ポータブル蓄電池とは?家庭用蓄電池との違いや、メリット・デメリットを解説
ポータブル蓄電池とは、場所を選ばず、いつでも手軽に使用できる蓄電池のことです。重量も軽いため、女性や高齢の方でも扱いやすく、利便性に優れています。
しかし、ポータブル蓄電池にはメリットだけではなく、デメリットもあるため、比較した上で購入を検討しなければいけません。本記事ではポータブル蓄電池を詳しく紹介します。メリットやデメリットも合わせて紹介するので、ぜひ参考にしてください。
ポータブル蓄電池とは:家庭用との違いを確認する
ポータブル蓄電池は、充電した電気を持ち運んで家電などへ供給する機器で、ポータブル電源とも呼ばれます。通常は使いたい家電を機器の出力端子に接続します。住宅の分電盤へ接続する定置型の家庭用蓄電池とは、設置方法と電気を供給する範囲が異なります。
持ち運び用と家全体の停電対策は別
ポータブル型は工事なしで個別の機器へ給電しやすい一方、家の回路全体を自動でバックアップするとは限りません。定置型は設置工事が必要で、全負荷/特定負荷など製品構成によって停電時に使える範囲が変わります。家庭のコンセントへ逆向きに給電するなど、メーカーが認めていない接続は行わないでください。
容量Whと定格出力Wは違う
容量Whは蓄えられる電力量、定格出力Wは同時に供給できる電力の目安です。容量が大きくても出力不足なら家電を動かせません。モーターを使う機器は起動時の電力も確認します。500Whで100Wの機器を動かす場合、単純計算は500Wh÷100W=5時間ですが、変換損失や使用条件により実際は短くなります。
ポータブル蓄電池のメリット
ポータブル蓄電池のメリットは、持ち運び自由ですぐに使用できる点だけではありません。
ポータブル蓄電池のメリット
- 設置工事費を抑えられる
- 家の中ではどこでもコンセント代わりになる
- 緊急時に役立つ
- アウトドアやレジャーで活躍する
それぞれのメリットを以下で詳しく解説します。
①設置工事費を抑えられる
ポータブル蓄電池は工事が必要なく、本体価格もリーズナブルなため、導入コストが抑えられるのがメリットです。
定置型は住宅への接続工事が必要です。ポータブル型とは容量や供給範囲が異なるため、本体・必要な付属品・工事を含め、目的に合う構成の見積もりで比較してください。
ポータブル型でも本体や必要な対応パネルの購入費がかかります。低価格だけで判断せず、使いたい機器への出力と必要な容量を満たすか確認しましょう。
②家の中ではどこでもコンセント代わりになる
多くの端末を使用してコンセントの空きがない場合や大人数家族の場合は、コンセントの確保が難しいこともあるでしょう。しかし、ポータブル蓄電池があれば、どこでもコンセント代わりになります。
コンセントが使えなくて充電できなかったり、家電が利用できなかったりなどのトラブルも避けられます。
③緊急時に役立つ
ポータブル蓄電池が1台あると、いざというときに役立ちます。ポータブル蓄電池は家庭用蓄電池と比べると容量が少なめですが、スマホやパソコンなどの充電であれば問題なくできます。
必要な容量と出力に合う機器なら、停電時の一時的な給電に利用できます。小型家電でも消費電力が大きい場合があるため、家電と電源の仕様を確認してください。
④アウトドアやレジャーで活躍する
ポータブル蓄電池は持ち運びが自由で、いつでも使用できるのが大きな魅力です。
近年ではキャンプを楽しんでいる方が増えています。アウトドアやレジャーなどの外出時でも自由に使用できるため、いつものキャンプも快適なものになるでしょう。
ポータブル蓄電池のデメリット
ポータブル蓄電池には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。
ポータブル蓄電池のデメリット
- 容量が小さい
- 充電が切れると使えない
- 水に弱い
- 定格出力によっては使用できないケースがある
- 安全性がそこまで高くないものも
メリットとデメリットを比較した上で、ポータブル蓄電池の購入を検討しましょう。
①容量が小さい
必要な容量と出力は家電ごとに異なります。スマホなどは消費電力が小さい一方、電気ケトルなどは小型でも消費電力が大きいことがあるため、定格出力を確認してください。
エアコンや冷蔵庫を動かせる機種もありますが、定格出力と起動時電力への対応、使える時間を確認する必要があります。大型家電が必ず使えない、または必ず使えると一律には判断できません。
災害時でも長時間電力の安定供給を望む場合は、家庭用蓄電池がおすすめです。
②充電が切れると使えない
ポータブル蓄電池は充電式です。充電が切れると使えなくなるため、事前に充電しておかなければいけません。
対応するソーラーパネルで充電できる機種もあります。ただし日射や入力条件で発電量が変わるため、充電が使用電力に追いつかない場合は残量が減ります。対応仕様と充電中の使用可否を確認してください。
③水に弱い
市販で販売されているポータブル蓄電池のほとんどには、防水機能が備わっていません。ポータブル蓄電池が災害時にも活躍するのがメリットですが、浸水や豪雨などの影響で濡れてしまうと使用できなくなります。
いざというときに問題なく使用するためにも、浸水の影響が起こりにくい場所で管理しておきましょう。
④定格出力によっては使用できないケースがある
ポータブル蓄電池には定格出力が決まっており、使いたい家電によっては使用できないケースがあります。接続する家電の消費電力を調べ、定格出力を超えていないか確認した上で使用しましょう。
⑤安全性がそこまで高くないものも
ポータブル蓄電池は日本製のものだけではなく、海外製のものも販売されています。海外製のものは国内製造のものより安く販売されていますが、中には低品質なものもあります。
ネットショップの中には粗悪品も混ざっているため、購入する際には事前のリサーチが必要です。
ただし、海外製だからといってすべての商品が粗悪品だとは限りません。中には大手メーカーが提供しているものもあるため、商品を比較しながら自分に合うポータブル蓄電池を選びましょう。
ポータブル蓄電池で後悔しないための購入前チェック
「電気ケトルを使えなかった」「重くて持ち運べない」「停電が長引くと充電できない」といったミスマッチを防ぐには、使う機器の消費電力、必要な時間、機器の重量、再充電の手段を先に決めます。電気ケトルやドライヤーなど発熱する家電は消費電力が大きい製品があるため、定格出力との照合が必要です。
太陽光パネルをつなげば使い続けられる?
対応するパネル、入力電圧・電力、接続端子を確認してください。発電は天候や設置条件で変わり、消費量を上回る充電ができなければ残量は減ります。充電しながら出力できるかも機種ごとに確認し、ソーラー接続だけで連続運転を保証するとは考えないようにしましょう。
高温、浸水、強い衝撃を避け、保管・充電・使用の条件は取扱説明書に従います。異臭や膨張などがある製品は使用を続けないでください。出典:NITE・ポータブル電源の事故への注意喚起
ポータブル蓄電池を選ぶときのポイント
多くのポータブル蓄電池が販売されているため、どれを選べば良いか迷っている方も少なくないでしょう。ポータブル蓄電池を購入する際は、自分の目的や用途に合わせて選ぶことが大切です。
ポータブル蓄電池を選ぶときのポイント
- 使用用途をはっきりさせる
- 重量で選ぶ
- 充電方法を確認する
- 安全性を確認する
- 電源ポートの種類や数で選ぶ
①使用用途をはっきりさせる
まずは、ポータブル蓄電池を使用する用途や目的をはっきりさせましょう。基本的には、以下の2つの使用用途が考えられます。
- 緊急時の備えとして使用する場合
- アウトドアやレジャーで使用する場合
それぞれの使用用途に合わせて、どのようなポータブル蓄電池が適しているか詳しく見ていきましょう。
緊急時の備えとして使用する場合
災害用の容量は使う機器の消費電力と必要な時間から決めます。例えば500Whで100Wの機器を使う場合は理論上5時間ですが、変換損失等により実際は短くなります。複数台を使う場合は消費電力を合計してください。
また、ソーラーパネルと連携できるものであれば、停電が長引いた際でも安心です。日ごろからこまめに充電し、緊急時にすぐ使用できるように準備しておきましょう。
アウトドアやレジャーで使用する場合
アウトドアでは、照明や冷蔵庫など使う機器の電力と使用時間から必要な容量を見積もります。電気ケトルは容量だけでなく定格出力への対応が必要です。充電できる場所や天候も考慮して選びましょう。
②重量で選ぶ
ポータブル蓄電池の重量は容量と機種によって大きく異なります。仕様書の重量と持ち手の形状を確認し、持ち運びや保管場所に合うものを選びましょう。
重くて持ち運びに不便なものを選ぶと、いざというときに不便さを感じるかもしれません。
容量が大きくなるほど重量が増える傾向にあるため、自分が問題なく持ち運びできるかどうかも確認しておきましょう。
③充電方法を確認する
ポータブル蓄電池を選ぶ際は、充電方法も確認しておきましょう。基本的にコンセントのみの種類が多いのですが、停電時に使えない場合があります。
中にはソーラーパネルと組み合わせたり、車のシガーポケットで利用できたりするものもあるため、複数の充電方法がある蓄電池を選ぶのがおすすめです。
④安全性を確認する
多くのポータブル蓄電池には、リチウムイオン電池が使用されています。リチウムイオン電池は耐久性が低く、外部から衝撃が加わると故障するケースも少なくありません。
故障した部分から発火する危険性があるため、安全性を確認するのも重要なポイントです。値段だけで選ぶのではなく、メーカーや耐久性なども合わせて確認しておきましょう。
⑤電源ポートの種類や数で選ぶ
基本的に、家電を使用する際はAC電源ポートが使われることがほとんどです。災害時の備えとして利用したい場合は、AC電源ポートが2口以上あるものがおすすめです。
また、スマホやパソコンの充電をメインとして利用するなら、USB電源ポートに対応しているものを選びましょう。
ポータブル蓄電池を選ぶ際の注意点
ポータブル蓄電池は持ち運びができてどこでも利用できるのが大きな魅力です。しかし、使用する際には注意すべきポイントがあります。
単体で充電するのは不可
ポータブル蓄電池は、単体で充電するのは不可能です。事前に電源から充電しておかなければ使用できないので注意してください。
緊急時にすぐに使用するためにも、こまめに充電があるかどうかを確認しておきましょう。
寒い地域での使用には注意が必要
ポータブル蓄電池は基本的に寒暖差が大きい地域でも問題なく使用できます。しかし、ポータブル蓄電池によって対応可能温度が異なるため、寒冷地に住んでいる方は注意が必要です。
また、近年では地球温暖化が進んでおり、異常気象が発生しています。寒冷地帯ではなくても、突然雪が降った場合などは、ポータブル蓄電池に問題が生じていないか確認しておきましょう。
ポータブル蓄電池に関するよくある質問
Q1. ポータブル蓄電池と家庭用蓄電池の違いは?
ポータブル型は持ち運び、個別の家電へ給電する使い方が中心です。定置型は設置工事をして住宅の回路と接続します。停電時に使える範囲や自動切替の有無は製品ごとに確認してください。
Q2. 容量はどれくらい必要ですか?
使う機器の消費電力Wと使用時間から必要なWhを見積もり、変換損失などを考慮します。容量だけでなく、家電の定格・起動電力に対応する出力Wも確認してください。
Q3. 重量はどれくらいですか?
容量と機種によって異なります。購入前に重量だけでなく、持ち手、移動経路、持ち上げられるかを確認してください。大容量機種を軽量と決めつけないことが大切です。
Q4. 雨の日でも使えますか?
防水性能と使用条件は製品ごとに異なります。防水仕様を確認せず雨や浸水にさらさないでください。濡れた機器の使用や充電は避け、取扱説明書に従って対応してください。
Q5. 導入費用はかからないのですか?
本体や対応パネルの購入費は必要です。通常の持ち運び用途では住宅への設置工事費を抑えられますが、定置型とは供給範囲や容量が異なるため、目的をそろえて比較しましょう。
まとめ:ポータブル蓄電池は持ち運びしやすく災害時にも活躍する
ポータブル蓄電池は家庭用蓄電池と比べると容量が小さいですが、いつでもどこでも使用できるのが大きなメリットです。
ただし、外部からの衝撃に弱い性質があること、充電が切れると使えなくなってしまうことに注意してください。こまめに充電状況を確認し、災害時でも問題なく使用できるように準備しておきましょう。
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