【基本】PV(Photovoltaic)とは?太陽光発電に関わる知識を初心者でもわかりやすく解説!
「PVって何?」
太陽光発電の知識は複雑であるため、導入を検討する際につまずく方が多いでしょう。しかし、正しい知識が身につけば導入費用を抑えられたり、家庭の電気代の削減ができたり、お得に太陽光発電が導入できます。
本記事では、太陽光発電の「PV」に関する知識や導入するメリット・デメリットについて解説します。初心者にもわかりやすく解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
PV(Photovoltaic)とは?PVの関連知識を一気に解説!
PV(Photovoltaic)とは「光起電力」を英語にして略した言葉です。「光起電力」とは、物質に光を照射した際に発生する電力を指しており、「太陽光パネル」を意味しています。
PVを少しでも理解し、太陽光発電システム導入の不安を解消しておきましょう。
PVシステムとは太陽光発電に必要な機器の総称
「PVシステム」といわれてもイメージがしづらいでしょう。以下に、一般的なPVシステムに含まれる太陽光発電の機器をまとめました。
機器名称 | 特徴 |
---|---|
太陽電池パネル(モジュール) | ・太陽の光を電気エネルギーに変換する部分。 ・シリコン系や薄膜系など、種類により特性が異なる。 |
インバーター | ・直流電力を交流電力に変換する装置。 ・家庭やビルで使用される交流電力への変換が必要。 |
接続ボックス(ジャンクションボックス) | ・パネルからの電流を一か所に集め、インバーターへと送る。 ・電流の安全な分配や結合をおこなう。 |
取付金具 | ・太陽電池パネルを屋根や土地に固定するための部品。 ・設置場所や条件により適切なものを選択する。 |
監視システム | ・発電量やシステムの動作状態をモニタリングする。 ・トラブル検知や運用最適化に役立つ。 |
蓄電池 | ・発電した電気を一時的に蓄える装置。 ・夜間や発電量が少ない時でも電力を使用できる。 ・ピークカットや災害時のバックアップ電源としても利用される。 |
系統連系システム | ・発電した電気を公共電力網(電力会社のネットワーク)に送るためのシステム。 ・電力の売買や電力会社との調整が必要。 |
すべて完璧に把握しておく必要はありませんが、基礎知識として覚えておくとよいでしょう。
PV入力、PV出力とは太陽光発電に重要な数値
PV入力とは、太陽光パネルが受け取る太陽の光の量や強度を指します。晴れた日中は、PV入力が高くなりますが、曇った日や早朝、夕方は低くなります。地域の気候や季節、時間帯、太陽光パネルの設置向きや角度によって数値は変化すると覚えておきましょう。
一方で、PV出力は太陽光パネルから得られる電気の量や強度です。PV出力は、PV入力と太陽電池の変換効率によって決まります。変換効率とは、太陽光で発電した光エネルギーを電気に変換する効率のことです。
現在、市場に出ている太陽電池の変換効率は、約15%~20%です。太陽光があたるほど、変換効率が高いほど、PV出力が増加します。PV出力も天候に左右されると覚えておきましょう。
PVモジュールとは「太陽光パネル」のこと
PVモジュールと太陽光パネルは、呼び方が違うだけで同じものです。モジュールとは、複数のセルを組み合わせてパネル状にしたものです。
セルは、モジュールを構成する基本的な単位であり、太陽光を直接電気に変換する役割を持ちます。専門的な解説をしましたが、難しく考えず「PVモジュールは太陽光パネル」と覚えておきましょう。
独立型と系統連系の違いを簡単に解説!
太陽光発電システムは、独立型PVシステムと系統連系PVシステムの2つにわかれています。それぞれ特徴があるため、特徴を理解して家庭のライフスタイルに合うシステムを選択しましょう。
独立型PVシステム
独立型PVシステムとは、電力会社と連係していない独立した太陽光発電システムです。独立しているので、電力会社からの電力供給がない場所に設置しても活用できます。
なお、一般的に電力を蓄えるための蓄電池が接続されています。
系統連系PVシステム
系統連系PVシステムとは、電力会社と連係しており、電力の供給や売電が可能なシステムです。発電した電力を家庭で使用するだけでなく、売電収入が得られるのは大きなメリットでしょう。また、蓄電池との組み合わせで余剰電力を蓄えたり、停電時の非常電源になったり、さまざまなケースでの活躍が期待できます。
独立型PVシステムのメリット3つ
PVシステムを検討する際には、予算・ライフスタイルを事前に確認し、家庭に最適なシステムを選択しましょう。独立型PVシステムの特徴から考えられるメリットは、以下の3つがあります。
- 設置費用が安い
- 停電時や日の当たらない夜間も電気が使える
- 業者の設置工事なしで設置できる
①設置費用が安い
独立型PVシステムは、小規模のシステムが多いため、初期費用を抑えられる傾向です。初期費用の相場は、約3〜20万円と系統連系PVシステムと比べると低コストです。
業者による工事を必要とせずDIYで設置できるため、初期費用を確保できない方は、独立型PVシステムを検討しましょう。
②停電時や日の当たらない夜間も電気が使える
停電時や日の当たらない夜間でも、蓄電池に蓄えられた電気を活用できます。日当たりのよい場所や時間に電気をためておき、電気が必要なタイミングで活用しましょう。
なお、日に当てた時間や太陽光パネルの容量によって使用できる時間が変化するので注意してください。
③業者の設置工事なしで設置できる
一部の独立型PVシステムは、専門的な知識や工具を必要とせず、一般の方でも手軽に設置できます。小規模なシステムであれば、設置工事の費用がかからず自分の都合に合わせて脱着可能です。太陽光パネルの予算がない方は、検討する余地があるでしょう。
独立型PVシステムのデメリット2つ
簡易的に設置できる独立型PVシステムですが、その分デメリットもあります。太陽光発電の導入の目的によっては、独立型PVシステムは合っていないケースがあるので事前にデメリットを把握しておきましょう。独立型PVシステムのデメリットは以下の2つです。
- 補助金制度が活用できない
- 電力会社に売電できない
①補助金制度が活用できない
各自治体によっては、太陽光発電システムの導入を補助する制度があります。しかし、系統連系形PVシステムを対象にしているケースが多く、独立型PVシステム補助金制度を受けられない可能性があります。
補助金制度を活用したいと考えている方は、一度お住まいの地域の自治体で確認するとよいでしょう。
②電力会社に売電できない
その名のとおり「独立」しているため、電力会社から電気を供給できません。そのため、発電した余剰電力を売電できず、自家消費にあてるほかありません。
太陽光発電の導入により、売電収入を検討している方は特に注意してください。
系統連系形PVシステムのメリット3つ
系統連系形PVシステムは、多くの家庭で設置されている太陽光発電システムです。家庭の電気代削減を検討している方は、系統連系形PVシステムを設置しましょう。ここでは、系統連系形PVシステムのメリットについて、以下の3つを解説します。
- 「自立運転機能」で停電時も電気が使える
- 売電収入が得られる
- 補助金制度で設置費用を抑えられる
①「自立運転機能」で停電時も電気が使える
系統連系形PVシステムには「自立運転機能」が搭載されています。自立運転機能とは、停電時に電力会社からの電力供給が途絶えた場合でも、電力が使えるシステムです。
電力供給が途絶えた際、自動的に「自立運転モード」に切り替わり、必要最低限の家電が使用できます。
②売電収入が得られる
電力会社と連係しているため、余剰電力を売電できます。一般的な家庭では、太陽光発電で得た電力の68.8%を売電しています。売電収入により、太陽光発電システムの導入費用の回収を早める効果が期待できるでしょう。
なお、売電価格は固定価格買取制度(FIT制度)によって決められています。
③補助金制度で設置費用を抑えられる
2023年現在、国からの補助金は出ていませんが、自治体によっては補助金が受け取れる可能性があります。参考として、以下に主要都市で受けられる補助金をまとめましたので、ご参考にしてください。
なお、補助金は予算がなくなり次第終了となる場合があるので、注意してください。
都市名 | 補助金額 | 公式ホームページ |
---|---|---|
東京都 | ・1kWあたり12万円(上限36万円) (3.6kW超の太陽光パネルの場合、1kWあたり10万円) | 東京都環境局HP |
大阪市 | ・2万円/kW、または1/5のいずれか低い方の額(上限6万円) | 大阪府HP |
名古屋市 | ・築10年超の戸建て住宅1kWあたり30,000円(上限6.5kW) ・築10年以下の戸建て住宅1kWあたり20,000円(上限6.5kW) ・集合住宅1kWあたり25,000円(上限9.99kW) | 名古屋市HP |
福岡市 | ・戸建て住宅2万円/kW(上限10万円) ・集合住宅2万円/kW(上限60万円) | 福岡市HP |
系統連系形PVシステムのデメリット2つ
家庭の電気代削減に大きく活躍する系統連系形PVシステムですが、大きなデメリットも存在します。太陽光発電の導入はメリットだけで判断せず、デメリットまで理解して検討しましょう。系統連系形PVシステムのデメリットは、以下の2つです。
- 設置費用が高い
- 蓄電機能がない
①設置費用が高い
系統連系形PVシステムは、独立型に比べると必要な機器が増えるため、設置費用が高くなる傾向です。4.5kWhの容量の太陽光発電システムを導入する場合、約117万円かかります。
しかし、メリットでお伝えしたとおり、月々の電気代削減や売電収入を得られるため、長期の運用により初期費用を回収できるでしょう。
②蓄電機能が備わっていない
蓄電機能が備わっていないため、太陽光発電システムで発電した電力を蓄えられません。
日の当たらない雨天や停電時に、太陽光発電からの電力は使用できないので注意してください。
しかし、家庭用蓄電池を導入すれば、発電した電力を一時的に蓄電できます。家庭用蓄電池は、別途本体代、工事費用がかかるので家庭の予算と相談して検討してください。
まとめ:正しい知識を身につけ、太陽光発電の導入を検討しよう!
太陽光発電の基礎知識、メリットやデメリットを正しく知っておくと、スムーズに導入できるでしょう。実際に導入する際は、事前に家庭の予算、ライフスタイルに合わせたシミュレーションをおこなうようにしてください。
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