深夜電力(夜間電力)とは?蓄電池の利用で節電し安くなる方法を解説!
最近は生活に関連する諸費用が高騰しつづけており、一部の電力会社は電気代を3割近く引き上げると発表するなど、電気代の高騰が家計を直撃することがほぼ確実視されています。
そこで知っておきたいのが「深夜電力(夜間電力)」。
深夜電力とは簡単にいうと、電力会社が夜間、安価な電力を提供するサービスのことです。
深夜電力を利用すれば、方法によっては電気代を安くすることができます。
そこで今回は深夜電力と「蓄電池」を利用して節電をする方法を解説します。
蓄電池を使うと深夜電力を安く購入し、翌日中にその電力を使うことができます。そのため、深夜電力を十分に活用することで、電気代をかなり節約することができます。
今回はそんな深夜電力と蓄電池について解説していきます。
目次
深夜電力(夜間電力)とは?
深夜電力とは、特定の用途に限定された専用の電気回線、夜間蓄熱機器、電気温水器などで使用するために契約するものです。
一般的には午後11時から翌朝7時までを深夜電力として設定しているケースが目立ちますが、詳細な時間帯は深夜電力に設定されているプランや電力会社によって異なります。
その一方で、東京電力のような電力会社では深夜の時間帯にお得になるプラン(夜トクプランなど)を提供しており、これを深夜電力として定義するケースもあります。
深夜電力を利用することで、夜間に割安な電力を使用することができます。その反面、昼間の価格設定は高めになっているため、電気代を節約するためには注意が必要です。
また、多くの電力会社で2022年に行われた値上げに伴い、日中と深夜の電力量料金の差が縮小しているため、大手電力会社は深夜電力プランを見直している現状もあります。
深夜電力は夜の料金が安くてお得
深夜電力は、夜間の電気料金が昼間よりも安く、お得です。上手に使用すれば、電気代の節約効果が期待できます。
電気温水器やオール電化リフォームなどで、夜間の電力を積極的に使うことで生活の質を向上させ、光熱費を電気に一本化して電気代を下げることもできるでしょう。
帰宅が深夜になる人や、蓄電池などの省エネ設備を導入している場合には、深夜電力を利用するのがお勧めです。
深夜電力が安い理由は?
深夜電力が安い理由は、電力需要が日中にピークを迎え、夕方になると減少するためです。
深夜電力の時間帯は先程ご紹介したように11時から7時までの間が一般的ですので、この時間帯を生活リズムに組み込めるかどうかが重要になってきます。
また、深夜電力プランの契約を検討している人は、自分の使用・生活パターンを考慮した上で決定する必要があります。
深夜電力の時間帯
深夜電力は、一般的に原則として23時から翌7時までの8時間に適用されます。
その他、他大手電力会社を中心に「需要の少ない夜間帯」に割引を適用するプランを以前から用意されており、これによって、夜間メインで電力を使用するご家庭では電気代を節約することが可能です。
加えて先程ご紹介したとおり、オール電化住宅や電気温水器、電気給湯器などを利用する家庭であれば、夜間割引の恩恵を受けやすくなります。
深夜電力のデメリット
深夜電力は夜間に電気を使用することで、電気代を安く抑えられるメリットがありますが、一方でデメリットもあります。
ここでは深夜電力のデメリットについて解説します。
昼間の電気代が割高になってしまうこと
まず第一に「昼間の電気代が割高になってしまうこと」は避けられません。
深夜電力プランを契約することで夜間の電気代を安く抑えられる一方で、昼間の電気代が割高になってしまう可能性があります。
また、イレギュラーな対応の際には深夜電力は融通が利かないため、計画的な使用が必要です。
例えば、東京電力の「夜トク8」の場合、時間別の電力料金は次のようになっています。
時間帯 | 電力料金 (円/kWh) |
午前7時〜午後11時 | 32.74 |
午後11時〜翌午前7時 | 21.16 |
このように、時間帯によって料金が変わるため、オール電化住宅以外では深夜電力を使うとかえって料金が高くなる可能性があります。
この場合、時間帯によって料金が変わらないプランを契約した方が安くなる可能性もあります。
深夜電力のプラン例
深夜電力のプラン例を見てみましょう。
一般的には深夜電力Aプランと深夜電力Bプランなど複数のプランが用意されています。
例えば九州電力がかつて採用していた(※現在は新規加入受付停止中)プランとしては、深夜電力Aプランは契約電力が0.5kWの顧客、深夜電力Bプランは契約電力が1kW以上の顧客を対象とした2パターンの展開をしていました。
これらのプランは、使用量によってプランが分かれているため、状況に合ったプランを選択することができます。
深夜電力がおすすめな人は?
深夜電力がおすすめな人は、一言で言ってしまうと以下のような方々です。
・平日や休日で日中は家にいないことが多い人
・オール電化を導入している人
・電気温水器を設置しているご家庭、または夜間蓄熱機器を使用しているご家庭
性質上、こういったプランは日中お仕事などで家にいない人やオール電化を導入している人、電気温水器や夜間蓄熱機器を使用しているご家庭に特におすすめです。
特に平日や休日で日中は家にいないことが多い人は、深夜に家電を稼働させることで電気代を節約することができます。
深夜電力が値上がりしている理由
ところで「深夜電力が値上がりしている」といった話を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
深夜電力(夜間電力プラン)の値上がりの理由にはいくつかありますが、まず大きい理由としては夜間運転機器の普及による夜間帯の電力需要の増加が挙げられます。
というのも近年、夜間蓄熱式機器(エコキュートや電気温水器、蓄熱暖房器、蓄熱床暖房など)が家庭で使用されるようになってきました。
こうしたところから、もともと低需要な時間帯に・・・と販売されていた深夜電力が、かえって高需要になってしまっているというわけです。
そもそも、日本全体の電気使用量は日中多くなり、夜間は多くの方がご就寝になっていますので、少なくなる傾向にあります。
ということで、日中のピーク時間帯に電力を供給できる規模に合わせて設備が設けられているのですが、これは「深夜だから出力を落とす」といったことは技術的に難しいものでもあります。
そうした部分をクリアするため深夜時間帯に限って、安く電気を供給することで電力会社側もバランスをとっていたのです。
しかし、今度は深夜時間帯に電力を使う方が増えてきているので、料金を値上げしなければならないと考える電力会社が出てきている、というわけです。
深夜電力と蓄電池で節約できる電気料金はどれくらい?
驚かれるかもしれませんが、深夜電力と蓄電池で節約できる電気料金は結論として「毎年約7万円」にもなります。
これは、深夜電力がピークタイムの電気よりも安価なためです。
たとえば、北陸電力の「くつろぎナイト12」プラン適用での一般的なモデルケースで計算してみると、蓄電池なしの電気料金が1日393.4円。
一方、蓄電池を使用することで、1日207.8円になりますので、月間トータルで5,700円(=年間約7万円)もの節約ができます。
仮に5年間この取り組みが続くと、それだけで35万円の節約効果が出てきます。
家庭で節約を図るためには、深夜電力と蓄電池をうまく使うことがこれからは特に大切になってきます。
さらにここでは今登場した単語「蓄電池」について解説します。
蓄電池とは
蓄電池=電池やバッテリーのことです。
大容量の蓄電池であれば、深夜の時間帯に充電し、日中に使用することもできます。
さらに太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、日中に発電した電気を貯め、夜間などでも放電して使うことができます。
蓄電池の放電の仕組みは乾電池や、いわゆるモバイルバッテリーなどと同じで、太陽光発電システムと連携することで、導入当初はある程度の価格で導入コストを掛ける必要があるものの、長い目で見れば電気代を節約することが可能です。
太陽光発電との相性も良い
蓄電池は、太陽光発電との相性が良く、太陽光発電によって生み出された電力を蓄電池に貯めることで、夜間や曇りの日などに使用することができます。
これにより、太陽光発電システム全体のエネルギー利用率を高めることができるのです。
反対に太陽光発電で生み出したエネルギーは、蓄電池がない場合「垂れ流し状態」になります。
少しだけ技術的な話をすると・・・これは「発電能力が需要に合わない場合」に発生し、太陽光発電の最大発電時間帯であっても、需要が少なければ発電エネルギーのロスに直結します。これに対して蓄電池を導入することで、発電能力と需要を「電力を溜めておく」ことで調整することができ、垂れ流しを防ぎ、有効活用することができます。
言い換えると蓄電池は「温泉水を貯める湯船」のように、生み出したエネルギーを貯めておく役割を担っています。
これにより、太陽が射していない時間帯でもエネルギーを使用することができるようになり、垂れ流し状態を防ぐことができます。
蓄電池と夜間電力についてよくある質問
ここでは蓄電池と夜間電力について、よくある質問をQ&A形式でご紹介していきます。
蓄電池は自作できるの?
実は、蓄電池を自作すること自体は可能です。(というより「不可能ではない」といったほうが適切ですが・・・)
蓄電池の作り方は、インターネット上に詳しい情報が掲載されているので、ある程度の知識があれば自作可能です。
一方、専門的な知識の土台が必要になりますし、かえってコスト高になる可能性もあり、さらに言えば各太陽光発電モジュール(機械)との相性問題などもあるため、あまりおすすめできるものではありません。
蓄電池は電気代が安くならないって本当?
住宅(家)に使うタイプの家庭用蓄電池の節電効果はどうなのか?というご質問の意図かと思います。
蓄電池を導入したからといって、何か特別な電気料金値下げプランが適用になるわけではありません。
こうした観点からいえばこの質問の答えは「YES」です。しかし、蓄電池を使用することで、電気代を節約することができる場合が往々にしてあります。
ただし、蓄電池は深夜電力を発電することができるため、深夜電力を使用して電気代を削減することは可能です。
エコキュートは深夜電力を使うのが基本?
「電気を夜間に使う(=夜間電力を使用する)」というのが、エコキュートシステムの基本的な考え方となります。
エコキュートは夜間の電気料金が安い時間に熱水を温めることで、ガス代を節約するように設計されています。
よって夜間電力プランによってエコキュートシステムを使うことがより効率的になります。
深夜電力は蓄電池との併用がおすすめ!
ここまでを総括すると、深夜電力の契約をする場合はやはり、蓄電池があることが望ましいところです。
蓄電池を使用すれば、深夜の安い時間帯に電気を貯めて、需要が高い時間にその溜めた電気を使用することができます。
これにより、電気料金を削減することができます。
また、太陽光発電との相性も良く、太陽光発電で生み出したエネルギーを蓄電池に貯めることもできます。
こうしたところから総合判定として「深夜電力は、蓄電池との併用がおすすめ」と言えます。
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