お役立ちコラム

更新日:2024年5月24日

蓄電池と消防法|家族を守るために知っておくべき基準・点検・疑問を解消

蓄電池について

消防法は蓄電池を設置するうえで関わりが深い法律です。蓄電池が持つ危険性から守る法律ですが、突然法律の話が出て不安に感じる方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、蓄電池と消防法について以下を解説しています。

  • なぜ蓄電池は消防法の対象なのか
  • 消防法が定めることは何か
  • 定期的な点検は義務なのか

この記事を読めば、どのように蓄電池を扱えばよいかが理解でき、蓄電池があっても安全安心な生活ができるようになります。蓄電池の導入を考えている方はぜひ参考にしてください。

 

消防法とは?蓄電池との関係性

消防法とは、火災の予防及び消火活動に関する法律で、火災の発生を防ぐための規制や指導を定めています。蓄電池は熱を持ちやすく火災の原因となる電気を扱っている特性上、不適切な取り扱いや管理が原因で発火する可能性があるため、消防法の対象となっています。

火災の危険性があるものは消防法に該当する

蓄電池以外にも、身近に消防法が該当する商品があります。それは消毒用のアルコールです。アルコールはアルコールランプやお酒のフランベで火がつくように、可燃性の液体です。

市販されているものは、消防法に該当しないよう濃度や可燃性を抑えた加工をしているため、比較的安全に使用できるよう施されています。

車のガソリンも危険物に該当するため、ガソリンを運ぶトラックやガソリンスタンドでは消防法に基づいた構造や設備の設置が義務付けられています。

また、鉛やリチウムイオンを使用したバッテリーは発火する可能性や事故が多く、消防法に該当しています。

蓄電池は適切な管理が必要

蓄電池は電気エネルギーを蓄える装置で、適切な管理がなされないと発熱や発火のリスクがあります。そのため、定期的な点検やメンテナンス、設置基準を満たした設置場所が必要です。

特に、蓄電池の充電状態や温度管理は重要で、これらが不適切な状態になると発火のリスクが高まります。

 

消防法で定められた蓄電池の設置基準

消防法では、蓄電池の設置に関して一定の基準が定められています。以下5つを解説しますので、蓄電池を設置する方は必ず確認してください。

  • 蓄電池の容量により届出が変わる
  • 防火・耐酸性がある素材を使用
  • 熱が逃げるよう壁から離し通気性を確保
  • 屋外設置型は壁から3m以上確保
  • JIS C4412等に適合した蓄電池

蓄電池の容量により届出が変わる

蓄電池の容量は、Ah-cellまたはKWhで表示されます。

2023年6月現在、蓄電池は4800Ah/セル相当の17.76KWhを基準に、家庭用、中小企業用、中大企業用に分類されています。20KWhを超える蓄電池は消防法の対象となり、スプリンクラーや離隔距離が必要となります。

一般的に販売されている家庭用蓄電池は17.76KWh以下で製造されているため、家庭用として購入する場合は規制の対象外です。

20KWh以上の蓄電池の購入を検討されている方は、家庭用蓄電池に比べて消防法の常用範囲が拡大されるため、非常に多くの届出書類の提出が必要となります。

防火・耐酸性がある素材を使用

家庭用蓄電池は発火の恐れがあるため、防火の備えが必要ということはお気づきでしょう。蓄電池を設置する場合、電気を通す壁や床、ケーブルやダクトも耐火性のあるものにする必要があります。

また、蓄電池を設置する床も耐酸性である必要があります。蓄電池には電気を蓄えるために、イオン性物質を溶かした液体である電解液が含まれています。

この電解液は酸性であるため、万が一落下したり、何らかの損傷を受けたりしても液が漏れないように対処が必要です。

熱が逃げるよう壁から離し通気性を確保

蓄電池は使用中に発熱するため、壁から一定の距離を確保し、通気性を確保することが重要です。これにより、蓄電池の過熱を防ぎ、安全に使用することが可能となります。

リチウムイオンが使われたモバイルバッテリーが発火した事例でも、ポケットの中に入れていたために熱を逃がせなかったことが原因でした。

特に夏場は注意が必要です。直射日光が当たらず熱がこもりにくい場所に設置しましょう。

屋外設置型は壁から3m以上確保

屋外での蓄電池設置においては、壁から3m以上の距離を確保することが求められます。これは、万が一の発火時に火災が拡大するのを防ぐための措置です。

近年は豪雨による冠水などの水害が多発しています。水害が起こりやすい地域では設置床を高くし水に触れないような対策を講じてください。

また、屋外設置の場合は、地震や日光から蓄電池を守るために屋根や堅牢や設置床も必要です。

JIS C4412等に適合した蓄電池

消防法では、蓄電池の安全性を確保するために、JIS C4412などの規格に適合した製品を使用することが求められています。

これらの規格は、蓄電池の性能や安全性に関する基準を定めています。構造や素材などが適合基準になるため、詳細を確認するのは非常に難しいです。

製品情報にはJISに適合している機種であると記載されているため、製品情報の詳細にてJIS C4412が記載されているか確認しましょう。

 

蓄電池は定期的な点検とその報告が必要

リチウムイオンを使用した家庭用蓄電池については、検査・報告義務はありません。ただし、鉛蓄電池、非常用電源、容量が20KWhを超える蓄電池は検査とその報告が必要です。

家庭用蓄電池の検査項目は、検査が必要な項目と大きな違いはないので、覚えておいて損はないでしょう。ここでは、点検が必要な蓄電池の点検項目と、点検に必要な資格について紹介します。

点検事項

資格や専門知識がなくてもできる点検項目は以下の通りです。

  • 外観の損傷
  • 設置状況の確認
  • 換気状況
  • ファンフィルターの清掃
  • 日光や雨に当たっていないかの確認
  • 動作確認

もし異常が見つかった場合には、すぐに専門業者へ連絡してください。また、家庭用蓄電池の点検は義務ではありませんが、定期的に電圧や電解液の比重などの点検によって長持ちできるようになります。

点検に必要な資格

電気事業法の視点では無資格でも問題ありません。しかし、蓄電池は消防法に適用されているため、消防法に関する資格が必要です。

消防法では蓄電池設備整備資格と消防設備点検資格などが点検者に必要な資格となります。蓄電池を設置する業者には資格保有者が在籍していますので、点検したい方は問い合わせてみましょう。

 

蓄電池に関してよくある質問

蓄電池に関して2点のよくある質問への回答を紹介します。

  • 4800Ah(アンペアアワー)ってどれくらい?
  • なぜリチウムイオン蓄電池が消防法に含まれている?

4800Ah(アンペアアワー)ってどれくらい?

Ahは時間あたりの電流容量をいいます。1時間に10Aの電気を使うと10Ahとなり、4800AhをKWhに換算すると17.76kwhとなり、家庭用蓄電池の最大容量が17.76KWhに設定されています。

オール電化の住宅で5人家族が1日あたりに使用する電力の平均は約15kwhと言われているので、4800Ahの蓄電池が満充電されていれば、丸一日不自由なく電気が使える容量です。

なぜリチウムイオン蓄電池が消防法に含まれている?

リチウムイオン蓄電池に含まれている電解液は可燃性であり、危険物第4類第2石油類に指定されています。

東京消防庁の発表では、令和元年にリチウムイオン電池を使用した製品による発火や火災事例は約100件あり、取り扱いの注意を呼びかけています。

家庭用蓄電池でも、熱による発火でぼやが起きた事例も報告されているため、取り扱いに注意が必要なものであると理解しましょう。

 

【まとめ】安全な生活のために知識経験が豊富な業者を利用しよう!

生活の安全を守るためには、消防法に則った蓄電池の適切な管理・使用が重要です。

そのため、蓄電池の設置や管理には、消防法や蓄電池に関する豊富な知識と経験を持つ業者を利用することをおすすめします。そうすることで、安全性を確保し、蓄電池を最大限に活用することができます。

また、定期的な点検やメンテナンスを行うことで、蓄電池の寿命を延ばし、効率的な運用につなげ、ランニングコストの低減につなげられます。

ミライでんちが提供する蓄電池は、1年に1回の定期点検を実施していますので、設置後も安心して蓄電池をお使いいただけます。

また、蓄電池の設置については、消防法令に精通したスタッフが、お客様にご理解いただけるまでご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

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