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更新日:2024年5月20日

蓄電池分電盤の選び方!失敗しない取り付け位置・種類・分電盤の基礎知識を解説

蓄電池について

蓄電池を設置すると、分電盤は必ずセットでついてきます。住宅用分電盤を見たり触ったりすることはあるものの「専門的で難しそう」だと感じますよね。

そこでこの記事では以下について解説しています。

  • 分電盤についての基礎知識
  • 災害から家を守る高機能分電盤
  • 分電盤を取り付ける位置
  • 蓄電池との関係性

この記事を読めば分電盤についての理解が深まり、蓄電池を設置する際に専門業者へしっかりと自分の意見を伝えられるようになります。ぜひ参考にしてください。

 

蓄電池の分電盤とは?

分電盤は電気の供給と消費の間に位置するものであり、蓄電池にも分電盤を取り付けなければなりません。

この項目では、「そもそも分電盤ってどんな役割があるの?」「住宅用分電盤との違いは?」といった疑問を以下に分けて解説していきます。

  • 分電盤の役割
  • 住宅用分電盤との違い:電源切替機能

分電盤の役割

分電盤は発電設備から送られてきた電気と、住宅内の電気設備を区分するブレーカーを取りまとめ、一目で住宅内のどこに電気が流れているかがわかるように設計されています。

ブレーカーにはそれぞれ異なるセンサーが取り付けられているため「なぜ停電したか」を大まかに判断することも可能です。

例えば、一番左にある〇〇Aと書かれた大きなブレーカーをアンペアブレーカーと呼びます。一般的に「ブレーカーが落ちた」というときは、このブレーカーが作動しています。

また、電気工事を行うために2階のみ停電させたい場合には、一番右側にある安全ブレーカーを操作します。安全ブレーカーを通して各エリアに電気が流れているため、特定の部分だけ停電できます。

このように、住宅内の電気の通電状況や停電理由を一目で把握できるようにするのが分電盤の役割です。

住宅用分電盤との違い:電源切替機能

実は住宅用分電盤と蓄電池用分電盤に大きな差はありません。異なる点としては「電源切替機能付き」のものが挙げられます。

電源切替機能とは、停電時に電線から送られてきた電気ではなく、蓄電池や太陽光からの供給のみに切り替える機能です。この機能があることで、停電後もすぐに住宅の電気を復旧できます。

また、停電からの復旧時には突入電流という電流が流れるため、蓄電池側の電気が同調できないことによる、システムエラーや故障の可能性を抑えてくれる役割があります。

蓄電池と分電盤の設置位置の理想

 

蓄電池と分電盤には、それぞれ理想的な設置位置があります。雑に設置してしまうと、蓄電池の寿命が短くなったりメンテナンス費用がかさんだりしてしまうため、以下をしっかりと参考にしてください。

  • 蓄電池は屋内設置型と屋外設置型がある
  • 蓄電池の分電盤は住宅用分電盤の近くに

蓄電池は屋内設置型と屋外設置型がある

蓄電池には設置方法が屋内設置型と屋外設置型の2タイプがあります。それぞれの設置場所に関する注意点を以下の表にまとめました。

屋内設置型・温度や湿度がたまらない場所・蓄電池の重さに耐えられる・運転音が気にならないほど離す、または防音
屋外設置型・直射日光が当たらない場所・高温多湿ではない・塩害を受けない・寒冷・積雪の影響を受けない・水が溜まらない

屋外設置型は設置に気を配る事項が多いですが、住宅内が狭くなったり運転音を気にすることはありません。対して屋内設置型は、蓄電池の劣化を防ぎ、建物の外観をスッキリできるものの、住宅の構造をよく考えて設置する必要があります。

新築で設置を検討している方は、屋内設置型を検討しやすいですが、専門業者とメリット・デメリットをよく話し合って決めるようにしましょう。

蓄電池の分電盤は住宅用分電盤の近くに

蓄電池の分電盤は住宅用分電盤の近くに設置するのが理想です。理由は以下の3つです。

  • 停電時など切り替え操作が簡単
  • 離れているとケーブルが長くなってしまう
  • 一目で通電状況を把握できる

分電盤は住宅内の電気を集約する場でもあるため、1箇所で通電状況が把握できる位置が望ましいです。

また、停電時には「電源切替機能」を操作するために、住宅用分電盤と蓄電池用分電盤の両方を操作する場合があります。暗闇の中動き回る必要がないよう、分電盤同士を近くに設置しておきましょう。

分電盤にはどう接続されてる?

分電盤の接続は以下の画像を参考にしてください。

蓄電池から蓄電池用の分電盤へ接続されています。住宅用の分電盤は太陽光を含むすべての電線が集約されている形です。

 

「全負荷型」と「特定負荷型」の分電盤の違い

蓄電池には容量に応じて「全負荷型」と「特定負荷型」の2タイプがあります。この項目では以下について解説します。

  • 蓄電池の「全負荷型」と「特定負荷型」って?
  • 分電盤の価格に変化は?
  • 近年注目されている高機能分電盤とは?

災害時において重要な項目ですので、ぜひ家族と情報を共有してください。

蓄電池の「全負荷型」と「特定負荷型」って?

蓄電池の全負荷型と特定負荷型の特徴を以下の表にまとめました。

全負荷型・蓄電池の容量が大きい→価格高め・住宅すべての電気を蓄電池で送電可能
特定負荷型・蓄電池の容量は小さく済む→価格を抑えられる・住宅内で送電できるエリアが限られる

特定負荷型は送電できるエリアが限られてしまうため、費用を抑える代わりに最低限の生活に必要な容量を決めなければいけません。

対して全負荷型は、容量について深く考える必要がないものの、特定負荷型と比べて50万円前後の予算増加が必要です。

家族構成や間取りによって、必要な電気量はそれぞれ異なるため、家族と専門業者で話し合うことが重要です。

分電盤の価格に変化は?

全負荷型と特定負荷型で分電盤の価格に大きな差はありません。しかし、どちらも内蔵されている機能やメーカーによって最大10万円ほどの価格差はあります。

ただし、蓄電池を設置する場合、多くのメーカーが分電盤を含むセットで販売しているため、セット価格を目にすることがほとんどです。そのため、分電盤の価格差を気にすることは少ないでしょう。

近年注目されている高機能分電盤とは?

高機能分電盤には以下の機能が備わっている分電盤があります。

家電流警報装置電気の使用量を分電盤が把握し、ブレーカーが落ちる前に音声にて教えてくれる→突然の停電を防止できる
感震機能地震を検知すると警報を鳴らし、ブレーカーの遮断を自動で行ってくれる→電化製品の故障や火災を防止できる
避雷機能雷による異常な電気を遮断する→テレビやパソコンなどの繊細な電化製品を保守できる

蓄電池を設置する際に合わせて高機能分電盤を設置することで、住宅の災害対策を向上し、今後考えられる損害を抑えられます。近年、局所的な大雨や震度4以上の地震が頻発していますので、ぜひ参考にしてください。

分電盤にはブレーカーが付き物!知っておいて欲しいブレーカー

 

分電盤はブレーカーをまとめる箱ともいえるため、ブレーカーについても知っておくとより理解が深まります。以下のブレーカーについて解説します。

  • 中性線欠相保護付漏電ブレーカー
  • 感震ブレーカー
  • その他一般的なブレーカー

中性線欠相保護付漏電ブレーカー

中性線欠相保護付漏電ブレーカーとは、漏電ブレーカーに中性線欠相センサーが内蔵されたブレーカーをいいます。

通常3線で送電されている電線の電圧は、100/200Vが基本です。住宅内にあるコンセントは100Vにて加圧されていますが、中性線が何らかの理由で欠相した場合、コンセントに200Vが加圧されます。

そうすると100V対応の電化製品は、過剰に供給される電気を消費できず、最悪の場合、出火してしまう危険性があります。

少しでも被害を抑えたいと考える方は専門業者へ取り付けの旨を伝えてください。

感震ブレーカー

その名の通り地震を検知して自動で遮断してくれるブレーカーです。地震時の停電で怖いのは復旧後の通電火災です。

阪神淡路大震災では、火災した建物の約6割が復旧後の通電が原因だと言われています。変電所や発電所のブレーカーが落ちた場合は、住宅のブレーカーは遮断されず上がったままの状態です。

そのままの状態で通電すると、電化製品の異常や故障する可能性があるため、家を開けている時間が長い方や地震の対策をしたい方は取り付けを検討してください。

その他一般的なブレーカー

分電盤には以下のブレーカーがついています。

  • アンペアブレーカー
  • 漏電ブレーカー
  • 安全ブレーカー

それぞれが重要な役割を持っているため、一つも欠けてはいけない重要なものです。住宅用だけでなく蓄電池にも上記のブレーカーを取り付けるため、気になる方は以下の記事を参考にしてください。

関連:「蓄電池ブレーカーの使い方ガイド!落ちる時・停電時の対応・太陽光発電のブレーカー復旧も解説」

 

分電盤についてのよくある質問

分電盤について、よくある質問についてお答えします。

  • 分電盤と制御盤の違いは?
  • 分電盤の設置費用は?
  • 分電盤にも寿命はある?

分電盤と制御盤の違いは?

分電盤はブレーカーが集約されたものです。制御盤は電気のON・OFFなどの操作を集約したものです。一般住宅においては制御盤は必要なく、分電盤のブレーカーにて操作されます。

分電盤の設置費用は?

蓄電池を設置する際の分電盤の工費はセット料金に含まれています。蓄電池を増設する際の工費は、蓄電池費用と別に30万円〜50万円が相場です。基本的にケーブル工事も含まれていますが、気になる方は工事会社や専門業者へ確認してみてください。

分電盤にも寿命はある?

一般的に分電盤の寿命は15年と言われています。分電盤自体は箱のため、正確にはブレーカーと電線の寿命と言えるでしょう。ほこりやブレーカーの稼働数などによって寿命は変動するため、定期的に専門業者に点検してもらうといいですよ。

 

【まとめ】蓄電池の分電盤は適切なタイプと機能で選ぼう

蓄電池は電気を供給する機能があるため、住宅用分電盤とは別に蓄電池用分電盤の設置が必須です。

蓄電池の種類や分電盤の機能など、分電盤を選ぶポイントは複数あるので専門業者とよく話し合うことをおすすめします。

ミライでんちでは、太陽光発電や蓄電池の設置を行っています。無料見積もりやご相談を受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください。

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