蓄電池はお得なのか?お得になる人・損をする人の違いをシミュレーション付きで解説
蓄電池を検討する際、「結局、蓄電池はお得なの?」「損をするって本当?」といった疑問を抱く方は多くいらっしゃいます。
結論から述べると、蓄電池は設置費用がかかるものの、長期的なメリットが豊富です。電気代の高騰が問題視されるなか、自宅に蓄電池を設置していれば、電気を効率的に使用できます。
そこで、この記事では蓄電池はお得なのか、どんなメリットがあるのかについて紹介します。蓄電池でお得になる人・損をする人の違いも解説するので、設置を検討している方はぜひ最後までご覧ください。
目次
蓄電池はお得?後悔する・やめたほうがいいは本当か
蓄電池に対して、一部「後悔する」「やめたほうがいい」といったネガティブな声が存在します。確かに蓄電池は設置に費用がかかるため「本当に設置すべきか、お得になるのか」と不安になるのは当然です。
しかし、蓄電池は電気を効率的に使用できる装置であり、長期的にみると多くのメリットを得られます。
実際に、蓄電池の設置数は近年増加傾向にあります。以下は、一般社団法人 日本電機工業会の蓄電システム業務専門委員会に参加する企業16社の出荷実績の集計結果です。
蓄電池が普及している背景には、自然災害が起こった際の対策や電気代の節約などを重要視する家庭が増えていることが挙げられます。また、蓄電池の低価格化が進んだことで、一般家庭でも手が届きやすくなった、という要因もあります。
蓄電池は長期的にお得かつメリットが大きい
蓄電池は長期的にお得、かつメリットが大きい設備です。毎月の電気代を節約できるのはもちろんのこと、災害時のトラブルに備えられる点も多くの家庭が求める大きな理由の1つでしょう。
以下では「蓄電池はお得」と言える理由について詳しく紹介していきます。
夜間の電力を蓄電池に貯めて使うことで電気代を節約できる
蓄電池は使わない電力を貯めておける設備です。そのため、安く使用できる夜間の電力を蓄電池に貯めて使うことで、電気代を節約できます。
例えば、東京電力では夜間の使用電力が多い方向けに「夜トクプラン」を提供しています。以下のように、昼間よりも夜間の料金のほうが圧倒的にお得です。
詳細な時間帯や価格帯は電力会社によって異なりますが、午後11時から翌朝7時までを深夜電力として設定し、電気を安く提供しています。
夜間の電気を貯めておけば昼間でも夜間料金の電気を使用できるため、大幅な節約になります。
夜間電力について詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
余剰電力を売電できる
太陽光発電を設置している、または蓄電池と併用(ダブル発電)しているという場合は、余剰電力を売電できます。また太陽光発電を導入してから10年間は、FIT制度によって売電価格を一定額保証してもらえます。
2023年度の価格は1kWhあたり16円(10kW未満の場合)と高値ではないものの、電力の有効活用という点ではメリットといえるでしょう。
一方、蓄電池を設置している場合は、FIT期間終了後は売電よりも家庭で電力を消費する「自家消費」のほうがお得です。蓄電池に電力を貯めて家庭用電力として使用できるため、FIT制度終了後も長期的に活用できます。
災害時の停電に備えられる
蓄電池を設置するメリットとして、災害時の停電に備えられることも挙げられます。
一般家庭の年間消費電力量は4,258kWhとされており、1日あたりの消費量は11〜12kWh。一方、家庭用蓄電池の容量は、一般的なもので5kWh〜7kWh、少し大きいものであれば10kWhとなります。
つまり、災害時に停電になっても約1日は問題なく電気を使えるのです。災害時の「停電から復旧までの日数」は1日以内が圧倒的に多く、長くても2日以内に復旧することから、蓄電池があれば災害時も安心して過ごせる、ということになります。
【シミュレーション】蓄電池でどれくらいお得になる?
「実際どのくらいの効果が期待できるの?」「蓄電池は何年で元が取れるの?」と不安に抱く方もいるでしょう。そこで以下では、あくまで試算ではあるものの、蓄電池でどれくらいお得になるのかをシミュレーションしていきます。
蓄電池のみの場合
蓄電池のみの場合、夜間の安い電気を貯めて日中に使えば、以下のようにお得になります(東京電力・夜トク8プランの場合)。
料金 | 通常 | 蓄電池使用(夜トクプラン) |
1kWhあたり | 40円69銭 | 31円84銭 |
月間(355kWh想定) | 14,444円95銭 | 11,303円2銭 |
蓄電池で夜間の電力を効率的に使えば、約3,141円(14,444円95銭-11,303円2銭)の節約になります。年間では約37,692円、蓄電池の平均寿命15年なら約565,380円もお得です!
※蓄電池の工事費用等は考慮しない
太陽光発電と併用する場合
蓄電池を最大限活用するなら、太陽光発電との併用がおすすめです。
料金 | 通常 | 蓄電池使用(夜トクプラン) |
1kWhあたり | 40円69銭 | 31円84銭 |
月間(355kWh想定) | 14,444円95銭 | 11,303円2銭 |
太陽光発電 | – | 月間 83kWh※ |
上記のシミュレーションをもとに算出すると、太陽光発電で賄える月の電気代は約2,643円(以下端数切捨て)。「11,303円-2,643円=8,660円」となり、通常よりも月間5,784円、年間69,408円もお得になります。
蓄電池でお得になる人・損をする人の違いは?
「蓄電池はお得!」と述べてきましたが、蓄電池を設置しても損をする人が一部存在します。お得になる人・損をする人の違いを理解し、設置後に後悔をしないようにしましょう。
太陽光発電と併用(ダブル発電)しているかどうか
蓄電池でお得になる人の特徴は、太陽光発電と併用(ダブル発電)していることです。蓄電池だけでも電気代の節約効果が期待できますが、太陽光発電と併用すれば、先ほどシミュレーションしたとおり電気代を大幅に下げられます。
オール電化かどうか
「オール電化かどうか」という点では、いずれも損ではありません。
オール電化は家庭で消費するエネルギーがすべて電気のため、ガス併用の家庭と比べて毎月の電気代が高くなりがちです。しかし、太陽光発電や蓄電池を活用することで電気代を抑えられます。
一方で、「毎月のガス代よりもオール電化による電気代のほうが高い」という家庭は、オール電化を導入しないほうがお得です。
【補足】蓄電池の設置・工事費用が相場以上だと損をする
蓄電池の設置・工事費用が相場以上だと、結果的に損をしてしまいます。とくに、蓄電池の工事費用は業者によって異なるため、複数社から見積もりをとって比較・検討することが大切です。
ちなみに、蓄電池の工事費用は20万円〜30万円が相場です(別途、蓄電池の製品費用)。工事費用は時間・場所・配線タイプなどで異なる場合があるため、事前に費用や見積もりの内訳などを確認して、損をしないよう注意しましょう。
「蓄電池はお得か」に関するよくある質問
「蓄電池はお得か」に関するよくある質問に回答します。蓄電池の設置を検討しているものの、疑問や不安がある方はぜひ最後までご覧ください。不安を解消できるはずです。
蓄電池は元が取れないって本当?
稀に「蓄電池は元が取れない」という声を耳にします。そもそも蓄電池は「毎月〇万円プラスになる」というものではないため、意気込みすぎると導入後にギャップを感じるかもしれません。
とはいえ、蓄電池は太陽光発電と併用したり、夜間電力を効率的に使用したりすることで、毎月の家計負担を軽減できます。うまく活用すれば、蓄電池で元を取ることは可能です。
蓄電池で元をとる方法を詳しく知りたい方は以下の記事も参考にしてみてください。
「蓄電池では電気代が安くならない」の真相は?
一部「蓄電池では電気代が安くならない」という声があります。しかし、真相は蓄電池をうまく活用できていないからです。
蓄電池をうまく活用すれば、電気代が上がる・安くならないということはありません。売電もしくは自家消費によって、毎月電気代の節約効果を実感できます。
蓄電池12kWhの電気代はいくら?
蓄電池容量が12kWhの場合の電気代をシミュレーションしてみましょう。
東京電力では、2023年6月1日以降以降の電気料金が1kWhあたり40円69銭(月間電気使用量 300kWh以上)となっています。そのため、12kWhの電気代は488円28銭です。
12kWhは一般家庭で1日に消費する電力量なので、月間(30日)にすると14,646円8銭。太陽光発電で賄うことができれば、試算額がそのままお得になります。
【まとめ】蓄電池でお得に暮らしたいならミライでんちにご相談ください
蓄電池を活用すれば、毎月の電気代・光熱費を節約できます。「蓄電池は損をする」という事実はありません。
一方で、電力をより有効活用したい・お得にしたい、という場合は太陽光発電との併用がおすすめです。天候や消費電力量によっては、1日の大半の電力を賄えるケースもあります。
弊社ミライでんちでは太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活をご提案しております。
蓄電池による具体的な効果や、導入に際しての補助金の活用方法についても無料でアドバイスをおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。