ハイブリッド型蓄電池とは?メリット・デメリット、おすすめのメーカーと価格を紹介
ハイブリッド型蓄電池は太陽光発電設備と併用することで、効率的に電力の自家消費と蓄電ができる蓄電池です。
ただし、単機能型よりも導入コストが高くなる傾向にあるため、決断するための材料が必要でしょう。
本記事では、ハイブリッド型蓄電池の特徴とメリット・デメリットを解説しており、ハイブリッド型蓄電池導入時の参考にできます。
さらに、おすすめのメーカーと製品も紹介していますので、製品選びの参考にしてみてください。
【本記事のサマリー】 ・ハイブリッド型蓄電池は太陽光発電と併用することで大きな効果を発揮する ・ハイブリッド型蓄電池は単機能型と比べて性能が高い分、導入コストが高いハイブリッド型蓄電池を導入する際は、国や自治体の補助金の活用がおすすめ |
目次
ハイブリッド型蓄電池とは?
ハイブリッド型蓄電池とは、太陽光発電設備のパワーコンディショナー(パワコン)に置き換えて使用できる蓄電池です。
太陽光発電設備のパワコンには、発電した直流電気を家庭で使える交流電気へ変換する役割をもちます。
ハイブリッド型蓄電池は、太陽光発電設備の役割を担いながら電力を蓄電することが可能です。
これに対して単機能型蓄電池の場合、太陽光発電設備に追加する際は、太陽光発電設備と蓄電池のパワコン2台が必要なため、設置費用とスペースを消費します。
このようにハイブリッド型蓄電池は、太陽光発電と併用する場合に大きな効力を発揮します。
ハイブリッド型と単機能型蓄電池の違い
ハイブリッド型と単機能型蓄電池は、電気の変換能力だけでなく下記のような違いがあります。
- ハイブリッド型の方が価格が高い
- ハイブリッド型の方が変換ロスが少ない(充電効率がよい)
- ハイブリッド型の方が停電時の出力が高い
ハイブリッド型蓄電池は、太陽光発電設備で作られた電力を無駄にする量が少ないため、効率的な電力の自給自足が可能です。
さらに停電時の出力も高い製品が多いため、災害時の備えとしても万全といえます。
上記の違いから、太陽光発電設備と併用して「電気の自給自足」と「防災」を目指すなら、ハイブリッド型蓄電池がおすすめです。
ハイブリッド型蓄電池のメリットからわかる特徴
ハイブリッド型蓄電池のメリットは、大きく分けて次の3つです。
- 変換ロスが少なく蓄電効率が高い
- 停電時の出力が高い
- 屋内設置型もある
メリットを理解すると、太陽光発電設備との併用に適していることがわかります。
変換ロスが少なく蓄電効率が高い
ハイブリッド型蓄電池は、単機能型よりも変換ロスが少なく済みます。
太陽光発電で発電した電力を家庭で使う際、直流電気から交流電気へ変換しますが、蓄電池に貯める際には再び直流電気にする必要があります。
変換される電力量は、100%に近いほうが変換効率が高く、変換ロスが少ない状態です。
単機能型蓄電池は太陽光発電と併用する際、太陽光設備と蓄電池それぞれのパワコンをとおります。
このとき、太陽光発電で発電された電力が減ってしまい、変換ロスが増えるのです。
これに対しハイブリッド型は、蓄電池のパワコン1台で電力を変換できるため、変換ロスを少なく抑えられるのです。
ただし、ハイブリッド型蓄電池でも既設の太陽光発電設備のメーカーどうしの相性によっては、変換ロスが高くなる場合があります。
そのため導入の際は、販売店にメーカーの相性を確認してもらうのが最適です。
停電時の出力が高い
ハイブリッド型蓄電池は、単機能型に比べて停電時の出力が高い製品が多い傾向にあります。
したがって、停電時でもいつもどおりの生活を送れるため、安心です。
屋内設置型もある
ハイブリッド型蓄電池には、屋内設置型の製品があります。
屋内に設置できると、寒冷地や海岸沿いでも利用できるため、日本全国どこでも設置が可能です。
外部環境の影響を受けない分、蓄電池の劣化を防げるため、寿命も長持ちします。
ハイブリッド型蓄電池のデメリット
ハイブリッド型蓄電池のデメリットは、次の3つです。
- 単機能型よりも価格が高め
- 蓄電容量が比較的少ない製品が多い
- 太陽光発電設備のメーカーと相性の良し悪しがある
特に既設の太陽光発電設備がある場合は、注意が必要です。
デメリットを理解して、ご自宅に合ったハイブリッド型蓄電池を選べるようになりましょう。
単機能型よりも価格が高め
ハイブリッド型蓄電池は、単機能型よりも価格が高い傾向があります。
さらに、太陽光発電との併用が基本となるため、新設される場合はより費用がかさみます。
導入費用を安く抑えるには、ハイブリッド型蓄電池の導入時には、国や自治体の補助金の活用がおすすめです。
蓄電容量が比較的小さい製品が多い
ハイブリッド型蓄電池は、蓄電容量が比較的小さい製品が多い傾向にあります。
これは、太陽光発電で発電した電力を効率的に消費するのが大きな役割で、蓄電より消費にフォーカスされて作られているためです。
一般的には、7kWh前後の製品が主流となっていますが、近年は大容量タイプも出てきています。
蓄電池は容量が大きければよいのではなく、生活スタイルに合ったものを選ぶのが大切です。
導入前に販売店で相談し、適切な蓄電容量を確認するのがおすすめです。
太陽光発電設備のメーカーと相性の良し悪しがある
ハイブリッド型蓄電池は、太陽光発電との併用が理想ですが、太陽光発電設備のメーカーとの相性によっては変換ロスが増えるデメリットがあります。
そのため、導入時はメーカーの相性を確認するのが大切です。
ミライでんちでは、既設の太陽光発電設備のメーカーに合ったハイブリッド型蓄電池を紹介できますので、お気軽にお問い合わせください。
ハイブリッド型蓄電池がおすすめの人
ハイブリッド型蓄電池は、特徴やメリット、デメリットを踏まえると、下記の方におすすめです。
- 新築住宅の購入時に、太陽光発電とあわせて導入したい人
- 既設の太陽光発電設備のパワコンが寿命で替えどきの人
なお、太陽光発電設備を設置せず、蓄電池のみで災害に備えたい方には単機能型蓄電池をおすすめします。
ハイブリッド型蓄電池のおすすめメーカーと価格
ここでは、ハイブリッド型蓄電池のおすすめメーカー8選と価格について紹介します。
- ニチコン
- オムロン
- シャープ
- パナソニック
- 京セラ
- 長州産業
- トヨタ
- DMM.make smart
ミライでんちで取り扱っている製品もありますので、気になるものがありましたら、お気軽にお問い合わせください。
ニチコンのハイブリッド型蓄電池
ニチコンのハイブリッド型蓄電池「ESS-H2L1」の特徴は、12.0kWhという業界最大クラスの蓄電容量です。
停電時は5.9kVAまでの家電を使用できるので、普段と変わらない生活を送れます。
型番 | ESS-H2L1 |
価格 | 4,200,000円(定価) |
蓄電容量 | 12.0kWh |
負荷タイプ | 全負荷 |
オムロンのハイブリッド型蓄電池
オムロンのハイブリッド型蓄電池「KP-BU164-S」の最大の特徴は、生活スタイルに合わせて構成を変えられるマルチ蓄電プラットフォームです。
蓄電容量は6.3~16.4kWhのうち5種類あり、オプションの付加によって下記の3つのシステムを構成できます。
- 単機能蓄電システム(既設の太陽光発電設備にあと付けできる)
- ハイブリッド型蓄電システム(太陽光発電設備と蓄電池を同時に導入できる)
- 全負荷対応型ハイブリッド蓄電システム(太陽光発電設備と蓄電池を同時に導入できる)
型番 | KP-BU164-S |
価格 | 5,830,000円(定価) |
蓄電容量 | 16.4kWh |
負荷タイプ | 全負荷 |
「選べる」が大きな魅力のオムロンのラインナップには、他にも「住・産共用フレキシブル蓄電システム KPAC-Bシリーズ」と「完全自家消費対応産業用蓄電システム KPBP-B」といった、顧客のニーズに柔軟に応えるものがあります。
シャープのハイブリッド型蓄電池
シャープのハイブリッド型蓄電池「JH-WB2021」は、シャープ製HEMS「COCORO ENERGY」と連携できます。
これにより、住宅のエネルギー情報が見える化されるとともに、AIによるエネルギーマネジメントが可能になります。
型番 | JH-WB2021 |
価格 | 4,496,250円(定価)2,079,000円(ミライでんち特別価格) |
蓄電容量 | 9.5kWh |
負荷タイプ | 特定負荷全負荷 |
パナソニックのハイブリッド型蓄電池
パナソニックのハイブリッド型蓄電池「LJB1156」は、パナソニック独自の「創蓄連携システムR」に対応しています。
これは、既設の太陽光発電設備のパワコンを取り換えずにあと付け可能になるシステムで、設置工事の手間とコストを削減可能です。
既設の太陽光発電設備は、パナソニックだけではなくシャープや京セラ、三菱、TOSHIBAといった他のメーカーでも設置が可能です。
ミライでんちでは、他のメーカーとの互換性についても確認できますので、お気軽にお問い合わせください。
型番 | LJB1156 |
価格 | 1,710,000円(定価) |
蓄電容量 | 5.6kWh |
負荷タイプ | 特定負荷 |
京セラのハイブリッド型蓄電池
京セラのハイブリッド型蓄電池「EGS-LM0500」の大きな特徴は、クレイ型リチウムイオン蓄電池の性能により、一般的な蓄電池よりも5年以上長く使える長寿命な点です。
通常、蓄電池の寿命は10~15年といわれているので、京セラの蓄電池は15~20年使えるといえます。
型番 | EGS-LM0500 |
価格 | 2,635,000円(定価) |
蓄電容量 | 5.0kWh |
負荷タイプ | 特定負荷全負荷 |
長州産業のハイブリッド型蓄電池
長州産業のハイブリッド型蓄電池「CB-LKT70A」は、一般的な蓄電池と同レベルの7.04kWhの蓄電容量を有しますが、蓄電池ユニットを連結することで2倍の14.08kWhまで増幅させられます。
標準で15年間の長期保証がついているため、万が一の故障の際も安心です。
型番 | CB-LKT70A |
価格 | 3,102,000円(定価) |
蓄電容量 | 7.04kWh |
負荷タイプ | 特定負荷全負荷 |
トヨタのハイブリッド型蓄電池
トヨタのハイブリッド型蓄電池「UHDS10S-D-B」は、住宅用蓄電池システム「おうち給電システム」に組み込まれた蓄電池です。
トヨタの「おうち給電システム」は、トヨタの自動車技術を駆使して作られた蓄電池とパワコンを既設の太陽光発電設備と連携でき、さらに電気自動車への給電が可能です。
トヨタの「防災給電」対応車にお乗りの方は、ご自宅への導入を検討されてみてはいかがでしょうか。
型番 | UHDS10S-D-B |
価格 | オープン価格 |
蓄電容量 | 8.7kWh |
負荷タイプ | 全負荷 |
DMM.make smartのハイブリッド型蓄電池
DMM.make smartのハイブリッド型蓄電池は、5・10・15kWhの3タイプあり、大きな特徴は20年間の有償延長保証です。
蓄電池の寿命は10〜15年といわれていますが、それよりも長持ちした際にも保証を受けられるため安心です。
型番 | 4.95-5-DM |
価格 | オープン価格 |
蓄電容量 | 5kWh |
負荷タイプ | 特定負荷全負荷 |
ハイブリッド型蓄電池に使える補助金
ハイブリッド型蓄電池には、国と自治体の補助金が使える場合があります。
【ハイブリッド型蓄電池の導入に使える国の補助金】
- こどもエコすまい支援事業
- DR補助金(電力需給ひっ迫等に活用可能な家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業)
蓄電池の補助金についてくわしく知りたい場合は、下記の記事をご覧ください。
関連記事:「蓄電池の補助金制度は打ち切り?国や地方自治体の制度を確認しよう」
【まとめ】ハイブリッド型蓄電池と太陽光発電の併用で電気代を節約!
ハイブリッド型蓄電池は、太陽光発電と併用することで家庭の電力を効率的に消費し、電気代の節約に大きな効果を発揮します。
ただし、単機能型蓄電池よりも導入コストが割高なため、すぐに導入を決断するのは難しいでしょう。
そのため、ハイブリッド型蓄電池の導入の際には、国や自治体の補助金の活用をおすすめします。
ミライでんちでは、既設の太陽光発電設備に合った製品の紹介とともに、補助金についても相談いただけます。
ご自宅に合ったハイブリッド型蓄電池を予算内で導入したい方は、ぜひ一度お問い合わせください。