。太陽光発電の初期費用が高く、導入を見送っていた方はぜひ参考にしてください。
目次
太陽光発電のリースとは?PPAモデルやローンとの違い
リースとは、高額な太陽光発電の設備をリース会社に代わりに購入してもらい、その設備を借りる形式で利用できる仕組みです。毎月固定の料金を支払うだけで、太陽光発電を導入し自宅で活用できます。ここでは、PPAモデルやローンとリースの具体的な違いについて、解説します。
PPAモデルとの違い
リースとPPAモデルとの違いは電力使用の自由度や料金の支払い、設備の所有者などさまざまです。以下にリース契約とPPAモデルの違いを表でまとめています。
名称 | 初期費用 | 料金形態 | 余剰電力の活用 | 設備の所有権 |
---|---|---|---|---|
PPAモデル | 0円 | 電力の使用量で異なる | 売電は不可能 | 契約終了後は、契約者に移行される |
リース | 0円 | 毎月固定の料金がかかる | 自家消費と売電にあてられる | 契約終了後は、契約者に移行される |
リース契約とPPAモデルの主な違いは、「料金形態」です。PPAモデルとは、日本語になおすと「電力購入契約」です。PPAモデルを契約した場合、太陽光で発電された電力を使用した分のみの電気料金を支払います。
一方、リース契約での料金形態は、毎月固定の料金を支払う形態です。毎月の支払いは「1万円以上」のケースが多く、決して安くはない金額を支払う必要があります。
ローンとの違い
ローンとリースのもっとも大きな違いは、設備の所有権です。ローン契約で太陽光発電を導入した場合、はじめから太陽光発電設備の所有権が契約者にあります。そのため、太陽光発電の売却タイミングやローンの返済方法は、契約者の自由です。
リース契約では、初期費用を負担しない代わりに長期間、固定のリース料金の支払いをする必要があります。リースの契約期間は一般的に「10年以上」と長く、中途解約もむずかしい点がデメリットです。
しかし、高額の初期費用を用意せずに導入できたり、メンテナンス費用は事業者が負担してくれたり、家庭の経済面に優しいメリットを兼ね備えています。
太陽光発電システムの所有権にこだわりがなく、初期費用の用意が難しい方は、リース契約を検討してみてください。
その他にも太陽光発電を無料で設置できる方法がありますので、くわしく知りたい方は下記の記事もあわせて参考にしてください。
関連記事:太陽光パネルは無料で設置可能?0円ソーラーのからくりについて解説
太陽光発電をリース契約する3つのメリット
リース契約を活用すれば、初期費用の用意がむずかしい方でも太陽光発電を導入可能です。特に、費用面に関する高い効果が期待できますので、導入前にメリットを確認しておきましょう。ここでは、太陽光発電をリース契約するメリットを3つご紹介します。
- 初期費用なしで導入できる
- 売電収入をリース費用にあてられる
- 法人の場合、リース費用を経費にできる
①初期費用なしで導入できる
初期費用を用意できない場合でも、太陽光発電を導入できる点がリース契約の最大の魅力です。一般的に、通常購入した場合の太陽光発電の設置費用は「112〜140万円」かかります。決して安くなく、簡単に用意できる金額ではありません。導入のために融資を受けた場合、住宅ローンを支払う影響も心配です。
しかし、リース契約であれば、設備の初期費用や設置工事の費用をリース業者が負担してくれます。契約期間中は設備の所有権がリース会社にありますが、日常的な利用の面では特に影響はありません。通常購入したケースと同様、自家消費にあてられたり、売電にあてたりできます。
初期費用を用意するのが難しい方は、太陽光リースを検討してみてください。
②売電収入をリース費用にあてられる
PPAモデルと違い、リース契約なら太陽光発電から売電収入を得られます。売電収入をリース費用の補填にまわせば、実質的な負担額を抑えられます。もちろん、発電した電力の使い道は自由であるため、自家消費にあてて節電するのもよいでしょう。
太陽光発電の導入により、自家消費や売電収入で期待できる効果については、下記の記事を参考にしてください。
関連記事:太陽光発電で電気代は安くなるのか?詳しい節約効果や導入メリット、デメリットを解説!
③法人の場合、リース費用を経費にできる
法人が太陽光発電を導入する場合は、毎月のリース料金を経費として計上可能です。費用を経費に計上できれば支払う税金が減少するため、節税の面からみてもメリットといえるでしょう。しかし、設備を購入した場合は初期費用の全額ではなく、減価償却費分しか経費にできない点は、注意が必要です。
また、毎月の支払額も一定であるため、ランニングコストの把握もしやすいメリットがあります。太陽光発電の導入を事業としておこなっている場合、必ず会計処理が発生します。そのため、不定期な支払いよりも固定の支払いの方が簡易的です。
太陽光発電をリース契約する3つのデメリット
リース契約は初期費用が抑えられる点はとても魅力ですが、費用全体に視点を置くと多額の資金が必要です。そのため、「初期費用が無料」のメリットのみを判断材料とせず、デメリットまで把握してから導入しましょう。
ここでは、太陽光発電をリース契約するデメリットを3つ紹介します。
- リース契約期間が10年以上と長く、途中解約がしづらい
- リース契約による総費用は通常と比べて割高になる
- 導入後のメンテナンス費用がかかる場合がある
①リース契約期間が10年以上と長く、途中解約がしづらい
太陽光発電のリース契約の期間は基本的に「10年以上」と長いです。毎月の支払額は一定ではありますが、10年以上その金額が支払えるか、よくシミュレーションをしておく必要があります。
また、原則として中途解約ができない点も大きなデメリットです。もし解約をする場合は、残高の一括払いかつ、撤去費用や解約料金を支払う必要があります。
太陽光発電は長期運用が基本であるため、中途解約の可能性が高い場合は、リース契約を避けた方がよいでしょう。また、初期費用が抑えられる分、トラブル時の対応のために多めに資金を残しておくのもひとつの選択肢です。
②リース契約による総費用は通常と比べて割高になる
リース契約は初期費用はかからないものの、総費用で比較すると割高になるケースが多いです。リース費用のなかには、以下のさまざまな費用が含まれています。
- リース会社への手数料
- 固定資産税
- 返済金利
- 設備に対する保険料
しかし、支払総額が増えたとしても一時的な出費を抑えられる点は大きなメリットです。実際にリース契約をする際は、総額の支払いがいくらになるかチェックしておきましょう。
③導入後のメンテナンス費用がかかる場合がある
月々のリース料金には、メンテナンス費用が含まれていないケースもあります。その場合、太陽光発電の異常やメンテナンスにかかる費用は契約者側が負担するため、事前に事業者に確認しておきましょう。
費用がかかる理由で、メンテナンスを怠ると太陽光発電の寿命が縮む可能性もあるため注意が必要です。メンテナンス費用まで見込んだ、余裕をもった資金運用をしてください。
なお、太陽光発電の寿命とメンテナンス方法については、下記記事でくわしく解説しています。
関連記事:太陽光発電に寿命はある?実際の寿命と正しいメンテナンス方法を解説
【気になるポイント】太陽光リースの月額料金の相場は1万円以上
太陽光リースの料金の目安は1ヵ月あたり「1万円以上」です。契約するリース業者によって料金は異なりますが、太陽光発電の規模だったり、設置環境が特殊であったりすると、支払う金額も増加します。
最適なプランを見つけるために、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。見積もりを依頼する際は、特に下記のポイントをチェックしてください。
- リース料金の費用の内訳
- 契約期間中の保証やサービス内容
- 契約期間満了後の撤去費用
- 途中解約時の違約金
導入後に後悔しないためにも料金の安さだけでなく、サービスや保証内容も比較しましょう。
まとめ:予算とライフスタイルを考慮して太陽光リースを契約しよう
予算が限られている方でもリース契約を活用すれば、初期費用を抑えて、太陽光発電を導入できます。初期費用をかけず、太陽光発電の余剰電力を自家消費できたり、売電できたりする点は大きなメリットです。
しかし、リースの契約期間は10年以上と長く途中解約も難しいため、無理のない範囲で利用しましょう。実際に導入する際は複数の業者に見積もりを依頼し、長期間の支払いが可能か、入念にシミュレーションをおこなってください。
なお、ミライでんちでは、太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活をご提案しております。
太陽光発電、蓄電池の導入に際しては、補助金の活用方法についても無料でアドバイスをおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。