家庭用蓄電池は元が取れないって本当?蓄電池導入の目的を正しく理解しよう
家庭用蓄電池の導入を検討されている方は多いと思いますが、「家庭用蓄電池は元が取れない」という声も少なくありません。
しかし実際には、太陽光発電やHEMS(ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)、エコキュートなどと組み合わせることで、家庭用蓄電池のメリットを最大限に活かすことができます。
この記事では、蓄電池導入の目的を正しく理解して、後悔しない選択をするためのポイントを解説していきます。つまり、蓄電池で元が取れないという誤解を解くための記事になります。
目次
家庭用蓄電池の導入で後悔しないためには?
家庭用蓄電池の導入を検討する際、目的をしっかり整理することが大切です。
まずは目的を整理する方法や、儲けるものではないことを理解することの重要性を解説していきます。
この記事を最後まで読むことで、家庭用蓄電池の導入で後悔しない選択ができるようになるでしょう。
蓄電池の導入目的を整理する
家庭用蓄電池の導入において、「元が取れる」「取れない」ということは一概には言えません。
家庭用蓄電池が注目されるようになった理由は、電力会社が高額な売電価格で電気を買い取ってくれる固定価格買取制度が終了し、売電価格が下がったことが大きな要因です。
その点を踏まえて、家庭用蓄電池を設置する目的を整理しましょう。
一般的に、家庭用蓄電池を設置している人の多くは、「電気代の節約」か「停電時の非常用電力」を目的とする方が多いのではないでしょうか。
まず「電気代の節約」について、元が取れるかどうかは毎月使用している電気の使用量(現在支払っている電気代とこれから支払うであろう電気代)によっても大きく変わってきます。
「停電時の非常用電力」に関しては、非常時に家中の電気を使いたいか、決められた部屋の電気だけ使えたらいいかで、選ぶべき蓄電池が変わります。
このような観点から、蓄電池の導入によって「何が達成できれば良いのか」といった目的を整理することが非常に重要なポイントとなります。
儲けるものではないことを理解する
家庭用蓄電池は、あくまで自宅での電力を効率的に利用することで結果的に電気代が節約できるものであり、儲けるためのものではありません。そのため、停電時に備えるなど防災としての側面が強いことも理解しておくことが大切です。
この前提を間違えてしまうと、思ったような効果が得られないという結果になりかねませんので十分にご注意いただきたいところです。
しかし万が一の際の備えとして、いざという時にこういった設備があることで安心にもつながりますし、太陽光発電とセットで使用することで余計な電気代を節約できる可能性が広がるなど、様々な効果が期待できます。
儲けることこそできないものの、家庭用蓄電池の導入によって結果的に経済的にメリットを与えてくれる可能性の方が大きいというわけです。
そもそも家庭用蓄電池において「元が取れる」とは?
「家庭用蓄電池が元が取れる」とは、導入コストを節電効果や太陽光発電の併用などで回収できる状態のことを指します。
では、どのような方法で家庭用蓄電池の元を取ることができるのでしょうか。
家庭用蓄電池の元を取る方法は大きく2つ
家庭用蓄電池の元を取る方法は、大きく分けて「深夜電力(夜間電力)など時間帯別料金プランを活用する」と「太陽光発電を併用する」の2つが挙げられます。
それぞれの方法について詳しく解説していきます。
深夜電力(夜間電力)など時間帯別料金プランを活用する
時間帯別の電気料金プランを活用することで、家庭用蓄電池の元を取ることが可能です。
時間帯別の電気料金プランとは、深夜帯などの特定の時間帯でのみ電力量料金を安くしてもらえるプランのことを指します。
例えば、東京電力の「夜トクプラン」などがその一例です。このようなプランを活用して、夜間に安い電気を蓄電池に貯め、日中に放電することで、電気料金を削減することができます。
深夜電力については以下の記事も参考にしてみてください。
「深夜電力(夜間電力)とは?蓄電池の利用で節電し安くなる方法を解説!」
太陽光発電を併用する
家庭用蓄電池と太陽光発電を併用することで、シンプルかつ効率的に電気料金を削減でき、元が取りやすくなります。
住宅用太陽光発電を設置した場合は、発電した電気を自宅で使用し、余った電気を売電することができます。
FIT制度を活用している場合は、太陽光発電で発電された電気を自家消費と売電に充てる方がおすすめです。
一方、FIT制度の活用が終わった後は、太陽光発電で余った電気を蓄電池に積極的に貯めていくことが先ほどもお伝えした通り保険といった意味合いで大変おすすめです。
そもそも蓄電池はどんな人におすすめ?
家庭用蓄電池は、さまざまなニーズに対応できるため、多くの方におすすめできます。
ここでは、特に蓄電池がおすすめの人について解説していきます。
電気代高騰に悩んでいる方
2023年3月現在、日本全国各地で電気代が高騰しています。
この原因の一つに、燃料調整費の高騰が挙げられます。また、再エネ賦課金の上昇も電気代が高騰している原因のひとつです。
家庭用蓄電池を導入することで、電気料金の節約が期待できるため、電気代高騰に悩んでいる方におすすめです。
太陽光発電を既に設置・検討している方
家庭用蓄電池は、家庭用太陽光発電システムと併用して使うことによって力を発揮します。
太陽光発電で発電した電気を蓄電池に貯め、夕方以降に放電することで、電気代を削減できます。
また、家庭用太陽光発電システムを設置して10年以上が経過したご自宅では、電力会社が高額な売電価格で電気を買い取ってくれる固定価格買取(FIT)制度が終了します。
その場合、売電をせずに家庭用蓄電池に電気を貯めて自家消費する方がお得になります。
停電対策をしたい方
家庭用蓄電池のメリットは、電気代の節約だけでなく、災害時の非常用電源として使えることです。
家庭用蓄電池の容量や停電時に使う電化製品の消費電力によっては、2日~3日分の電気を賄うことが可能です。ただし、特定負荷型と全負荷型の違いに注意が必要です。
なお蓄電池を活用した停電時の対策については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
【保存版】停電した時の4つの手順。起こる仕組みと備えについても解説
蓄電池の導入費用を安くする方法
家庭用蓄電池の元を取るために、導入費用を安くすることは非常に重要です。
家庭用蓄電池の導入費用を抑えるためには、複数の販売業者に相談することや、補助金制度を活用することがおすすめです。
補助金制度には、国のDER補助金をはじめ、各自治体の補助金があります。購入者が申請するか、販売店が代理で申請することで、補助金を受け取ることが可能です。
ただし、都道府県や市区町村によっては、申請時期が異なるため注意が必要です。
また、補助金を出していない地域や、募集を終了している地域もあるので、事前に確認しておくことが大切です。
複数の販売業者に相談する
蓄電池や太陽光発電の設備については取り扱いの業者が非常に多くなってきています。
よって複数の販売業者に相談・交渉をすることによって補助金が使えるかどうか、あるいは、より安価かつ効率的に設備を設置できるかどうかの結果が変わってくると言ってよいでしょう。
補助金制度を活用する
先ほどもご紹介した通り補助金制度を活用することも重要です。
特に太陽光や蓄電池に関連する補助金は国からも自治体からも、様々な補助金制度が整備されていますので、一度確認してみるのがよいでしょう。
ミライでんちでは「お住まいの地域でどういった制度が活用できるか」など太陽光発電や蓄電池の導入に関する補助金制度についても無料相談を承っております。
【まとめ】蓄電池は太陽光発電とセットで元を取ろう
「蓄電池の導入は元が取れないのではないか?」とのお問い合わせをいただくことも多いですが、
本記事では、そもそも家庭用蓄電池は利益を得るためのものではなく、電気代の節約や停電時の備えとして使えるものである、ということをご紹介してきました。
その上で、最近は補助金等の制度も充実しているため、現実的には十分元が取れるものでもあるということをお伝えしてきました。
また家庭用蓄電池の導入を考える際は、太陽光発電とセットで検討することがおすすめです。これにより、家庭用蓄電池のメリットを最大限に活かすことができ、元が取りやすくなります。
とはいえ、太陽光発電も蓄電池も一朝一夕にすぐに導入できるようなものではありません。専門業者へ相談し、どういったシステムを導入するのが重要なのか、また補助金や各種のサポートが行政等から受けられないかといった部分についても、ご相談されてみてください。
このような部分は、見積もりや予算の部分で大きく影響することになります。
特に「蓄電池で元を取る」というところを考えるなら、プロにご相談するのが最適な方法といって過言ではありません。
ミライでんちでは、太陽光発電や蓄電池を活用した、電気を自給自足し節約できる方法をご案内しております。家庭用蓄電池の導入に関する質問やご相談があれば、ミライでんちまでお気軽にお問い合わせください。