エコキュートに蓄電池はいる?併用のメリット、デメリット・補助金・価格など解説
「エコキュートって蓄電池と一緒に設置するべき?」「なんでエコキュートとセットがいいの?」このように感じている方は多いのではないでしょうか。
エコキュートは電気によって湯を沸かすため、蓄電池や太陽光などを活用しないと消費電力が大きく、電気代が高額になりやすいです。
そのほかにも性質上エコキュートは蓄電池と相性がよい点が多く、蓄電池との導入がおすすめされています。
【本記事のサマリー】 ・エコキュートの沸騰にかかる電気を、蓄電池がカバーできる ・エコキュートの唯一のデメリットは高額な初期費用 ・蓄電池とエコキュートは、それぞれ国や自治体から補助金をもらおう |
記事後半には太陽光発電システムとの関係性についても触れています。また、新機種であるおひさまエコキュートについても気になる方は、最後までこの記事を読んでください。
目次
蓄電池とエコキュートの関係性は?
「蓄電池にはエコキュートがおすすめ」といった言葉を目にしたことはありませんか?
蓄電池とエコキュートは、エコキュートの性質から蓄電池との相性が良く、エコキュートのみよりも光熱費の削減が期待できます。
この項では以下について解説します。
- エコキュートって?
- なぜ蓄電池で光熱費が安くなるのか
基礎知識を得られれば、その後の内容がすんなりと入ってきますので、ぜひご覧ください。
エコキュートって?
エコキュートとは、ヒートポンプ技術を用いた給湯機です。ガスや灯油を使用せず、電気でお湯を沸かす電気ポットのような機能を持っています。
タンク内にお湯を溜めて置けるので、深夜帯の電気料金が安い時間にお湯を沸かし、日中に夜間沸かしたお湯を使用する仕組みによって電気代を安く抑えられるようになります。
なぜ蓄電池で光熱費が安くなるの?
蓄電池を使って光熱費を削減する仕組みは、以下のようになります。
- 蓄電池は太陽光発電などから得られる電力を貯める
- 蓄電池に充電した電力を利用してエコキュートを稼働させる
- 深夜帯の電気料金が安い時間にお湯を沸かす
- 日中にそれを利用する
つまり、電気料金が安い時間帯に蓄電池を充電し、昼間の高料金帯にお湯を使用することで、光熱費を抑えることができるのです。
エコキュートのデメリットとして挙げられるのが、お湯がなくなってしまう点です。お湯が無くなれば再沸騰が必要ですので、電気代が高い時間でも稼働しなければなりません。
電気ポットの消費電力が平均1kW程度ですので、何十リットルもの水を沸かすとなると、非常に多くの電気を使用してしまいます。
エコキュートは元々夜間の時間帯の電気を使用する構造になっているので、日中での沸騰を蓄電池で賄うことで光熱費を抑えられるという仕組みです。
エコキュートと蓄電池連携のメリット・デメリット
エコキュートと蓄電池の連携にはメリットとデメリットが存在し、以下が代表的です。
- メリット:停電時でもお湯を使える
- デメリット:初期費用が高い
それぞれ導入を検討する方にとっては重要な情報ですので、よく目を通しておきましょう。
メリット:停電時でもお湯を使える
エコキュートのデメリットとして、停電時にお湯が使えないという問題があります。タンク内に残っているお湯は使用できますが、「温度調整ができない」「無くなったら追加できない」「温度が下がっていく」といった課題もあるため、やはり電気の供給は欠かせません。
そこで蓄電池が活躍します。蓄電池があることでエコキュートの電源が確保できるので、上記に挙げたデメリットを解消できます。
再沸騰は消費電力が大きいため、蓄電池の電気がなくなってしまう可能性がありますが、太陽光発電が備わっていれば継続した電気供給が可能です。
停電時のオール電化住宅では、エコキュートのみならず停電の備えとして蓄電池は活躍してくれます。
デメリット:初期費用が高い
エコキュートは家庭用だと平均して100万円程度であり、蓄電池と同時の導入だとかなりの予算を考える必要があります。
蓄電池の価格は容量や機能によって大きく異なり、安価なものでは100万円程度ですが、高額なものになると500万円ほどの機種代金がかかるため、気軽に手が出せる商品ではありません。
エコキュートの他のデメリットとしては以下が挙げられます。
- 運転音が騒音問題につながる
- お湯が切れると再沸騰までお湯が使えない・温度が下がる
- 飲用水に適していない
エコキュートは夜間の稼働がメインになるので、住宅密集エリアでは運転音が反響し近隣住民との騒音問題に発展する可能性があります。また、この騒音問題は蓄電池にも言えることですので設置場所や住宅の立地によっては注意が必要です。
エコキュートと蓄電池の価格
エコキュートと蓄電池はそれぞれの価格だけでも車が買えてしまうほど高額な商品です。エコキュートに関しては機能によって30万円程度の価格差ですが、蓄電池の価格は機能や容量によって大きな幅があります。
以下の項にて、容量別の価格やメーカーの価格差を紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
メーカー・容量で価格が大きく違う
まずは蓄電池の価格から見ていきましょう。以下の表をご覧ください。
メーカー | 容量 | 金額 |
ニチコン | 4.1kWh | ¥998,000 |
11.1kWh | ¥3,200,000 | |
16.6kWh | ¥4,000,000 | |
SHARP | 4.2kWh | ¥2,688,980 |
6.5kWh | ¥3,436,950 | |
9.5kWh | ¥4,496,250 | |
オムロン | 6.5kWh | ¥2,660,000 |
9.8kWh | ¥3,487,000 | |
16.4kWh | ¥5,830,000 |
関連記事:【2024年最新版】家庭用蓄電池の価格相場を徹底比較!メーカーや蓄電容量、機能別で一挙紹介!
上記はメーカーと容量のみに焦点を当てているので、機能やタイプが統一されていませんが、容量によって大きく価格に差があることがわかります。
また、太陽光がなく、オール電化住宅の場合は家庭での消費電力が大きいために大容量の蓄電池が必要です。
ではエコキュートの価格を見てみましょう。
メーカー | 容量 | 価格 |
ダイキン | 370L | ¥1,150,000 |
460L | ¥1,270,000 | |
パナソニック | 300L | ¥900,000 |
三菱電機 | 370L | ¥1,050,000 |
460L | ¥1,140,000 | |
550L | ¥1,200,000 |
エコキュートは一般家庭用だとどのメーカーも100万円以上の価格設定です。上記の価格は一番機能が少ない機種を選抜したため、機能性も求めると150万円以上の価格になります。
設置工費は30〜50万円
エコキュート・蓄電池共に設置工事は30万円〜50万円程度が一般的です。業者によっては機種価格に工費がセットで含まれている場合もあるので、見積もり段階で追加費用がかかるのか事前に聞いておきましょう。
また、業者によってエコキュート+蓄電池のセット販売を行っています。その方が工費は割安になっている場合も多いので、複数の業者に見積もりしてもらうことをおすすめします。
太陽光発電システムも合わせるといくら?
蓄電池とエコキュートの組み合わせでは、灯油やガスの料金は減らせても、電気代をなくすことはできません、使い方によっては電気料金が上がったという声も見かけます。
太陽光パネルも合わせて設置すれば、日中に発電した電気を蓄電池に貯めておけるだけでなく、エコキュートの稼働にも電気を供給できます。
太陽光発電システムの取り付け相場が5kWで130万円程度なので、蓄電池を6.5kWhとして計算すると、約400万円となり、エコキュートを合わせると500万円程度の費用になります。
エコキュート・蓄電池・太陽光発電システムの補助金は?
エコキュート・蓄電池・太陽光発電の設置は、それぞれ補助金制度がありますが、必ず給付を受けられるわけではありません。
補助金は毎年予算が決められており、予算の上限に達した時点で終了してしまうからです。また、自治体によっては補助金を設けていないところもあります。
そのためこの項では、補助金の給付を受けられる想定で以下を解説しています。
- 蓄電池は国と自治体の併用が可能
- エコキュートはこどもエコすまい支援事業の対象
- 太陽光発電システムの補助金
蓄電池は国と自治体の併用が可能
蓄電池は環境保全やエネルギー問題の観点から、国や自治体から補助金が支給されます。
支給額は毎年変動しており、2023年は蓄電池の容量1hWhあたりDR補助金が32,000円、DER補助金が27,000円となっています。
例えば7kWhの蓄電池を設置したとすれば、支給額は413,000円です。ただし、国の予算組みの範囲内でしか補助金は支給されないため、必ずもらえるとは限らないので注意してください。
また、自治体でも補助金を支給しています。国の施策よりも充実している場合は多く、例えば東京都だと蓄電池の1kWhあたり150,000円が支給されます。(※1)
国と自治体の補助金は併用して給付を受けられるので、東京都だと最大150万円(※2)ほどになります。デメリットの一つである初期費用を軽減するために最大限活用しましょう。
(※1)参考:家庭における蓄電池導入促進事・業実施要綱|東京都
(※2)参考:クール・ネット東京
関連記事:蓄電池の補助金制度は打ち切り?国や地方自治体の制度を確認しよう
エコキュートはこどもエコすまい支援事業の対象
『こどもエコすまい支援事業』とは、子育て世帯、若者夫婦世帯を対象に定められた基準を満たす新築住宅や機器に、補助金を支援する国土交通省が行っている事業です。
2023年のエコキュート設置は1台あたり5万円の給付が受けられます。
ただし、こちらも蓄電池と同様に予算内での給付になるため、上限に達した時点で給付が終了してしまいます。2023年7月時点では、予算の残りが約30%ですので、今年中に給付を受けたい方は早めの購入と申請をしましょう。
以下のサイトで補助金の推移を確認できます。
太陽光発電システムの補助金
太陽光発電システムの補助金は、2014年以降国からの支給は行われていません。しかし、太陽光は自治体で補助金の申請が可能です。
東京都では1kWあたり約120,000円の給付を行っています。5kWの太陽光設置にかかる金額が約130万円ですから、補助金が充実しているとわかります。
蓄電池やエコキュートと合わせて太陽光の設置を検討している方は、まずはお住まいの自治体が補助金を支給しているか確認してください。
おひさまエコキュートとエコキュートの違い|太陽光発電に最適なのは?
おひさまエコキュートは、その名の通り太陽のエネルギーを使って給湯するエコキュートです。
通常のエコキュートは電気代が安い夜間時間を使って給湯しますが、おひさまエコキュートは日中に太陽光が発電した電気を使用します。
エコキュートはヒートポンプという方式を用いてお湯を沸かします。これは外気の空気熱を使用するため、気温が高い日中の方が熱効率が良いといわれています。
実際におひさまエコキュートの方が、夜間に稼働するエコキュートに比べて消費電力が少ないデータもありました。
太陽光発電との相性が非常に高いため、太陽光の設置を検討している方はおひさまエコキュートをおすすめします。
【まとめ】エコキュートと蓄電池は補助金を活用してさらにお得を目指そう
エコキュートと蓄電池はそれぞれ国と自治体から補助金が支給されます。どちらも高額な商品ですので、少しでも初期費用を抑えるために活用しましょう。
ミライでんちでは太陽光発電や蓄電池といった再生可能エネルギーを活用した、電気を自給自足できる生活をご提案しております。
蓄電池導入に際しての補助金の活用方法についても無料でアドバイスをおこなっておりますので、お気軽にお問い合わせください。